II 教諭コース
1. 実施概要
本年度も昨年同様、夏休みの時期に2泊3日の日程で1回実施した。これまでは、重点地域を定めて参加者の募集を行ってきたが、それによる顕著な成果が得られなかったことから、今年度は、特に重点地域を設けず、近郊の学校や過去に参加実績のある学校を対象に募集を行った。実施経過および結果は以下に示すとおりである。
(1)募集対象及び期間
(1)第1回
募集地域:全国(関東地方中心)の教諭
募集期間:平成14年6月7日(金)〜7月12日(金)
実施期間:平成14年8月7日(水)〜7月9日(金)
(2)事前準備
(1)募集要項の送付
生徒用募集要項を送付した学校の理科主任宛に、生徒用のものと同時に募集要項を配付し、同僚や関係者への周知を依頼すると共に、参加者の勧誘を促した。応募締切り日は、開催日の約2週間前とした。
(2)応募状況と参加者の決定
締切り日までに16名の応募があり、その後、塾の講師1名と当センターの職員の紹介による市内の小学校の教諭3名(各自1日ずつの参加)の参加申し込みがあったため、全員(男11名、女9名;オブザーバー参加を含む)を受入れて実施することとした(参加者名簿を表5に示す)。
(3)実施状況
(1)スケジュール
スケジュールを表6に示した。カリキュラムは、おおむね生徒たちと同様であったが、一部、講師等の都合により変更した。講義の内容に関しては、後の感想文にも書かれているとおり、講義を受け持った研究者たちの協力により、教師向けとして遜色ないものであった。
(2)講義・実習の概要
イ. 深海生物
(イ)深海に適応した生物
有人潜水船や無人探査機でとらえた深海生物の貴重な映像の紹介、センターで飼育中の深海生物の見学と、簡単な実習。
(ロ)ROV実習
センター前の岸壁において、小型水中ロボット(ROV)を用いた操作実習と生物観察を実施。
ロ. 深海調査
(イ)深海6500mの世界
有人潜水船「しんかい6500」のパイロットによる体験談。
(ロ)深海への挑戦
深海巡航探査機「うらしま」など、深海調査機器の開発者による研究開発の苦労話など。
(ハ)深海調査機器見学
センター岸壁に接岸中の海洋調査船や、有人潜水調査船、無人探査機等の見学を実施。
ハ. 水中環境
(イ)潜水と人間
本講義後に行われる圧力体験実験や体験潜水時の注意事項のほか、潜水によって生じる身体の変化について解説。
(ロ)圧力体験実験
深海潜水で使用する高圧タンクを用いて水深30m相当の圧力体験を実施。加圧された空気が重くなることや、授業で扱われている「ボイルの法則」によって起こる現象を体験。
(ハ)体験潜水
センターが所有する大型室内プール(水深1.5mと3.0m)において、スクーバ潜水を体験。(希望者のみ参加)
ニ. 海と人間との関わり
(イ)地球環境と海洋
地球温暖化など地球環境変動と海洋の関わりについての解説。
(ロ)海洋深層水の利用
最近話題の海洋深層水の特性や利用価値等について解説。また、実際の海洋深層水を用いて、表層水との化学物質等についての簡単な比較実験を実施。
ホ. 21世紀の挑戦
建造中の地球深部探査船「ちきゅう」による国際プロジェクト「深海地球ドリリング計画(OD21計画)」の概要について解説。
表5 |
参加者名簿(平成14年8月7日(水)〜9日(金) |
氏名 |
所属 |
担当教科等 |
跡部キヨエ |
聖ドミニコ学園高等学校(東京都) |
化学 |
葛谷信治 |
千葉県立柏西高等学校 |
化学 |
黒田淳子 |
東京都立城東高等学校 |
生物 |
小島理明 |
横浜市立鶴見工業高等学校(神奈川県) |
理科 |
斉藤真 |
神奈川県立横須賀工業高等学校 |
化学 |
澤田正美 |
神奈川県立西湘高等学校 |
化学 |
高石哲男 |
千葉県立船橋北高等学校 |
生物・化学 |
武田弓子 |
桜美林学園高等学校(東京都) |
化学 |
田村幹夫 |
滋賀県立水口東高等学校 |
地学・生物 |
中瀬古直司 |
三重県立草の実養護学校 |
理科 |
藤井美智子 |
滋賀県立長浜高等学校 |
理科 |
増尾利行 |
神奈川県立西湘高等学校 |
生物・化学 |
松本有美 |
横浜市立東高等学校(神奈川県) |
化学 |
見田幸子 |
東京都立八王子北高等学校 |
化学 |
村田聰 |
神奈川県立横須賀工業高等学校 |
電気科 |
横川博之 |
埼玉県立浦和高等学校 |
地学・化学 |
中里篤史 |
桂林塾(神奈川県) |
(オブザーバー参加) |
大津裕子 |
横須賀市立浦郷小学校(神奈川県) |
(オブザーバー参加) |
加藤敦子 |
横須賀市立浦郷小学校(神奈川県) |
(オブザーバー参加) |
松澤章子 |
横須賀市立浦郷小学校(神奈川県) |
(オブザーバー参加) |
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(五十音順)
表6 |
スケジュール表(平成14年8月7日(水)〜9日(金) |
日時 |
内容 |
講師 |
8月7日(水) |
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10:30〜11:50 |
開校式、オリエンテーション |
普及・広報課 |
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13:00〜13:50 |
海洋研究の概要 |
普及・広報課 |
大嶋真司 |
14:00〜15:50 |
深海に適応した生物 |
海洋生態・環境研究部 |
藤原義弘 |
16:00〜16:50 |
ROV実習 |
普及・広報課 |
廣高綱/他 |
8月8日(木) |
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9:00〜9:50 |
深海6500mの世界 |
研究業務部 |
鈴木晋一 |
10:00〜10:50 |
深海への挑戦 |
海洋技術研究部 |
百留忠洋 |
11:00〜11:50 |
深海調査機器見学 |
研究業務部 |
橋本菊夫 |
13:00〜13:50 |
潜水と人間 |
普及・広報課 |
竹内久美 |
14:00〜15:20 |
圧力体験実験 |
普及・広報課 |
坂本信義/他 |
15:30〜17:00 |
体験潜水 |
普及・広報課 |
三谷日出文/他 |
18:00〜 |
懇親会 |
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8月9日(金) |
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9:00〜10:20 |
地球環境と海洋 |
海洋観測研究部 |
山本浩文 |
10:30〜11:50 |
海洋深層水の利用 |
海洋技術研究部 |
三森智裕 |
13:00〜13:50 |
深海地球ドリリング計画 |
OD21計画推進室 |
小松徹史 |
14:00〜15:00 |
まとめ・修了式 |
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