7 船殻工事と電気艤装工事との関連
船舶を完成させる過程で、主体となるものは船殻の工事で、艤装工事はその進捗状態に関係する。工事は船殻工事を中心として進行するが、この関係を図示すれば図7・1のとおりである。
従って、電気艤装工事は次に述べる船体、機関等の艤装工事と並行して行なわれる。
図7・1
近年船舶の建造工期の短縮に伴い、従来のシリーズ艤装に代って、船体を区分し、その区分毎に、陸上又は船台において並行して艤装を完了した後、船体を継ぎ合わせるという方法がとられるようになった。
建造及び艤装関係の用語の意味は次のとおりである。
電装工事とは電気艤装工事の略称である。艤装工事とは船舶として、必要な推進、航海、居住、荷役などの諸設備を設けるための工事をいい、そのうち電気部門に関係するすべての電気工事を電気艤装工事という。
主機、ボイラ補機その他の機器等を船舶として機能を発揮するプラントにまとめるための、据付け、配管、床板、風路、保温等の工事で、据付け艤装、管艤装、鉄艤装等に分れる。
(図7・2 参照のこと。)
船体の一部とこれに取付けられるべき材料、部品を予め取付けて一体に加工し、単一化したもの又は装置の本体とこれに付随する材料、部品を組合せて一体に加工し単一化したもの等、これら単一化した部材を用いて行う艤装をユニット艤装という。例えば単独にマストを製作中、船灯を取付け一体化したもの等をいう。
船殻ブロック加工中又は加工済み部材に対して行う艤装をブロック艤装という。(図7・3参照のこと。)
搭載すべき重量機器、材料の船内設備場所での上部(天井等)が船殻構造物で覆われない時期に行う艤装を青空艤装という。
ユニット艤装、ブロック艤装、青空艤装を総称したものを先行艤装といい、これらが地上で行われる場合は地上艤装ともいう。
主として艤装用材料を造船所自社で製作するものを内作、社外に発注して製作するものを外作という。
内作品又は外作品の例としてはケーブルハンガー、ダクト、防波箱、ケーブル貫通箱等がある。
船殻工事において鋼材に、けがき、切断、曲げ加工を施こして部材とし、これらを適当な大きさにまとめて小組立部材とする。この作業を内業といい、内業工場内で行われる。
船殻工事において、内業にて製作した小組立部材をまとめてブロックに組立て大組立部材とし、これを船台にとう載して船体を組立てる。この作業を外業という。
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図7・2 シリーズ艤装の流れ
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図7・3 ブロック艤装の流れ
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