3−2. 制御機器の選定
HCFC−22、R−404Aを冷凍サイクルで同様の凝縮温度・蒸発温度で使用した場合の凝縮圧力・蒸発圧力、またR−404Aを構成している成分HFC125/143a/134aの高分子材料への影響を考慮し機器の選定を行った。
シートパッキン類等の高分子材料への影響はHCFC−22、R−404A共に同様の性質を持ち、圧力については同一温度条件でR−404Aの方がHCFC−22と比較して蒸発圧力で0.01〜0.1MPa、凝縮圧力で0.1〜0.4MPaと高い圧力での運転となることが考えられるが、同等の機器で対応できた。
3−3. 熱交換器の検討
ヒートポンプ除湿機として使用するため、蒸発器の可逆運転において冷媒が適切に循環する事を考慮する。
HCFC−22とR−404Aの特性を比較調査する為、同等同形状の熱交換器を用いることにした。同じ凝縮温度・蒸発温度で使用する場合、熱交換器冷媒側の熱伝達率で当然差はあるものの、実機としては熱交換器能力計算の結果を見る限りその差は小さく、熱交換器の制作上の制約となる列数で相殺されるので、問題は無いものと判断した。
3−4. HFC系、HCFC系冷媒用のモデル機の試作
ヒートポンプ式オールシーズン除湿機として運転モードに冷却除湿・再熱除湿・加熱除湿を備え、なおかつ外気温度(DB)、湿度(RH)を監視することにより適切な運転モードで運転するヒートポンプ式除湿機を試作した。
除湿機の仕様を図1〜3、表3に示す。
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図1. 除湿機外形図
表3. 機器仕様表
機 器 |
仕 様 |
圧縮機 |
型式 |
密閉型スクロール |
冷却能力 |
12,900kcal/h at ET5℃/CT55℃、HCFC22 |
冷却能力 |
12,200kcal/h at ET5℃/CT55℃、HFC404a |
電源/回転数 |
AC200V、3ph、60Hz/3,500rpm |
冷却器 |
型式 |
ワッフルフィン+リップル管 |
冷却能力 |
12,900kcal/h at ET5℃、HCFC22 |
冷却能力 |
12.200kcal/h at ET5℃、HFC404a |
列数×段数×有効長×フィンピッチ×管径 |
2R×20ST×590EL×2.0FP×9.52OD |
表面積/通過面積/通過風速 |
11.93m2/028m2/2.5m/sec. |
再熱器 |
型式 |
ワッフルフィン+リップル管 |
再熱能力 |
18,958kcal/h at CT55℃、HCFC22 |
再熱能力 |
19,802kcal/h at CT55℃、HFC404a |
列数×段数×有効長×フィンピッチ×管径 |
3R×20ST×590EL×2.0FP×9.52OD |
表面積/通過面積/通過風速 |
17.9m2/0.28m2/2.5m/sec. |
凝縮器 |
型式 |
ワッフルフィン+リップル管 |
凝縮能力 |
17,974kcal/h at CT55℃、HCFC22 |
凝縮能力 |
17,704kcal/h at CT55℃、HFC404a |
列数×段数×有効長×フィンピッチ×管径 |
2R×24ST×820EL×1.8FP×9.52OD |
表面積/通過面積/通過風速 |
21.97m2/0.47m2/3.0m/sec. |
給気送風機 |
型式 |
斜流ファン(インバータ制御) |
風量×静圧×回転数 |
2,700m3/h×35mmAq×1,800rpm |
回転数変更範囲 |
0〜1,800rpm |
凝縮機送風機 |
型式 |
斜流ファン(インバータ制御) |
風量×静圧×回転数 |
5,400m3/h×25mmAq×1,800rpm |
回転数変更範囲 |
0〜1,800rpm |
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図2. テスト用除湿機外観
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図3. 除湿機配管系統図
3−5.モデル機の実機検証
ヒートポンプ式除湿機の運転で機器等に最も負荷がかかると考えられる冬期の加熱除湿モードでの運転を行いその運転データをまとめた。主に熱量、冷凍能力等を比較検討するため、定常状態の運転においての各機器の出入口の冷媒温度・圧力を測定した。
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