2・6 配電盤
2・6・1 構造検査
図面(又は承認図面)、仕様書等と照合して、次の各項目について外観構造を確認する。
(1)形式及び一般構造
保護形式、構造、耐振、強度的な面から確認する。
(2)外被及び保護、防そ構造
仕様書により防滴、防水、防そ構造を確認する。
防そ構造では金網、よろい戸の目の大きさは12mm以下のこと。
(3)外形及び取付寸法
承認図により外形寸法を測定し許容差は次による。
外形寸法 |
巾 |
図面寸法±0.5% |
高さ |
同上 |
奥行き |
同上 |
取付寸法(穴間隔) |
±2mm |
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(4)塗装
色見本による適合度を確める。
(5)表面処理及び仕上げ
めっき、防錆処理、表面仕上り程度を確める。
塗りむら凸凹状態などのないこと。
(6)外傷、清掃手入れ
打痕、表面痕、機器内部の清掃状態を確める。
(7)ボルト、ナット、小ねじ、締付け回り止め
増締めによる締付けの確認と所定の回り止めの実施の有無を調べる。
(8)絶縁間げき及び沿面距離
接続部、端子スタッド、端子、母線などの裸導体の絶縁間げき及び沿面距離が次の表に適合していることを確める。
表2・16 母線の空間距離の最小値(NK規則)
相間又は極間の定格電圧 (V) |
裸導電部の相間又は極間 (mm) |
裸導電部と接地裸金属部間 (mm) |
125以下 |
13 |
13 |
125を超え 250以下 |
16 |
13 |
250を超え 500以下 |
23 |
23 |
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表2・17 制御用器具の絶縁距離の最小値(NK規則)
定格絶縁電圧
(直流・交流)
(V) |
空間距離(mm) |
沿面距離(3)(4)(mm) |
15A未満(5) |
15A以上(5)
63A以下 |
63A超過(5) |
15A未満(5) |
15A以上(5)
63A以下 |
63A超過(5) |
L−L(1) |
L−A(2) |
L−L(1) |
L−A(2) |
L−L(1) |
L−A(2) |
a |
b |
a |
b |
a |
b |
60以下 |
2 |
3 |
2 |
3 |
3 |
5 |
2 |
3 |
2 |
3 |
3 |
4 |
60を超え250以下 |
3 |
5 |
3 |
5 |
5 |
6 |
3 |
4 |
3 |
4 |
5 |
8 |
250を超え380以下 |
4 |
6 |
4 |
6 |
6 |
8 |
4 |
6 |
4 |
6 |
6 |
10 |
380を超え500以下 |
6 |
8 |
6 |
8 |
8 |
10 |
6 |
10 |
6 |
10 |
8 |
12 |
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(備考) |
1. |
空間距離L−Lは、裸充電部間及び充電部と接地金属体との間に適用する。 |
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2. |
空間距離L−Aは、充電部絶縁が劣化することによって充電部となる絶縁金属体との間に適用する。 |
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3. |
沿面距離は、絶縁物の種別及び形状によって決める。
”a“は、セラミックス(ステアタイト、磁器)及び他の絶縁材料であって、特に漏れ電流に対し安全なリブ又は垂直面をもった絶縁物で、実験的にセラミックを用いたと同様と認められるもので比較トラッキングインデックス(CTI)140以上の材料(例えば、フェノール樹脂成形品等)に適用する。
“b”は、その他の絶縁材料の場合に適用する。 |
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4. |
空間距離L−Aが、それに対応した沿面距離“a”又は“b”よりも大きい場合には、裸充電部と操作者が容易に触れることができ、かつ、絶縁が劣化することによって充電部となる絶縁金属体との間の沿面距離は、L−A以上であること。 |
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5. |
電流値は、定格通電電流の値で示す。 |
(説明) |
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定格絶縁電圧とは JIS C 0704−95(制御機器の絶縁距離、絶縁抵抗及び耐電圧)では次のとおり規定している。
絶縁設計の基準となる電圧で、絶縁距離及び耐電圧を満足する電圧。 |
(9)内部配線支持法及びその耐振性
配線支持法の良否、耐振性は良いか確める。
(10)外線引込口の位置と寸法
(11)端子の形状、記号位置、配列、記号及び大きさ
(12)線端処理
バンドマーク、キャップの取付け色別を確める。
(13)器具の配列
図面により取付器具の配列を確める。
(14)計器の種類
盤に取付けられた計器の種類、大きさ、精度を確める。
(15)銘板及び取付位置
銘板の大きさ、表示内容、取付位置などについて確める。(JEM 1282−76(船用電気機器の銘板)、JEM 1288−85(船用交流配電盤)参照)
(16)吊り金具及びその位置
(17)重量
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