第1編 総則
1. 一般
1.1 法規等
船舶安全法の一部を改正する法律が、平成6年5月20日より施行され、小型船舶安全規則等の一部改正が行われ、小型船舶及び小型漁船(以下小型船舶等という)の範囲が拡大されました。その後数々の改正を重ね現在に至っております。
かかる状況の中その電気艤装設計・工事にあたっては、建造目的に添った法規等を十分理解し、安全を重視した適正な設計のもと、その性能が発揮されるよう装備されなければならない。
また設備される電装品については、必要とされる検査に合格したJIS規格又は 付録に掲げる当協会の推奨品を参考に、安全性、信頼性、経済性、互換性にすぐれたものを選定するように努めるべきである。
小型船舶等の関係法規、規格を表1.1.1に示す。
名称 |
内容 |
船舶安全法及び同施行規則 |
船舶の施設、検査等 |
小型船舶安全規則 |
小型船舶の全般 |
小型漁船安全規則 |
小型漁船の全般 |
船舶設備規程 |
汽笛、船灯、無線設備等 |
海上衝突予防法及び同施行規則 |
船灯等 |
日本工業規格(JIS F) |
船用電気機器、器具等 |
〃 (JIS C) |
ケーブル等 |
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1.2.1 全長
船体に付属する突出物を含めて、船首最前端より船尾最後端までの水平距離をいう。
上甲板の下面において船首材前面より船尾材の後面(又は、舵頭材の中心)に至る長さをいう。船体構造によって長さの計測点が異なる。
海上衝突予防法・海上交通安全法・港則法でいう「長さ」とは、船舶の全長をいう。
船体最広部においてフレームの外面より外面に至る幅をいう。
船の長さの中央においてキールの上面より船側における上甲板の下面に至る深さをいう。
小型船舶とは、総トン数20トン未満の船舶をいう。(船舶安全法第6条の5)
小型船舶の電気設備については、国際航海に従事する旅客船を除き小型船舶安全規則が適用される。
沿海区域を航行区域とする小型船舶であって、その航行区域が平水区域から当該船舶の最強速力で2時間以内に往復できる区域に限定されているものをいう。
小型漁船とは、総トン数20トン未満の漁船をいう。(漁船特殊規則第2条)
小型漁船の電気設備については、小型漁船安全規則が適用される。
採介藻漁業、定置漁業、施網漁業、曳網漁業、小型捕鯨業を主として専ら本邦の海岸から100海里以内の海域において従業する小型漁船をいう。
鮭・鱒流網漁業、鮪延縄漁業、鰹竿釣漁業を主として本邦の海岸から100海里を超える海域において従業する小型漁船をいう。
(登録長さ24メートル以上の船舶は除く。(注1))
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(注)1. 「旅客船」とは「12人を超える旅客定員を有する船」と定義される。(船舶安全法第8条)
2. 表中の「担当」欄のJG及び×印はそれぞれ管海官序が検査する船舶及び船舶安全法の適用除外の船舶を示す。
(注1)総トン数20トン未満で、かつ、登録長さ24メートル以上の船舶はほとんど存在しないと考えられるので本表ではこのような船舶の適用欄は考慮していない。ただし、「沿海区域を航行区域とする24メートル以上の船舶」は、総トン数20トン未満であっても、船舶安全法第3条により「満載喫水線」を標示することが義務づけられるので、船舶安全法施行規則第14条の規定等から機構の検査対象船舶から除かれる。
(注2)推進機関を有する長さ12メートル未満の船舶(危険物ばら積船及び特殊船を除く。)であって次に揚げるもの(船舶安全法施行規則第2条第2項第1号)
1. 次に揚げる要件にすべて適合するもの
(1)3人を超える人の運送の用に供しないものであること。
(2)推進機関として船外機を使用するものであり、かつ、当該船外機の連続最大出力が長さ5メートル未満の船舶にあっては5馬力以下、長さ5メートル以上の船舶にあっては10馬力以下であること。
(3)湖若しくはダム、せき等により流水が貯留されている川の水域であって、面積が50平方キロメートル以下のもの又は次に揚げる要件に適合する川以外の水域で、告示で定めるもの(*)のみを航行するものであること。
(i)平水区域であること。
(ii)海域にあっては、陸地により囲まれており、外海への開口部の幅が500メートル以下で、海域内の最大幅及び奥行きが開口部の幅よりも大きいものであり、かつ、外海の影響を受けにくいこと。
(iii)面積が100平方キロメートル以下であること。
(iv)当該水域における通常の水象条件のもとで、波浪が穏やかであり、水流又は潮流が微弱であること。
(*)能取湖、屈斜路湖、風蓮湖、洞爺湖(以上北海道)、小川原湖(青森県)、十和田湖、(青森・秋田県)、浜名湖(静岡県)、宍道湖(島根県)、中海(鳥取・島根県)、浦ノ内湾(高知県)、江田島湾(広島県)、羽地内海(沖縄県)
(詳細は「船舶安全法施行規則第2条第2項第1号イ(3)の水域を定める件」(昭和54年運輸省告示第568号参照))
2. 「ごく小型の船舶」とは、長さ1.5メートル未満の船舶であって、推進機関の連続最大出力が2馬力未満のもの
(注3)長さ12メートル未満の帆船(国際航海に従事するもの、沿海区域を超えて航行するもの、推進機関を有するもの((注2)に揚げるものを除く。)、危険物ばら積船、特殊船及び人の運送の用に供するものを除く。)(船舶安全法施行規則第2条第2項第2号)
(注4)「推進機関及び帆装を有しない船舶」であって、「推進機関を有する他の船舶に引かれ又は押されて人の運送の用に」供し、かつ、「次に揚げる要件に適合する長さ12メートル未満の船舶」(船舶安全法施行規則第2条第2項第3号ホ)
1. 長さ5メートル未満の船舶にあっては、当該他の船舶の推進機関の連続最大出力が10馬力以下、長さ5メートル以上の船舶にあっては、当該他の船舶の推進機関の連続最大出力が20馬力以下であること。
2. 次に揚げる要件にすべて適合するもの
(1)3人を超える人の運送の用に供しないものであること。
(2)湖若しくはダム、せき等により流水が貯留されている川の水域であって、面積が50平方キロメートル以下のもの又は次に揚げる要件に適合する川以外の水域で、告示で定めるもののみを航行するものであること。
(i)平水区域であること。
(ii)海域にあっては、陸地により囲まれており、外海への開口部の幅が50。メートル以下で、海域内の最大幅及び奥行きが開口部の幅よりも大きいものであり、かつ、外海の影響を受けにくいこと。
(iii)面積が100平方キロメートル以下であること。
(iv)当該水域における通常の水象条件のもとで、波浪が穏やかであり、水流又は潮流が微弱であること。
(注5)遊園地「奈良ドリームランド」(奈良県)、「横浜ドリームランド」(神奈川県)、「東武動物公園」(埼玉県)、「東京ディズニーランド」(千葉県)、「レオマワールド」(香川県)内の人工池、遊園地「宝塚ファミリーランド」(兵庫県)内の人工池及び武庫川水域、遊園地「東京ディズニーシー」(千葉県)、「ポルトヨーロッパ」(和歌山県)、「パルケエスパーニヤ」(三重県)及び「ナガシマスパーランド」(三重県)内の人工池及び人工水路、モーターボート競争法の許可を受けた競走場に係る水域
(社)日本モーターボート選手会の選手の訓練の用に供する特定の水域
(社)日本モーターボート競走会連合会の選手等の養成の用に供する特定の水域
(詳細は運輸省告示「船舶安全法施行規則第2条第2項第6号の水域を定める件」(昭和49年運輸省告示第353号)参照)
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