3.2 電気機器配置図
電気機器の配置図には、船内装備のすべての電気艤装品を網羅し、これらの機器をシンボルを用いて記入する。
これにより工事内容を把握し、工事計画を立て、工事を行うことを目的とする。
配置図作成に際しては、各装置の系統図を基に、他部の関連装置も十分に調査し、漏れのないように注意する。
機関室配置図及び制御室配置図には、発電機、配電盤、補機用電動機、始動器、制御盤及び各種のユニット装置の盤類の装備場所が、また操舵室配置図、無線室配置図には遠隔操縦盤、航海機器、及び無線機器などの装備場所が明示されているので、これら電気機器の配置をシンボル化した記号で電気機器配置図に記入する。
また、動力装置に属する小形機器、通信・航海装置、照明電灯及びこれらに付属する配線電路器具など系統図に表されている全ての機器の取付け位置が判断できるように、出来るだけ正確に記入する。
特に正確な取付け位置が要求されるものに対しては寸法表示を行う。
図3.2.1に電気機器配置図の一例を示す。
3.2.1 側面図
一般艤装品の側面図には、航海灯、信号灯、甲板照明用投光器及びそれらの付属のレセプタクルの取付場所及び高さを記入する。
無線用送受信アンテナ、無線電話などのホイップ・ダイポールアンテナ及びレピータコンパスなど外部に取付けられる機器については、それぞれの装備図が作成されているので、これに合わせて概略の位置を記入する。
3.2.2 動力電源装置
主電路系統図及び船体部、機関部の関連図面を参照して電気機器の位置をシンボル記号で記入する。
区分電箱の配置は、主要電路に近く、導入される配線のスペースが取れ、分岐される負荷までの配線が最短となり、かつ、保守点検に便利な位置とするが、前もってスペースを確保しておく必要があるので、関係部門と協議することが必要である。
3.2.3 照明電灯装置
他の装置の配置図では、系統図が先に作成され、これに従って配置図が作成される。しかしながら照明装置配置図では配置を先に決め、これに従って1分岐の灯数や電流容量の制限内で系統を組み、最終的な分電盤の分電数を決める。
居住区画の各公室、船員私室の照明灯の形式及び員数は、仕様書の照明電灯基準表に、また甲板照明用投光器の装備場所は仕様書に記載されているので、これらに従い位置が分るように記入する。
内部通路及び外部通路においては、単に面積当りのワット数又は灯具相互間の距離によらず、灯具の取付け方向による配光曲線を考慮に入れ、灯具の中間において照度基準の値を確保できる灯数を装備する。
1通路には異なった系統による灯具を、適当数配置し、1系統故障の場合でも照明を維持できるようにする。階段室の上下も異なった系統にする。
機関室その他の機械室の照明は、機械室配置図など他部門作成の図面をよく調査し、機械やタンク類の影を生じないように、またパイプやトランク、電路を避けた位置に配置する。上述の通路と同様同一場所に2系統を入れることを考慮して配置する。
3.2.4 船内通信装置、航海計器及び無線装置
各系統に従い、その装置の内容、機器の使用目的、操作方法を十分調査して装備場所を決める。
分電盤及び配線に付属する接続箱は、その大きさにもよるが、前もってスペース取りをしておくこと。
3.2.5 機関部計装制御装置
機関部計装制御装置は、他の装置と異なって、局部的に同種類の機器が数多く装備されるので、本図にすべてを記入することは困難であるし、またその必要性もない。
すなわち、機側付の検出点は、既に配・結線されていて、造船所における艤装工事と関係のないものもあり、これらについてはその装置の組立図や配線図による。
このため、配置図には、例えば主機の接続箱のみを記入することもある。
タンクに装備のフロートスイッチやレベルスイッチなど機関室内に点在する器具については、特に漏れのないように記入する。
監視室の主機制御盤及び操舵室の遠隔制御盤などは、関連する他の装置についても記入する。
正確な位置はそれぞれの区画の配置図によるが、盤内へのケーブルの導入口(端子板の位置)を記載しておくと便利である。
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図3.2.1 電機機器配置の一例
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