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3.1.3 照明電灯系統図
 航海灯及び各種の信号灯は照明電灯系統図に含め、系統図の冒頭に収録するようにする。
 また、洗濯機や電気冷蔵庫などの小容量の電気機器は小形機器用分電盤から給電し本系統には含めない。
(1)照明灯回路
 照明用分電盤はそれぞれの甲板毎に装備し、船舶設備規程や船級規則等により規定されている最終支回路の容量及び電灯器具の装備個数にある程度の余裕を持たせたものとし、後日、増設要求がある場合でも簡単に追加できるようにしておく。
 単相負荷も三相電源から供給するので、各相の負荷バランスが均一になるように極性を決定する。この場合予備系統は500Wを見込んでおくのが一般的である。
 分電盤内での系統分けは出来るだけ負荷を均等にすることが必要であるが、まとめて入切する方が便利な通路や常時は消灯しているような倉庫や糧食庫などはそれぞれ独立した系統とすることが望ましい。
 また、通路、機関室などは1系統が停電した場合にも、照明を維持できるように2系統で給電することが望まれる。
 操舵室、海図室の照明については集合制御盤にグループスイッチを設けて操作する場合もあるので注意を要する。
 居室の場合はレセプタクルや電灯器具の送り端子を使用して送り接続も考えられるので、1系統での接続箱の使用は標準的には、2個程度を想定してよい。
(2)航海灯回路
 航海灯への給電は船舶設備規程に従って行う必要があり、航海船橋上に設けられた航海灯制御盤経由で給電する。
 また、航海灯制御盤への電路は、全ての電源を通じて2系統以上とし、かつ、1系統は独立のものとし、他の1系統は船橋上において使用する小形照明器具以外のものに給電する電路と共用しないこと。
 各電源からの航海灯制御盤までの給電系統は設備規程第272条関係の船舶検査心得に示されているのでこれを参照のこと(電気装備技術基準編参照)。
 電源線のうち1系統は主配電盤から直接、他の1系統は最寄りの電灯分電盤から配線する。
 非常発電機を装備している場合は、非常用配電盤から、また、非常電源が蓄電池の場合には、インバータからACl00Vの交流電源として給電する。(図3.1.3(イ)参照)
 非常電源が蓄電池でインバータによるものは、主電源を喪失するとインバータを始動しなければならないので、その信号線を航海灯制御盤とインバータ間に配線する。
 航海灯電路が短く電圧降下の少ない小型船の場合は、ACl00VとDC24V、AC100Vを降圧したAC24VとDC24Vの2種類の電源とする場合が多い。(図3.1.3(ロ)、(ハ)参照)
 主電源の喪失時及び航海灯電球の断線時の警報用に蓄電池電源を使う場合には、航海灯制御盤への配線が必要である。
 2灯式航海灯の場合には各々に個別に配線する。
 
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図3.1.3 航海灯の電源
 
(3)信号灯回路
 信号灯は、操舵室の分電盤から給電し、操舵室で点滅操作出来るようにする。
 一般的に、集合盤にグループスイッチを設ける。
 昼間信号灯やモールス信号灯の他各種信号灯があるのが、それぞれの目的に応じて装備位置が異なるので、注意して配線する。
 
3.1.4 船内通信装置、航海計器及び無線装置系統図
 船内通信装置、航海計器及び無線装置はまとめて系統図を作成する。
 ほとんどのものが標準的なものであるので、メーカー図に従い本船に適合するように装備位置及びケーブルを調整して作図する。
 なお、標準図面を作成しておき、その都度仕様書に従って、一部修正するのみで使用するのが合理的である。
 標準的な図面形式は、装置毎に、機器を表す図記号を決め、その図記号と機器名称の対照表を兼ねた装備数一覧表と、配線系統に装備位置すなわち甲板名及び部屋名などを明記した系統図とする。
 また、電源の給電系統は確実に記載し、これらの装置への分電盤を系統図の冒頭にまとめて編集する。
 
3.1.5 機関部計装制御装置系統図
 本系統図は遠隔制御及び警報装置など一般に自動化装置と呼称されているシステムの系統図である。
 船級規則には、当直のあり方に対応した級別された設備要求規定があり、又、船主固有の仕様もある。
 従って、系統図を作成するに当たっては、先ずどの規格に合致するかを確認し、仕様書や計装一覧表を良く調査してシステムを把握する。
 また、諸管装置、自動化機器のメーカー図及び検出端部品図を取りそろえておき、事前に電気系統に関連する部分をチェックしておく。
(1)制御機器一覧表
 系統図を作成する前に、操舵室の遠隔制御盤、機関監視室の主機制御盤など盤毎に集約して、その盤に装備する各機器、器具を列記し、また、機器品目に対する記号表を作成して、系統図の冒頭に編集し、系統図と相互にチェックして漏れのないようにする。
(2)電源回路
 各機器へACl00VとDC24Vを供給するための分電盤を設け、これより配線する。
(3)発電機関制御回路
 発電機の遠隔制御装置及び計測器などを発電機制御盤に装備し、機側の接続箱間に多心線を配線し、ガバナモータ、各種圧力計、温度スイッチ、電磁弁、回転計などを接続する。
 主配電盤には、ガバナ操作回路を接続箱から配線し、主機制御盤上の発電機関の制御及び各種の監視、警報装置に対する配線をする。
(4)主機制御回路
 機関付接続箱に配線し、圧力スイッチ、ターニング、カム軸及び燃料制御の各種リミットスイッチ、負荷指示計発信器、主機回転計発信器、積算計発信器、過給機回転計発信器と配線接続する。
 機関監視室の制御盤と操舵室装備の遠隔制御盤との間に多心線を配線し、電話機、テレグラフ、各種表示、警報装置、計測器の接続を行う。
 また、バルブパネル内に配線し、各種電磁弁と接続する。
(5)温度計回路
 盤装備の主機シリンダ出口、過給機入口用の切換式温度計と機側装備の温度計を接続箱を経て配線接続する。
 シリンダ出口用には多心線を、過給機入口用に対しては補償導線を使用する。
 同様に発電機関の過給機入口の温度計との間に補償導線を配線する。
 また、主機冷却清水、過給機潤滑油、燃料油、潤滑油、スラスト軸潤滑油、ピストン冷却油などの出入口などのセンサー間と接続箱間も多心線で接続する。
 同様に船尾管潤滑油、冷却海水の温度を計測できるように配線する。
(6)温度、圧力警報回路
 主機潤滑油、燃料油及びシリンダ冷却水の温度警報用スイッチに接続箱を経て多心線を配線する。
 始動空気、冷却海水、制御空気、発電機関の潤滑油、冷却清水・海水関係の低圧警報表示のための圧力スイッチへ配線接続する。
 また、C重油常用タンク、主空気圧縮機、燃料弁、発電機関、冷却清水の高温警報表示のための温度スイッチへ配線接続する。
(7)タンクその他の警報回路
 C重油、A重油の常用タンク、同澄タンク、カスケード兼検油タンク、船尾管潤滑油、前部シリンダ油重力タンク、潤滑油及び燃料油清浄機作動タンクには、低レベル警報用フロートスイッチを、澄タンクには高レベル警報用のものも装備し、これらに配線する。また、燃料油、潤滑油、清浄機の異常流出用フロートスイッチ、廃油燃焼装置の異常燃焼表示警報用として、それぞれへ配線する。
 この他操舵装置の発停制御用に配線するとともに、運転表示用、過負荷・無電圧警報用として、多心線を配線する。
(8)運転表示回路
 主機関係主要補機の運転表示のため、それぞれの始動器へ配線する。
 また、補助ブロワに対しても発停制御用の配線を行う。
 補助ボイラ制御盤には、多心線を配線し、運転表示とともに高低水位の警報表示が出来るようにする。







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