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3.5 一般配置との関係
3.5.1 水密隔壁の配置
 船首隔壁は船首垂線(船の型深さの85%の位置における計画喫水線に平行な喫水線上の船首材の前端)より0.05Lまたは10mのうち小なる個所と0.08Lの個所との間に設ける。また、近海区域を航行区域とする総トン数500トン未満の船舶並びに沿海区域及び平水区域を航行区域とする船舶では、0.05Lの個所と0.13Lの個所との間に設ける。上甲板下の船首隔壁には出入口を設けられない。その他の水密隔壁に設ける出口にはすべり戸式の水密戸を設ける。船尾管を1つの水密区画に閉囲するように適当な位置に設ける。機関室にはその前後端に水密隔壁を要するが、船尾機関船のときは後端隔壁は船尾隔壁と兼用してよい。水密隔壁の総数は上記を含めて、長さ67m以上87m未満は4個、87m以上は102m未満は5個以上設けなければならないこととなっている。また、水密隔壁の間隔は、30m以内としなければならない。二重底の場合は水密隔壁の下部になるべく一致して水密肋板を設けタンクの区画と一致させるのが普通である。水密隔壁の位置は肋骨心距と合わせる。
 水密隔壁の位置により、船首倉、貨物倉、機関室、船尾倉の長さがきまる。また二重底の場合にはバラストタンク、清水タンク、燃料タンクの大きさにより水密肋板の位置がきまり、単底の場合には深水タンクの大きさにより水密肋板の位置がきまる。
 船首楼後端壁、船橋楼前後端壁、船尾楼前端壁、甲板室端壁などもなるべく水密隔壁の直上にもってくるのが強度の連続性がとれてよい。隔壁に階段ができる場合には、その部分の甲板は隔壁と同等に構造する必要がある。
3.5.2 船の長さ方向による強度部材の扱い方の差
 船体の縦強度を考える場合には、船体中央部(中央部0.4L間をいう)がホギング、サギングによる曲げモーメントが大きいので、縦強度部材(外板、甲板、中心線内竜骨および側内竜骨、中央線桁板、側桁板および内底板・縁板、縦肋骨、船側縦通材)の寸法はこの部分について決められている。船首尾両端からそれぞれ0.1Lの間を船首部および船尾部といい、ここでは曲げモーメントが小さいので、縦強度部材の寸法は小さく与えられている。中央部と船首尾部との中間は、中央部の寸法より漸減して船首尾部の寸法とする。急な段階的の変化があってはならない。とくに外板については重要部材であるので、船首端から0.3L、船尾端から0.3Lの間についても上記と別の寸法の与え方をし、チェックをしている。
 縦強度の考え以外に、速力の早い船で船首船底の平坦な船では波の衝撃がはげしく、船底凹損事故を起こすことが多いので、速力に応じて、船首から0.15L〜0.3L間(速力が早いほど後方による)を船首船底補強部と称して外板の増厚、二重底諸部材(側桁板、半桁板、外板、縦防撓材、実体肋板、肋板防撓材)の増設および寸法の増加が必要である。
 船首倉内は、船体の横断面形状が瘠形であるため肋骨のスパンが長くなり、かっこの部分は船首波の水圧も大であり、船首水倉の水の暴れも考えに入れて、助板、中心線桁板、肋骨の寸法を増し、最下層甲板下にも防撓梁と梁上側板を設ける。縦式構造のときは、縦肋骨の寸法を増し、船側横桁、横桁支材、船底横桁、中心線桁板、船底横桁支柱などを設けるなど、非常に強く固める必要がある。この部分の構造は、船首隔壁より後方で船首から0.15Lまでの間で、それより後方の構造との連続的な変化をさせるため、梁上側板の延長に船側縦通桁を設けるなどの必要がある。
 船尾隔壁より後方は、外板にプロペラからの水流のはげしく当ること、振動の多いことなどで、船首倉内と同じように固める必要がある。またクルーザースターン部分は、張り出し構造となるので、特設肋骨、船側縦通桁などの補強が必要となる。
 第3.30図に中央部、船首部の範囲及び船首船底補強部の後端を示す。船首船底補強部の後端は速長比により異なり、第3.3表に示す個所より前方の船底扁平部をいう。Vは船の速力(ノット)をいう。
 
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第3.30図 中央部、船首部、船首船底補強部
 
第3.3表 船首船底補強部の後端
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第3.31図 船首防撓構造
 
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第3.32図 船尾防撓構造
 
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第3.33図 船首船底補強部(外板展開図)







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