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5.1.6 シールド線
 シールド線は、内部シールド線を使用し、外部シールド線を使用してはならない。
 
図5.11 シールド線
 
 シールド線の線端処理が悪いと、わずか1ヶ所でも機器に対して大きく影響し誤動作の原因となりやすい。シールド線のシールド被覆は受信側にて一点接地とし、発信側に接地端子があってもシールド被覆を接地してはならない。
(1)接地する方の線端処理は、シールド編組がほつれないよう、また、絶縁被覆に傷をつけないよう処理する。
 
図5.12 シールド線の処理法(接地側)
 
(2)接地しない方の線端処理は、シールド編組が心線に近づかないように注意する。
 
図5.13 シールド線の処理法(非接地側)
 
5.1.7 圧着端子
 ほとんどのケーブルの先端には、圧着端子を装着して端子台に固定されている。通信用、照明用、動力用ケーブルには裸端子が使用されているが、通信用ケーブルなどで心線識別を要する場合、又は、結線部が絶縁を要する場合には、プラスチック絶縁体がついている端子が用いられる。
 圧着端子使用の場合、最も注意しなければならないことは、ケーブルサイズに適合した端子を使用することと、その端子に適合した圧着工具を使用することである。ケーブルサイズに応じて手動式、手動油圧式、足踏油圧式、電動油圧式の工具があり、細かく締付金具が取換えられるようになっている。圧着端子に適合しない圧着工具を使用すると、断線故障、発熱焼損などの事故につながる。特に小容量サイズの場合、応々にして図5.14の右の図に示すようにペンチなどで挟んで済ますことがあるが、これは導体の切断、又は接触不良となるので、厳重に戒めなければならない。
 通常、圧着端子は、指定された使用ケーブルサイズに適合したものが、機器に付属されて納入されるが、そうでない場合には、端子台の端子ねじに対しても適合した取付穴を有する端子を選ばなければならない。
 
図5.14 圧着端子の圧着
 
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図5.15 圧着端子の圧着手順
 
5.1.8 心線識別
 結線作業における誤結線を防止し、又、保守点検の便宜を図るためケーブルの心線識別をすることが望ましい。その方法には、色別表示、心線番号の利用、端子番号表示などがある。
(1)色別表示
 色別表示には、線端処理に使用する粘着ビニルテープ又はビニルチューブを使用するのが一般的である。IEC及びJEMによる色別表示基準を表5.1に示す。
 
表5.1 色別表示
回路別 相又は極性 IEC JEM
三相交流回路 R相(又はU相)
S相(〃V相)
T相(〃W相) 茶(又は紫)
絶縁中性線
接地線
直流回路 P極
N極
中性線
接地線
 
(2)記号表示
 記号表示には、ケーブルの心線番号をそのまま利用する方法、端子番号をビニルチューブに記入(又は印刷)したもの、又はプラスチックに印刷したものをクランプする方法などが行われる。図5.16に記号表示の一例を示す。
 
図5.16 心線識別処理(通信用)







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