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(5)絶縁抵抗試験
 絶縁抵抗は、次のいずれかの方法によって行い、次の式で20℃のときの線長1kmに対する値に換算する。
R20=Rt×αt×L
 ここに、R20:20℃における1km当たりに換算した絶縁抵抗値(MΩkm)
Rt:t℃で測定値(MΩ)。ただし、リード線の抵抗値を含む場合は、これを除いた値
αt:測定温度t℃の値を20℃に換算する表2・34の温度換算係数
L:線長(km)
 
表2・34 絶縁抵抗温度換算係数表(標準温度20℃)
温度
(t)℃
けい素ゴム
(Kt)
クロロプレンゴム
(Kt)
EPR
(Kt)
ビニル
(Kt)
温度
(t)℃
けい素ゴム
(Kt)
クロロプレンゴム
(Kt)
EPR
(Kt)
ビニル
(Kt)
0 0.26 0.14 0.42 0.42 18 0.87 0.81 0.91 0.85
1 0.28 0.15 0.43 0.43 19 0.93 0.90 0.95 0.92
2 0.30 0.17 0.45 0.44 20 1.00 1.00 1.00 1.00
3 0.32 0.19 0.48 0.45 21 1.07 1.10 1.05 1.11
4 0.34 0.21 0.50 0.46 22 1.14 1.20 1.10 1.24
5 0.37 0.23 0.52 0.48 23 1.23 1.30 1.15 1.39
6 0.40 0.25 0.54 0.49 24 1.31 1.45 1.20 1.55
7 0.43 0.28 0.56 0.50 25 1.40 1.60 1.25 1.74
8 0.46 0.31 0.59 0.52 26 1.50 1.75 1.30 1.96
9 0.49 0.34 0.62 0.53 27 1.61 1.95 1.35 2.22
10 0.52 0.37 0.65 0.55 28 1.73 2.15 1.42 2.52
11 0.56 0.41 0.68 0.57 29 1.87 2.35 1.48 2.87
12 0.60 0.45 0.70 0.60 30 2.01 2.60 1.55 3.25
13 0.64 0.49 0.74 0.63 31 2.16 2.90 1.62 3.75
14 0.69 0.54 0.77 0.66 32 2.32 3.20 1.70 4.25
15 0.72 0.60 0.80 0.70 33 2.49 3.50 1.78 4.90
16 0.78 0.66 0.84 0.74 34 2.68 3.80 1.84 5.60
17 0.83 0.73 0.86 0.79 35 2.88 4.20 1.90 6.45
備考 ポリエチレンなど絶縁抵抗の高いものについては、個別規格による。ただし、規定がないものは、K t=1とする。
 
表2・35 難燃架橋ポリエチレンの絶縁抵抗温度換算係数表
温度℃ 係数 温度℃ 係数 温度℃ 係数 温度℃ 係数
0 0.10 9 0.28 18 0.79 27 2.2
1 0.12 10 0.32 19 0.90 28 2.5
2 0.13 11 0.36 20 1.0 29 2.8
3 0.14 12 0.40 21 1.2 30 3.2
4 0.16 13 0.45 22 1.3 31 3.6
5 0.18 14 0.51 23 1.4 32 4.0
6 0.20 15 0.57 24 1.6 33 4.5
7 0.22 16 0.63 25 1.8 34 5.1
8 0.25 17 0.70 26 2.0 35 5.7
 
(6)曲げ試験
 曲げは、JIS C 3005−93の29.(1)(キャブタイヤ構造)による。回転半径(r)及び固定距離(l)は、表2・36による。
 
表2・36 回転半径及び固定距離
導体の公称断面積 mm2 r mm l mm
6以上のもの 100 300
4以下のもの 150 200
 
(7)耐炎性試験(耐炎性ケーブル、キャブタイヤコード、配電盤用電線及び制御機器配線用電線)
 幅0.3m、奥行き0.45m、高さ1.2mで正面が開き、上面と三側面が金属製の板で床面が非金属製の板で囲まれた試験装置に、0.6mの試験片を上部支持具と下部支持具で垂直に設置し、下端から約475mmの表面ガスバーナ(IEC 60695−2−4/1)(炎の長さが170〜190mm、内部青色円すい炎の長さが50〜60mmになるように調整する。)の炎の先端が試験片の表面に、上部支持具の下端から約475mmのところで当たるようにし、試験片の垂直軸に対し、45度の角度に配置する。
 燃焼は、下表に示した直径に対応する時間のとおり連続して行う。
 
試験片の仕上外径 mm 燃焼時間 秒
25以下 60
25を超え50以下 120
50を超え75以下 240
75を超え 480
 
 上部支持具の下端と炭化の開始点の距離が50mm以上で、かつ、燃焼が上部支持具下端から540mm以上下方に広がってはならない。
 
(8)耐延焼性試験(耐延焼性ケーブル)
 幅1m、奥行き2m、高さ4mで上部、下部に給排気口、後面と側面に断熱を施し、後面に高さ3.5m(幅0.5mと幅0.8mの2種類がある。)のラダーを取り付けた試験室のラダーに0.5〜1.0mmの金属線で試料数本(完成品から採取した3.5m以上の同じ長さで、本数は7×(試験片の長さ)を試料1m当りの非金属材料の総体積で除した値(0.5以上は1とする。)とする。)を取り付け、リボンタイプのプロパンガスバーナ(炎を出す面に242個の穴がある。)を試験室の床面から高さ0.6m上部に試料の前面から約75mm離して配置する。
 バーナの炎をラダーの横桟の中間で、試料の下端から約0.5m上部の位置に当てる。(幅0.8mの幅広ラダーの場合は2つのバーナを並べて行う。)
 40分経過後、バーナの燃焼を停止する。
 延焼による損傷は、バーナの下端から上側に2.5mを超える高さに達してはならない。
2・8・4 復習問題(9)
(1)半導体整流装置の耐電圧試験について述べよ。
(2)半導体整流装置の温度試験の測定個所はどこか。
(3)耐圧防爆構造の機器の試験にはどんなものがあるか。
(4)本質安全防爆構造の火花点火試験について述べよ。
(5)ケーブルの導体抵抗の算定式について述べよ。







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