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練習問題
第3章
1. 構造設計に構造力学の知識がなぜ必要であるかを説明し、両者のちがいを述べよ。
2. 船殻の構造方式にはどんな種類があるか、またそれらの特長を挙げ、どんな船に向くかを示せ。
3. 防撓材とは何か。その役目と、取り付ける際の注意を述べよ。
4. 船体中央部とは何か、縦強度部材は船体中央部でどうすればよいか。
5. 一般配置のうち、どんな項目について構造設計の際注意を要するか。
6. 構造設計の際、工作に関して払うべき注意事項を列挙せよ。
7. 中央横断面の断面係数算定の際に算入される主な部材名を列挙せよ。
8. 次の記号の意味を延べよ。
 
 
9. 構造設計の際の基本図とは何か。それらの図面には主として何が図示されているか。
 
練習問題の解答
第1章
1.
1. 外板構造(外板)
 
2. 甲板構造(甲板)
 
3. 船底構造(肋板)
 
4. 船首構造(船首材)
 
5. 船尾構造(船尾骨材)
6. 隔壁構造(隔壁)
2.
強度とは外力を受けて破損(材料が切断、亀裂、折曲りなどを起こすことと、板や形材が倒れたり、ヘタることを意味する)しないこと。
剛性とは構造の変形の少ないこと。つまり、ペコペコ・ブワブワ、シナヤカでないこと。強度が不足だと船こくが破壊し、剛性が不足だと軸心が狂ったり、ハッチカバーが納まらなくなる。
3.
一般貨物船、油タンカーなどで普通の大きさ、寸法比の普通の構造の船を対象として造られている。したがって、超大型船、とくに肥大な船、変わった貨物の専用船、などには構造規則そのままではあてはまらず、船体強度理論によって計算をしながら設計をする必要がある。
4.
船は海が相手で一たん海上に出れば荒れ狂う自然現象の中で頼りするものがない。つまり外力の程度がはっきりとつかめない。船体の安全、人命の安全が至上命令である。また一方、機関を用いて航行する、つまり動く、という点がことなっている。したがって頑丈であると同時に、なるべく軽量でなければならない。この両者を適合させねばならない。
5.
1. 船体の強度を保持するための構造の基準等を定める告示
 
2. 高速船構造基準
 
3. 軽構造船暫定基準
 
4. 自動車渡船構造基準
5. 鋼製漁船構造基準
6.
日本工業規格(Japan Industrial Standard)
1.軟鋼
 MA鋼(SM400A)、MB鋼(SM400B)、MD鋼、ME鋼
2.高張力鋼
 HA32鋼、HD32鋼、HE32鋼、HA36鋼、HD36鋼、HE36鋼
7.
鋼板に生ずる最大応力が弾性限度内にあれば、力を取り去ったときもとに戻り、弾性限度を超えてその性域に入ったときは、その部分が永久変形を起こして曲ったなりになってしまう。
8.
疲れ現象による。この場合はその性域にまで入った繰りかえし荷重であるので、低サイクル疲れといい、曲げ方がひどいと数回で切断する。
9.
船底外板 2mm
船側外板 上甲板 2.6mm
海水中に浸り切りの個所よりも、日光と海水の作用を同時に受ける所、船内の高温個所(ボイラー室、機関室、煙路)手入のできない不潔箇所(船底部、冷蔵庫内張の中)などの腐食衰耗が多い。
10.
船の大きさにより見かけの許容応力が異なり、大船ほど高くなる。これは外界条件を一定におさえたために、大船ほどこの条件がきびしくなるためである。長さ60mの船で8kgf/mm2(78N/mm2)、長さ.200mの船で15kgf/mm2(147N/mm2)となる。
11.
1. 凹損(船底外板の凹み、船側外板の凹み、上甲板の凹み)
 
2. 座屈(肋骨、防撓材、桁板の倒れ)
 
3. 亀裂(疲れによるもの、ぜい性破壊の停止したもの)
4. 切断(部材、船体全体)







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