2. アンケート調査とその結果
今回の実施内容について評価を得ること、並びに次回以降のカリキュラム編成に際しての参考とするため、参加者全員に対し、アンケート調査を実施した。なお、総合評価のほか、講義や実技・実習に対する評価は、「A:とても有意義であった」「B:有意義であった」「C:普通」「D:つまらなかった」という4段階での回答とコメントを得た。
(1)全般の内容に関するアンケート調査の結果(図5)
本スクールの総合評価は、「とても有意義だった」が85%、「有意義だった」が15%で、すべての参加者から高い評価が得られた。
「募集要項を見た」と「知人に誘われた」が、共に32%で最も多く、次いで「その他」が20%、「ホームページを見た」が16%であった。この結果から、教諭に対する周知方法は、「口コミ」は勿論のこと、それ以外の周知法でも人員を確保することができる可能性が示唆された。
「丁度よかった」と答えた者が85%、「短かかった」と答えた者が15%であった。本結果からも今回の日程が順当であったと思われる。
すべての参加者が「丁度よかった」と答えたことから、実習を含む本スクールの参加者数は20名程度が適当であると思われる。
「出張」と「休暇」という形で参加した者は、それぞれ20%と15%であった。残りの者は「その他」の回答であったが、その多くは研修の名目での参加であった。
「全額自己負担で良い」が79%、「一部主催者が補助した方が参加しやすいと思う」が21%であった。今回もまた、多くの近郊からの参加者と一部の遠方からの参加者を除いては、主催者側からの旅費の一部負担を望む声が多く寄せられた。
(2)講義及び実習等に関するアンケート調査の結果(図6)
講義のみの科目は、「深海6500mの世界」「深海への挑戦」「潜水と人間」および「深海地球ドリリング計画」の5科目が講義のみ、「深海に適応した生物」「深海調査機器見学」「地球環境と海洋」および「海洋深層水の利用」の4科目が講義と実習または見学、「ROV実習」「圧力体験実験」および「体験潜水」の3科目は実習のみであった。これらに関し、「A:とても有意義だった」「B:有意義だった」「C:普通」「D:有意義でなかった」という4段階での評価を得た。これらのうち、全員がAまたはBという最い評価を下したのは、「深海に適応した生物」「深海への挑戦」「海洋深層水の利用」「深海地球ドリリング計画」の4科目で、特に「深海に適応した生物」については、9割の参加者が「とても有意義だった」と評価した。一方、「圧力体験実験」も同率の評価を得たが、反面、「普通」と評価した者は、体験者でなく見学者であった。これらの結果は、例年とほぼ類似したものであった。
(3)まとめ
教員向けの「マリンサイエンス・スクール」を実施する上で、毎年苦労するのは、参加者の確保である。そこで今回は、例年に比べ、対象範囲を広げ、さらに募集要項の配付を早めるなどの手段を講じたが、それでもなお、最終的な応募者は17校からの20名(うち3名は1〜2日間の参加)にとどまった。しかしながら、17校のうちの半数以上(10校)が新規参加の学校であり、しかも、その多く参加者が本スクールの内容について極めて高い評価をしていたため、次年度以降は、口コミによる参加者の確保が今年以上に望めるかも知れない。また、講義や実習の内容についても、参加者からは、当初予想していたとおりの高い評価が得られたため、今年度の企画も満足できる内容であったといえよう。今後、主催者側としては、さらに多くの人たちに参加してもらえるような努力をするとともに、各分野の研究者たちのさらなる協力をあおぎ、啓蒙活動として、より一層充実した内容にしていく努力をす
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