4.参考
4.1 船内短絡電流の計算例
「2.3.4 短絡電流(1)IEC方式」の簡略方式でない計算方法に従い計算する。
1. 計算条件
(1)発電機
定格出力 |
300〔kW〕 3台 |
定格電圧 |
En=450〔V〕 |
定格電流 |
In=480〔A〕 |
周波数 |
fr=60〔Hz〕 |
発電機端子短絡に対する特性定数
(2)発電機用ケーブル
下記のケーブルが各発電機と主母線の間に使用されると想定する。
TPYC−150 2本並列、 長さ15〔m〕
1本のケーブルの抵抗 0.151〔Ω/km〕
〃リアクタンス0.0897〔Ω/km〕(60Hzにて)
(3)電動機
定格電圧〔440V〕、3相60〔Hz〕の誘導電動機で、同時運転の電動機の定格電流の総和は790〔A〕で、平均電動機容量別にて2群が存在するとみなされる。
各群の構成は下記の通りである。
(a)22〔kW〕 定格相当の電動機 15台
1台当たりの定格電流 40〔A〕
平均電動機のリアクタンス XB=X1+X2=16.8〔%〕
〃 1次抵抗 Rs=2.69〔%〕
〃 回転子抵抗 RR=2.29〔%〕
母線までのケーブルの平均長さ LM=30〔m〕
〃 サイズ TPYC−14〔mm2〕
ケーブルの特性 抵抗CR=1.64〔Ω/Km〕
リアクタンス Cx=0.107〔Ω/km〕(Fr=60〔Hz〕にて)
(b)7.5〔kW〕定格相当の電動機 14台
1台当たりの定格電流 14〔A〕
平均電動機のリアクタンス XB=X1+X2=15.6〔%〕
〃 1次抵抗 Rs=3.55〔%〕
〃 回転子抵抗 RR=2.9〔%〕
母線までのケーブルの平均長さ LM=40〔m〕
〃 サイズ TPYC−4〔mm2〕
ケーブルの特性 抵抗 CR=4.82〔Ω/km〕
リアクタンス Cx=0.122〔Ω/km〕(Fr=60〔Hz〕にて)
(4)発電機負荷時短絡電流の交流分は無負荷時短絡電流交流分の1.1倍とみなす。
直流分は無負荷時のそれの1.03倍とみなす。
(5)簡略近似計算のために、短絡直後1/2サイクル時点の発電機短絡電流の過渡成分の減衰は無視する。
(6)給電線端短絡電流の計算のために主母線における等価発電機特性を算出し、その特性定数を適用する。
(7)給電線は次のように想定する。
線種とサイズ TPYC−95〔mm2〕、その長さ40〔m〕
ケーブルの特性 抵抗Rc=0.21〔Ω/km〕
リアクタンス Xc=0.093〔Ω/km〕
(8)変圧器2次母線短絡電流計算対象の変圧器
定格容量 |
60〔kVA〕 |
1次定格電圧 |
450〔V〕 |
2次〃 |
105〔V〕 |
相数 |
3相 |
周波数 |
60〔Hz〕 |
2次定格電流 |
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インピーダンス特性 |
抵抗1.6〔%〕、リアクタンス2.7〔%〕 |
1次側ケーブル |
TPYC−38〔mm2〕 |
2次側ケーブル |
TPYC−95〔mm2〕 |
ケーブル長さ |
1次、2次 共に5〔m〕 |
(9)変圧器の2次母線短絡電流の計算には、電源部の等価発電機諸定数を考慮に入れて計算を行う。
2. 母線短絡における発電機短絡電流
初期過渡リアクタンスX″d=15.8〔%〕、過渡リアクタンスX′d=20.8〔%〕の場合の夫々のΩ単位の値を求める。
同様にして、
ケーブルTPYC−150、2本並列、その長さLe=15〔m〕の場合、そのケーブルの抵抗Re及びリアクタンスXeは、
無負荷時短絡における初期過渡電流をI″kd、過渡電流をI′kdとすると、線間電圧U0=Enでは、
交流分減衰の初期過渡時定数T″dgは
直流分減衰の初期過渡時定数Tagは
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負荷時短絡における発電機3台の短絡電流交流分は
(拡大画面:5KB) |
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で示される。その1/2サイクル時の値は
(拡大画面:10KB) |
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負荷時短絡における発電機3台の直流分の1/2サイクル時の値は、
従って、1/2サイクル時のピーク値は、発電機3台分で、
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