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6. 無線設備の保守等の承認について
 
海査第294号の2
平成12年6月28日
 
運輸省海上技術安全局検査測度課長
 
無線設備の保守等の承認について
 無線設備の保守等の承認にあたっては、平成4年1月29日付け海査第61号(「無線設備の保守等の承認手続きについて(暫定基準)の送付について」に基づいて行ってきましたが、平成4年付け海査第61号の一部改正を下記のとおり改正しましたので、業務上遺漏のないようにお取り計らい願います。
 本改正に伴い、既に承認を受けた船舶所有者が、変更の承認を受けようとする場合は、変更しようとする事項及びその理由等を記載した無線設備の保守等変更申請書(第2号様式)に、既に承認された無線設備の保守等承認書と変更に係る関連書類(2.提出書類(4)(ハ))を添付させ、審査して適切なものである場合は管海官庁限りで承認することとし、新たな保守等承認書を船舶所有者に交付します。
 また、本改正の施行日以後、初めて行う陸上保守点検は、前回の陸上保守点検の実施時期にかかわらず、船舶検査証書の有効期間が満了する日に相当する毎年の日の前後3月以内の時期に行うこととします。
 
 
(省略:協会本部にて、改正内容を取込み、以下に記載する。)
 なお、本改正による海査第61号は、平成12年7月7日から施行する。
 
(改正後の海査第61号)
無線設備の保守等の承認手続きについて(暫定基準)
1. 承認手続き
 管海官庁は、無線設備(船舶安全法施行規則(以下、規則という)第60条の5第1項の無線設備をいう。以下、同じ)について、規則第60条の5第1項に基づき講じる措置及びその実施方法について承認を行う場合は、2.に掲げる書類を提出させ、3.の審査基準に合致している場合は、4.に掲げる承認書を船舶検査手帳に添付して交付する。また、SOLAS条約が適用される船舶については、条約証書に関連する事項を記載する。承認された事項を変更する場合も同様とする。
 ただし、管海官庁は審査に際して、当該基準により難いと認める場合及び陸上保守を承認する場合は、あらかじめ検査測度課長に伺いでるものとする。
2. 提出書類
 (承認を受ける場合)
(1)無線設備の保守等承認申請書(第1号様式)
(2)保守等の対象となる設備の一覧表
(3)設備の二重化を行う場合は次の事項を記載した書類
(イ)船舶に施設する規則第60条の6の設備
(4)陸上保守を行う場合は次の事項を記載した書類
(イ)規則第60条の7各号の1のいずれか。
(ロ)船舶の就航航路
(ハ)各設備の点検項目及び点検期間
(ニ)点検した結果の記録用紙及びこれの船内の保管方法
(ホ)規則第60条の7第1号により行う場合は、次の書類
a. 修理及び点検を委託する事業者との契約書の写し
b. 委託する事業者が修理及び点検の能力を示す書類(別紙1)(既に承認を受けた事業者についてはその旨を記載すること。)
c. 修理及び点検を行う事業所の一覧表
(ヘ)規則第60条の7第2号により行う場合はの事項を記載した書類
a. 船舶所有者の修理及び点検を行う拠点の場所
b. 拠点で修理及び点検を行う責任者及び要員
c. 責任者及び要員の学歴、実務経験者等
d. 修理及び点検を実施するための規定
e. 拠点に配置する予備の部品、測定器具、工具、修理及び点検のマニュアル
f. 測定器具の較正方法
(ト)規則第60条の7第3号の場合は、必要と認める書類
(5)船上保守を行う場合は、次の事項を記載した書類
(イ)船舶に乗り組んで保守を行う船員の氏名及び当該船員が海技士資格(または無線従事者資格)を有することを明らかにすることができる書類
(ロ)船舶職員法により通信長の配乗が行われる場合はその旨(この場合(イ)の書類は省略して差し支えない。)
(ハ)船舶に搭載する保守の手引書、予備の部品、測定器具、工具
 承認を行う場合、各書類は2部((1)については1部)提出させ、承認後、承認書に添付して1部を返却する。
 (承認の変更を行う場合)
(1)無線設備の保守等変更承認申請書(第2号様式)
(2)既に承認された無線設備の保守等承認書の写し
(3)承認を受ける場合に必要な書類のうち変更にかかわる部分の承認に必要な書類
 書類の取扱いは、承認を行う場合に準じる。
3. 審査基準
(1)講じる措置について
 SOLAS条約が適用される船舶でA3水域又はA4水域を航行する船舶は、設備の二重化、陸上保守又は船上保守のうちから2の措置、その他の船舶にあっては1の措置が、規則第60条の5第1項に従って措置されていること。なお、承認にあたっては船舶検査証書、条約証書により確認すること。
(2)設備の二重化の実施方法について
 規則第60条の6の設備が施設されていること。なお、この場合、非常電源及び補助電源についても措置されていることに注意を払うこと。
(3)陸上保守の実施方法について
(イ)各設備の点検項目及び点検期間が別添1の要件を満たすものであること(3.(3)(ホ)による方法を除く。)
(ロ)点検した結果の記録用紙は、点検項目及び点検の結果及び点検を行った日、点検者が記載されるものであり、船長の管理のもとに船内に保管されるものであること。
(ハ)規則第60条の7第1号の方法により行う場合
a. 契約者が次の要件を満たすものであること。
i. 船舶所有者(船舶共有の場合であっても船舶管理人を置く場合は船舶管理人、船舶貸借の場合は船舶借入人)と保守事業者との契約であること。
ii. 修理及び点検を行う対象船舶及び対象設備が明記されていること。
iii. 保守事業者が(イ)で定めた点検期間ごとに点検を行うこと及び船舶から要請があったときはすみやかに修理を行うことを担保するものであること。
iv. 保守事業者は修理及び点検を行う事業所(契約(これに準じる協定書による取り決めを含む。)による自社以外の事業所を含む。以下、同じ)において修理または点検が行えない場合は保守要員を出張させることにより行うものであること。
v. 保守事業者は、修理または点検を行う事業所の住所、連絡先のリストを供与するものであること。
vi. 契約期間及び契約の更新方法が明記されていること。
b. 委託する保守事業者が別添2の要件を満たすものであること。
c. 委託する保守事業者が当該船舶の就航航路をカバーする修理及び点検を行う事業所を有すること。ただし、事業所の不足を補うための保守要員の出張を利用して差し支えない。
(ニ)規則第60条の7第2号の方法により行う場合
a. 就航航路の出発港、目的港、寄港地に拠点があること(各港が至近の距離にある等差し支えないと認められる場合は、その数を減じてもよい。)
b. 拠点は別添3の要件を満たすものであること。
(ホ)規則第60条の7第3号の方法により行う場合
 SOLAS条約が適用される船舶以外の船舶(旅客船を除く。)であって、自己診断装置(送信装置、受信装置を含んで点検できるものに限る。インマルサット無線電話、インマルサット直接印刷電信にあっては別添1の点検項目に相当する点検ができるものに限る。)を備える無線設備(極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置及びレーダー・トランスポンダーを除く。)を施設し、(ハ)に規定する方法の要件を満足し、日常の点検において1ヵ月を超えない範囲で設備の現状等及び自己診断装置(軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置及びレーダー・トランスポンダーにあっては試験作動スイッチとする。)を用いた点検を船内において行い、異常があった場合はすみやかに保守事業者に修理又は点検を依頼するとともに、13ヵ月(航海中のため入港できない場合は入港したとき)を超えない範囲別添1の点検項目の点検を保守事業者が行う方法は、認めて差し支えない。
(4)船上保守の実施方法について
(イ)一級海技士(通信)、一級海技士(電子通信)、二級海技士(電子通信)又は第一級総合無線通信士、第一級海上無線通信士あるいは第二級海上無線通信士の資格を有する船員が配乗されるものであること
(ロ)各整備の保守の手引書及び別添4の予備の部品、測定器具、工具を船舶に搭載するものであること
4. 承認書
 無線設備の保守等について承認を行った場合は、無線設備の保守等承認書(様式3)、変更を行った場合は既に交付した無線設備の保守等承認書を返却させ新たに無線設備保守等承認書を交付する。
 交付にあたっては船舶検査手帳に添付すること。
 
(別紙1)
保守事業者の修理及び点検の能力を示す書類
 次に掲げる事項を記載した書類
1. 会社の沿革、概要
2. 資本金、定款及び役員名
3. 事業報告書
4. 過去3年間の無線設備の修理及び点検の実績(製造メーカーにあっては生産実績も含めること。)
5. 社内機構図(修理及び点検に係る管理体制を明確に示すもの)
6. 修理及び点検に係る組織の職務分掌
7. 修理及び点検について指導、監督を行う組織の構成員及び責任者
8. 修理及び点検を実施するための規定
9. 保守要員に対する教育、訓練体制及びその実施状況
10. 予備の部品の保有状況
11. 修理及び点検を行う事業所の選定規程
12. 修理及び点検を行う事業所及び保守要員の状況
13. その他管海官庁が必要と認める書類
(備考)ただし、型式承認を受けているメーカーにあっては、1.から5.及び10.の書類は添付する必要はない。







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