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討議
 
マレーシア
 検査の義務化が行われたということですが、国民の多くは検査に賛成ですか、反対ですか。
 
フラビエ上院議員:
 検査を行うときに重要なことは、データの秘密性を守ることです。政治家や検疫を担当する役人までも検査した。健康教育や宣伝キャンペーンを行った。この活動に対し、カトリック教会はエイズはでっち上げであり、家族計画を進める手段とするつもりだと批判した。しかし若い女性の患者が声を上げ、でっち上げであるという批判の声は消えた。患者が直接、実際の声を伝えた。この女性を厚生省で雇用し、その実態を語ってもらった。彼女自身がエイズ患者であるということで大きな影響を与えた。水商売や軍隊で検査を行ったが、検査の守秘義務を守ることで名乗りあげてくれると思う。
 
中国議員
 中国政府はHIV/AIDSを重視しており、短期・中期計画を実施に移している。輸血によるエイズの拡大を防ぐために輸血設備の更新のために二十二億元を支出した。エイズに感染した家族を訪問したことがある。エィズ患者が出た家族はその農村から追い出された。また自身がエイズであることがわかった運転手は家族が逃げ出してしまった。そこには二つ誤解がある。患者そのものに対する差別と同時に患者自身が自己批判的な見方をしている。政府もこの問題に対し投資を行い、啓発のための会議開催し社会全体を動員している。情報を共有化すると同時に予防策を実施している。国会議員としての責任はHIV/AIDSとはなにか、ということを社会に知らせることであると思う。
 
 
UNFPA「世界人の白書2002」より
 
 
カンボジア議員:
 フィリピンの経験はたいへん参考になった。カンボジアでもHIV/AIDS関連法を制定した。しかしそこで問題になるのはプライバシーの保護をいかに実現するかということである。夫婦の場合お互いに心配することがある。アジアの文化では、妻は夫に対してコンドームを使ってといいにくい。法の下で夫婦の問題をどのように扱うのか。
 
フラビエ上院議員:
 夫婦の間の問題は、カンボジアの女性を娶ったら誠実に答えます。フィリピンではこの問題を解決するために、啓発プログラムを村で実施する場合、夫婦で来てもらうことを前提とした。これは、一緒に参加することで話を共有してもらえるようにすることが目的である。話を聞いて家に帰るとエイズについて心配することになる。どうしたらよいかについてはそれぞれの文化の中で答えを見出さなければならない。これが争いを回避する演者の答である。具体的なプログラムやノウハウについては事務局に連絡を下されば支援をしていきたいとおもう。







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