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2.3.2 ケーブルの貫通用材料
(1)電線貫通金物
 ケーブルが水密甲板や隔壁を貫通する場合、あるいはケーブルを機器へ導入する場合の防水に使われる。金物の種類には機器用、甲板用、隔壁用があり、材質としては軟鋼製、黄銅製、軽合金製、合成樹脂製のものがある。
 電線貫通金物は、JIS F 8801:98(箱用)及びJIS F 8802:87(隔壁・甲板用)及び付録11、表11.2 に掲げる推奨品によるものとする。ただし、隔壁・甲板用のものについては船体への取付け用として、つばを付けたものか、あるいはねじを切ったものを用いる。ケーブルと貫通金物の適合基準を表3.2.11に示す。尚新JISケーブルの適合基準については電装設計・工事データ図表集の表3.1.1〜3.1.11による。
 図3.2.12は箱用の例を示したものである。
 
表3.2.11 船用電線貫通金物の適合基準
船用電線貫通金物の適合基準
線心数 公称断面積mm2 250Vケーブル 適合グランド
仕上がり外径mm 箱用 隔壁及び甲板用
SPY    
DPY    
TPY    
1 1.25 5.4 10a 10b
2.0 5.8 10a 10b
3.5 6.6 10a 10b
2 1.25 9.4 15b 15a
2.0 10.3 15c 15a
3.5 12.1 20b 20a
3 1.25 9.9 15c 15a
2.0 10.9 20a 20a
3.5 12.8 20c 20a
 
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図3.2.12 船用電線貫通金物図(箱用)(JIS F 8801:98)
 
付表 船用電線貫通金物図の説明(JIS F 8801:98)
部品番号 部品名 個数 材料
1a 締付グランド 各1 黄銅又はJIS H 5202のAC7A−F
1b 黄銅若しくはJIS H 5202のAC7A−F、又はJIS F 0701の等級01−25−33−42−51−64−72−82 による合成樹脂
2a A 各1 黄銅、鋳鉄、捧鋼又はJIS H 5202のAC7A−F
AM JIS F 0701の等級01−25−33−42−51−61−72−82による合成樹脂
2b B 黄銅、鋳鉄、捧鋼又はJIS H 5202のAC7A−F
BM 個別規格による。
2c 黄銅、鋳鉄、捧鋼又はJIS E 5202のAC7A−F
3 ナット 1 黄銅若しくはJIS H 5202のAC7A−F又はJIS F0701の等級01−25−33−42−51−64−72−82による合成樹脂
4 座金 2 黄銅、鋼板又はJIS H 4000のA5052P
5 ガスケット 1 合成ゴム
6 ガスケット 1 張合せ帆布又は品質が同等以上のもの
7 保護ガスケット 1 合成ゴム
8 保護板 1 鋼板又はJIS H 4000のA5052P







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