日本財団 図書館


10. VHFデジタル選択呼出聴守装置整備基準
10.1 適用
 この基準は、VHFデジタル選択呼出聴守装置について、整備を行う場合に適用する。
10.2 整備の方法
 VHFデジタル選択呼出聴守装置の整備は、これを備え付けている船舶の定期検査又は中間検査の時期に行い、電波法に基づく無線局の免許状を有する場合にはその搭載船舶及び免許人の氏名又は名称が免許状に記載されるとおりであること並びに次の事項について確認する。
10.2.1 外観点検
−1. 構成品等の点検
 本体、ケーブル、予備品等の構成品、操作説明書及び保守のための資料が完全な状態で揃っているかを点検する。
−2. 表示の点検
 VHFデジタル選択呼出聴守装置の本体の(i)名称、型式、型式承認番号、製造年月、製造番号、製造者名、DSCのクラス、検定印又は証印(ii)操だ室に装備する機器にあっては磁気コンパスに対する最小安全距離の表示が適切なものであり、かつ、見易い箇所になされ、かすれて見えにくくなっていないかを点検する。
−3. 空中線の取付状況に異常がないことを確認する。
−4. 主要部のコネクタの取付状況、ねじ類の締付状況、アースの状態に異常のないことを確認する。
−5. 表示灯の断線、操作つまみの欠落等のないことを確認する。
10.2.2 電源装置の効力試験
−1. 主電源及び代替電源から受電可能であること及び電源電圧が規定値以下であることを確認する。
−2. 代替電源への切換が素早くできることを確認する。
10.2.3 制御部の性能試験
−1. 機能試験
 機器の全体の入/切のスイッチにより、機器の作動状態にあることを示す可視表示がされることを確認する。
−2. チャンネル70で受信できる機能を有することを確認する。
10.2.4 受信装置の効力試験
 チャンネル70において、通信範囲内にある海岸局又は船舶局から送信されるDSCメッセージを受信できることを確認する。
10.2.5 DSC機能の効力試験
 外部電源供給停止時の記憶試験
 電源(主電源と代替電源)を短時間(1分間程度)断にした後、電源を入れた際に既に受信した遭難呼出し等の内容が消去されていないことを確認する。
10.2.6 保護装置
 AC/DC 50V以上の導電部には保護カバーが付けられていることを確認する。
10.2.7 自己診断試験
 機器に内蔵された自己診断機能を用いて、日常の点検ができることを確認する。
10.3 整備記録の作成等
 整備者は、別紙様式のVHFデジタル選択呼出聴守装置整備記録(「GMDSS設備等整備記録総括表」を含む。)を作成し、管海官庁及び船舶所有者に1部送付するとともに、1部をサービス・ステーションに保管する。
 
11. デジタル選択呼出装置整備基準
11.1 適用
 この基準は、デジタル選択呼出装置について、整備を行う場合に適用する。
11.2 整備の方法
デジタル選択呼出装置の整備は、これを備え付けている船舶の定期検査又は中間検査の時期に行い、電波法に基づく無線局の免許状を有する場合にはその搭載船舶及び免許人の氏名又は名称が免許状に記載されるとおりであること並びに次の事項について確認する。
11.2.1 外観点検
−1. 構成品等の点検
 本体、ケーブル、予備品等の構成品、操作説明書及び保守のための資料が完全な状態揃っているかを点検する。
−2. 表示の点検
 デジタル選択呼出装置の本体の(i)名称、型式、型式承認番号、製造年月、製造番号、製造者名、DSCクラス、検定印又は証印(ii)操だ室に装備する機器にあっては磁気コンパスに対する最小安全距離の表示が適切なものであり、かつ、見易い箇所になされ、かすれて見えにくくなっていないかを点検する。
−3. 空中線の取付状況に異常がないことを確認する。
−4. 主要部のコネクタの取付状況、ねじ類の締付状況、アースの状態に異常のないことを確認する。
−5. 表示灯の断線、操作つまみの欠落等のないことを確認する。
−6. 遭難呼出しの送信開始のために、ITU−Tデジタル入力パネル又はISOキーボードのキー以外の明確に認識できる専用ボタンを有することを認識する。
11.2.2 電源装置の効力試験
−1. 主電源及び代替電源から受電可能であること及び電源電圧が規定値以内であることを確認する。
−2. 代替電源への切換が素早くできることを確認する。
11.2.3 制御部の性能試験
 機器全体の入/切スイッチを投入した後、機器の制御盤上のつまみ等を操作し、表示等により以下の確認を行う。
−1. 作動状態の可視表示
 機器は、遭難呼出しの送信状態と通常の搬送波の送信状態とが明確に区別できる可視の表示がされること。
−2. 遭難周波数の選択
(1)MFで運用するものについては2187.5KHz、HFで運用するものについては、4207.5、6312、8414.5、12577、16804.5KHzでの送受信が容易にできること。
(2)選択されている送受信周波数は機器の制御盤上ではっきり確認できること。
(3)J2B(上側波帯)又はF1Bで送受信できること。
(4)J2B波で送信される場合、DSCの信号が割当周波数で送信されるように搬送波の周波数が調整されていること。
−3. 遭難周波数の切換
 送受信周波数の切換操作を行い、他の周波数への同調が15秒以内に行えること。また、周波数を切換えている間は送信できないこと。
−4. 制御部の操作の確認
 制御部を操作し、これが不要電波の発射の原因とならないこと。
11.2.4 送信装置の効力試験
−1. 空中線電力及び周波数偏差の測定
(1)空中線電力を電力計により測定し、規定値(60W以上)であることを確認する。
(2)周波数偏差を周波数測定器により測定し±10Hz以内であることを確認する。
−2. 送信試験
 通信士の立会いのもとに通信範囲内にある海岸局又は船舶局にDSCメッセージを送信できることを確認する。
11.2.5 受信装置の効力試験
 通信範囲内にある海岸局又は船舶局から送信されるDSCメッセージを受信できることを確認する。
11.2.6 DSC機能の効力試験
−1. 遭難メッセージの作成
 遭難メッセージの作成に関し、以下の確認を行う。
(1)自船の位置、時刻が手動で遭難メッセージに入力できること。
(2)メッセージの出力前に、校正のために作成したメッセージを表示できると。
−2. 遭難呼出し送出手段の確認
 以下の遭難呼出し送出手段を有することの確認を行う。
(1)独立した2以上の操作で、送出を開始できる手段。
(2)常時手動で送出を中断したり、機器をリセットすることができる手段。
−3. 一般呼出しの受信試験
 一般呼出しの受信があった場合に、呼出しを知らせる可視・可聴の表示をすること。
−4. 外部電源供給停止時の記憶試験
 遭難呼出しを作成した後電源(主電源と代替電源)を短時間(1分間程度)断にし、再び電源を入れ、遭難呼出しの内容が消去されていないことを確認する。
−5. 走査送信
 DSC遭難周波数については遭難呼出しを走査送信することのできる機器については以下の確認を行う。
(1)走査送信する周波数(MF帯から1波、HF帯から5波計6波の遭難周波数を最大とする)を選択できること。
(2)送信している周波数以外の選択された全ての周波数で受信できること、又は、選択された全ての周波数での送信を1分以内で終了できること。
(3)走査を中断、再開できる手段が備え付けられていること。
−6. 走査受信
 DSC遭難周波数について走査受信を行うことのできる機器については以下の確認を行う。
(1)6波を最大として走査受信したい周波数を選択できること。
(2)遭難周波数聴守の目的のために走査を行う場合、2187.5KHz、8414.5KHzの2波と4207.5、6312、12577、16804.5KHzのうち1波は必ず走査波として選択されること。
(3)選択された全ての周波数を2秒以内に走査受信できること
(4)走査受信中に任意の走査周波数を選択すると当該周波数に切換わること。
11.2.7 保護装置
−1. 遭難呼出しの送信を開始する専用のボタンには、不用意な操作から保護された処置がされていることを確認する。
−2. AC/DC 50V以上の導電部には保護カバーが付けられていることを確認する。
−3. 空中線の金属露出部分には、人が容易に近づけないような処理がされていることを確認する。
11.2.8 自己診断試験
 機器に内蔵された自己診断機能を用いて電波を発射することなく日常の点検ができることを確認する。
11.3 整備記録の作成等
 整備者は、別紙様式のデジタル選択呼出装置整備記録(「GMDSS設備等整備記録総括表」を含む。)を作成し、管海官庁及び船舶所有者に1部送付するとともに、1部をサービス・ステーションに保管する。
 
12. デジタル選択呼出聴守装置整備基準
12.1 適用
 この基準は、デジタル選択呼出聴守装置について、整備を行う場合に適用する。
12.2 整備の方法
 デジタル選択呼出聴守装置の整備は、これを備え付けている船舶の定期検査、又は中間検査の時期に行い、電波法に基づく無線局の免許状を有する場合にはその搭載船舶及び免許人の氏名又は名称が免許状に記載されるとおりであること並びに次の事項について確認する。
12.2.1 外観点検
−1. 構成品等の点検
 本体、ケーブル、予備品等の構成品、操作説明書及び保守のための資料が完全な状態で揃っているかを点検する。
−2. 表示の点検
 デジタル選択呼出聴守装置の本体の(i)名称、型式、型式承認番号、製造年月、製造番号、製造者名、DSCのクラス、検定印又は証印(ii)操だ室に装備する機器にあっては磁気コンパスに対する最小安全距離の表示が適切なものであり、かつ、見易い箇所になされ、かすれて見えにくくなっていないかを点検する。
−3. 空中線の取付状況に異常がないことを確認する。
−4. 主要部のコネクタの取付状況、ねじ類の締付状況、アースの状態に異常のないことを確認する。
−5. 表示灯の断線、操作つまみの欠落等のないことを確認する。
12.2.2 電源装置の効力試験
−1. 主電源及び代替電源から受電可能であること及び電源電圧が規定値以下であることを確認する。
−2. 代替電源への切換が素早くできることを確認する。
12.2.3 制御部の性能試験
 機器の制御盤上のつまみ等を操作し、表示等により以下の確認を行う。
−1. 作動状態の可視表示
 機器全体の入/切スイッチにより、機器が作動状態にあることを示す可視表示がされること。
−2. 遭難周波数の選択
(1)MFで運用するものについては2187.5KHz、HFで運用するものについては、4207.5、6312、8414.5、12577、16804.5KHzでの受信が容易にできること。
(2)選択されていた受信周波数は、機器の制御盤上ではっきりと確認できること。
(3)J2B(上側波帯)又はF1Bで受信できること。
−3. 遭難周波数の切換
 受信周波数の切換操作を行い、他の受信周波数への同調が15秒以内に行えること。
12.2.4 受信装置の効力試験
 通信範囲内にある海岸局又は船舶局から送信されるDSCメッセージを受信できることを確認する。
12.2.5 DSC機能の効力試験
−1. 外部電源供給停止時の記憶試験
 電源(主電源と代替電源)を短時間(1分間程度)断にした後、電源を入れた際に既に受信した遭難呼出し等の内容が消去されていないことを確認する。
−2. 走査受信
DSC遭難周波数について走査受信を行うことのできる機器については以下の確認を行う。
(1)6波を最大として走査受信したい周波数を選択できること。
(2)遭難周波数聴守の目的のために走査を行う場合、2187.5KHz、8414.5KHzの2波と4207.5、6312、12577、16804.5KHzのうち1波は必ず走査波として選択されること。
(3)選択された全ての周波数を2秒以内に走査受信できること。
(4)走査受信中に任意の走査周波数を選択すると、当該周波数に切換わること。
12.2.6 保護装置
 AC/DC50V以上の導電部には保護カバーが付けられていることを確認する。
12.2.7 自己診断試験
 機器に内蔵された自己診断機能を用いて電波を発射することなく日常の点検ができることを確認する。
12.3 整備記録の作成等
 整備者は、別紙様式のデジタル選択呼出聴守装置整備記録(「GMDSS設備等整備記録総括表」を含む。)を作成し、管海官庁及び船舶所有者に1部送付するとともに、1部をサービス・ステーションに保管する。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION