〔注〕
1) |
この点に関して、石井拓児氏は、社会教育論を欠落させた学校論のあり方を批判する姉崎洋一氏の指摘に導かれながら、「教育改革」における学校経営論を生涯学習政策との関連で分析する必要性を提起している。石井「現代日本社会と90年代『教育改革』―『教育改革』における学校経営論の構造的把握―」名古屋大学教育学部教育経営学研究室(編)『教育におけるアドミニストレーション』第2号(2000年)を参照。 |
2) |
山本恒夫「学社融合とは何か」『週刊教育資料』第488号、1996年6月17日、p.37。 |
3) |
生涯学習局青少年教育課「学社融合推進プロジェクト」『文部時報』第1442号、1997年1月。 |
4) |
教育雑誌・教育関係学会誌では、たとえば、「特集 学社融合」『社会教育』第51巻第2号(1996年2月)、「特集 学社融合の生涯学習」『日本生涯教育学会年報』第17号(1996年)、「特集 学社融合、実践編」『社会教育』第53巻第3号(1998年3月)、「特集 社学融合」『月刊公民館』第491号(1998年4月)、「特集 学社融合の可能性を探る」『学校経営』第44巻第7号(1999年6月)、「特集 『総合的な学習の時間』と学社融合」『社会教育』第54巻第10号(1999年10月)などがある。著書では、たとえば、今野雅裕(編)『事例に学ぶ 学校と地域のネットワーク』(ぎょうせい、1998年)、伊藤俊夫(編)『学社融合―子どもたちを地域ぐるみで育てる―』(全日本社会教育連合会、2000年)、玉井康之『地域に学ぶ『総合的な学習』―学社融合時代の学校・行政の役割と可能性』(東洋館出版社、2000年)などがある。 |
5) |
伊藤俊夫氏は、前掲『学社融合』の巻頭論文において、「学社融合の科学化、理論化」を試みた人物・組織として、山本恒夫氏、浅井経子氏、日本生涯教育学会の三者を挙げている(p.19)。さらに、伊藤氏は、同書巻末の「ダイジェスト・学社融合」においては、「学社融合の科学化を試みた」人物として山本恒夫氏を挙げている(p.141)。このように、「学社融合」の「科学化、理論化」に果たした山本氏の役割の大きさをうかがい知ることができる。山本氏は、筑波大学に所属する(2001年1月現在)生涯学習の研究者であり、文部省(当時)生涯学習審議会委員を経て、現在、文部科学省中央教育審議会委員である。 |
6) |
以上、山本、前掲「学社融合とは何か」、p.36。 |
7) |
山本恒夫「学社融合」『月刊公民館』第464号、1996年1月、p.38。 |
8) |
山本恒夫「学社融合の実際」『総合教育技術』第51巻第18号、1997年3月、p.32−33。 |
9) |
山本恒夫「学社融合のシステム化」『社会教育』第51巻第2号、1996年2月、p.6。 |
10) |
この節における引用は、山本恒夫「学社融合の仕組み」『週刊教育資料』No.489、1996年6月24日、p.36−37からのものである。 |
13) |
山本恒夫[今、なぜ学社融合なのか」『学校経営』第44巻第7号、1999年6月、p.10−11。 |
15) |
栃木県鹿沼市教育委員会「夢のあるコミュニティスクールづくり」今野、前掲『事例に学ぶ 学校と地域のネットワーク』、p.83。なお、鹿沼市の事業は、文部省学社融合推進プロジェクト教育ネットワーク構築推進事業、栃木県教育委員会学社連携・融合推進モデル事業の委嘱を受けている。 |
16) |
この節における記述については、山本、前掲「学社融合のシステム化」、前掲「学社融合の仕組み」、山本恒夫「学社融合と自発的組織化」『日本生涯教育学会年報』第17号(1996年)、前掲「学社融合の実際」を参照した。 |
17) |
山本、前掲「学社融合の実際」、P.35。なお、答申によれば、「地域教育活性化センター」とは、「PTA、青少年団体、地元企業、地域の様々な機関・団体や学校等」の「関係者間の連絡・協議を行うだけでなく、自ら地域社会における活動に関する事業を行ったり、各種の情報提供や相談活動、指導者やボランティアの登録、紹介などを行う」ための「行政組織の一部又は公益法人」のことである。今野、前掲『事例に学ぶ 学校と地域のネットワーク』においては、「地域教育活性化センター」の例として、栃木県鹿沼市の「夢のあるコミュニティ・スクールづくり推進会議」が挙げられている(P.71)。 |
18) |
山本、前掲「学社融合とは何か」、p.37。 |
19) |
山本恒夫・浅井経子・手打明敏・伊藤俊夫『生涯学習の設計』実務教育出版、1995年、p.31−32。 |
22) |
山本、前掲「学社融合のシステム化」、P.7。 |
23) |
山本、前掲「学社融合と自発的組織化」、P.3。 |
24) |
この点については、長澤成次「生涯学習振興整備法―その戦略と自治体行政―」『住民と自治』1993年11月号、市橋克哉「『生涯学習体系』と社会教育法制」川合章・室井力(編)『教育基本法 歴史と研究』(新日本出版社、1998年)、新海英行「住民主体の社会教育創出に向けて―東海・名古屋を中心に―」『月刊社会教育』第45巻第1号(2001年1月)などを参照されたい。 |
25) |
中央教育審議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」(1998年9月)の第4章「地域の教育機能の向上と地域コミュニティの育成及び地域振興に教育委員会の果たすべき役割について」。 |
26) |
新海、前掲「住民主体の社会教育創出に向けて」。 |
27) |
伊藤、前掲『学社融合』、今野、前掲『事例に学ぶ 学校と地域のネットワーク』などに「学社融合」活動の事例が紹介されている。 |
28) |
山本恒夫「『家庭・地域との連携』で教師の創意を生かすには」『総合教育技術』第53巻第1号、1998年4月。 |
29) |
結城光夫「学社融合―社会教育の側から」『学校経営』第44巻第7号、1999年6月、p.19。涌井澄夫・堀越幾男「学社融合による教育委員会の学校支援」『学校経営』第44巻第7号、1999年6月。 |
30) |
植田健男・石井拓児「自律的な学校経営と学校経営の理論、その再構築の視点」日本教育経営学会(編)『自律的学校経営と教育経営(シリーズ 教育の経営 2巻)』玉川大学出版部、2000年、p.303。 |
31) |
たとえば、小川利夫『青年期教育の思想と構造一戦後青年期教育史論一』勤草書房、1978年。 |
32) |
「新シリーズ/社会教育と現代教育改革の論点 教育福祉としての社会教育」『月刊 社会教育』第45巻第2号、2001年2月、p.60。ちなみに、戦後社会教育研究の先達である小川利夫氏の代表著作は、次の三点である。『社会教育と国民の学習権―現代社会教育研究入門―』勁草書房、1973年。前掲『青年期教育の思想と構造』。『教育福祉の基本問題』同、1985年。学校経営研究が、社会教育研究の方法論を意識するならば、必然的に、青年期教育研究、教育福祉研究とも結びついていくことになるだろう。 |
(付記) 本稿は、拙稿「1990年代における地域・自治体生涯学習論の展開と学校―『学社融合』論ノート―」『教育におけるアドミニストレーション』第3号(名古屋大学大学院教育発達科学研究科教育経営学研究室、2001年3月)を加筆修正したものである。
なお、本稿で検討した「学社融合」の論理は、2001年における社会教育法改正にも周到に盛り込まれているように思われる(さしあたり、拙稿「社会教育法改正をどうとらえるか」『月刊社会教育』第45巻第9号、2001年9月、p.86−87を併読されたい)。その意味で、今後の教育基本法、とりわけ第10条改正論議の動向には、充分注意しておく必要があろう。
|