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IV. M造船
1. 艤装関連組織
 組織の詳細は不明であるが、部門別のおおよその人員は、次のとおり。
・設計:23人(うち女性2人)。部長含む。 計58人
・事務・管理:17人(事務部門)
・造船部:18人。部課長含む。
・現場スタッフ:8人(平均44.1歳)、部課長含めると18人(平均46.3歳)
→ 造船部スタッフとして入れても定着しないので、増やす積もりはない。設計の定着率はいいので、設計は増やしたい。現場スタッフは、どうしても増員が必要であれば、設計にいれ、適当な時期に現場に配転するのが有効と考えている。
 
2. 職種別技能者数
表4.1 艤装関係技能者数(M造船)
職種 人員 協力会社数 発注形式 管理物量 現在の課題
本工 協力工 技量低下 人員確保 管理能力
塗装 0 33 33 1 人工提供 m2    
船具 0 4 4 1 人工提供 Kg/個数  
鉄艤装 0 44 44 1 人工提供 Kg/T  
甲板仕上げ 0 4 4 1 人工提供 Kg/T
木艤装・保温・防熱 0 16 16 1 材工一括 m2    
配管 0 60 60 3 人工提供 Kg/T
製缶 0 5 5 1 人工提供 m3
Kg/T
   
機械加工 0 5 5 1 人工提供 馬力    
機関仕上げ 0 14 14 2 材工一括 馬力    
空調 0 8 8 1 材工一括 m3
Kg/T
個数
     
電装 0 15 15 1 材工一括        
合計 0 208 208 23  
【年代構成】
・10代:3%、20代:13%、30代:10%、40代:24%、50代:40%、60代:10%
・平均:47.5歳
 
3. 職種別作業内容
○塗装:全員で約33人
・一般塗装と特殊塗装を分け、さらに塗りと錆落しをわけていて、同一人で施工させることはない。ブラストは完全に別。
・器具工具:原則、本社から貸与して、マスクなど身につけるものは業者もち。
・品質の指導教育:本社(担当課長)
・物量算出:設計担当。新船型はギリギリになって出てくる。
・定着率悪い:歩留まり50%そこら。
○船具:4人
・一種の運転要員。
・ワイヤ加工は外注。
・船長資格者は、運転期間中だけ外から借りる。Tugの船長、機関長も別途、借りる。
○鉄艤:約44人
・製作は、材料支給する加工外注。
・高齢化問題あり。
○甲板仕上げ:3人(鉄艤と共同作業)
・作業内容は、機器のライナー調整が主。
○木艤:約16人
・家具含めた造作一式施工。
・ユニットは木艤会社、そこまでの配管は配管会社所掌。
○配管:約63人
・甲板、機関配管込み。
・居住区配管は通水まで含めて担当。
・超ベテラン;1. 5〜2人。40歳代後半。
・機関室内配管は合わせ管方式をとっている。
○製缶:5人
○機械加工:5人
・ボーリングマシンは会社が所有。
○機関仕上げ:14人
・機関室内の梯子、手すり、機器台位置決め、取付け5人を含む。
・50代半ばのベテラン2人。この2人が主機、補機、発電機すべて面倒みている。
・主機;2分割搭載。機関メーカ立会いで組立。
○空調:8人
・一括外注
○電装:約15人
・協力工=10〜15人、会社数=1社
・業務担当は設計。
・電路は外注で製作。ブロック取付けは、一括請け負いした電装協力会社が別業者に依頼して施工。
・自動化、計装は、造船所技術者が専任で行っている。
 
4. 外注政策と発注形式
・創設時から、本工ゼロ、現場の作業は100%外注方針。
【指揮権問題】
→ 人員配置は親方。本社の人間は、「工程遅れ気味なので、人をまわした方がいい」などの助言は行う。
→ 同一職場で複数業者が競合することはないので、指揮命令はシンプル。
・構内協力会社は21社で、1社平均23〜4人を擁す。
・日程計画、現場監督は、造船所担当で行う。
(参考)日程作成:3名+女子1.5名で線表〜大日程〜中日程作成し、小日程は業者作成。機器納期は資材部作成
・管理を徹底するため、施工要領書を作成(OBが手書きし、別の人がワープロ)。
・先行艤装は、エンジニアリング子会社へ発注(造船所と下請け業者が共同出資して設立)し、船殻、配管、機関仕上げ業者をまとめさせる。
・船具は、仕事量を算出するのが難しいので、人工ベース発注。
・特装工事は一括外注(長崎に回航して施工)。
 
5. 雇用環境
・職人を集める上で、今は、追い風。昔ほど苦労はしていない。
・しかし、高卒者の歩留まりは50%くらいでよくない。
 
6. 技能レベルと必要資格
○塗装
・200μ塗膜の塗りができるのが5人(一般)+4人(特装)。
・約10年で一人前。一般塗装は5〜6年。
○鉄艤
・本船取付には経験がいる。例えば、フェアリーダの向きなど。
・5年くらいでほぼ一人前(鉄工職)。溶接は本人のやる気があれば2年でOK。
・コスト競争力向上のため、殻艤一体、先行艤装主義をとっている。したがい、艤装関連機器が分かっていないとダメ。
○甲板仕上げ
・多少の技量はいるが、チョックファースト利用のため、それほど問題はない。
○木艤
・競合会社もあるので、技能維持・向上は業者の責任。
・木艤は、所詮は管理監督のみで、直接作業者は地元の業者を起用。換言すれば、別の業者に発注しても直接作業する業者は同じ。
○配管
・機関室、居住区、甲板配管(荷油管)で違う。
・それぞれにノウハウ必要。一品図と取付図がしっかり読める力が必要。
・居住区配管はだいたい他の配管作業者と別れている。
 
○必要資格
・塗装:高所作業車、有機溶剤(危険物取扱は、ガスとあわせて別業者が管理)。
・危険物取扱責任者:設備担当が取得。







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