3.3 鋼構造の組み方
3.3.1 圧延鋼材の形状
圧延鋼材の形状と寸法(JISG3192〜G3194による)を、第3.4図(a)・(b)に示す。(主として長さ80m未満の船に使用されるものを挙げた。)
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第3.4図 (a)鋼板・形鋼の種類(寸法の単位はmm)
溝形鋼
h×b×t1/t2 |
150×75×6.5×10 〃×〃×9/12.5 |
180×75×7/10.5 |
200×80×7.5/11 |
200×90×8/13.5 |
250×90×9/13 |
〃×〃×11/14.5 |
300×90×9/13 |
〃×〃×10/15.5 |
〃×〃×12/16 |
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鋼板
厚さ(t) |
寸法(A×B) |
呼称 |
3.2 |
914×1,829 |
3×6 |
1,219×2,438 |
4×8 |
1,524×3,048 |
5×10 |
4.5 |
914×1,829 |
3×6 |
1,219×2,438 |
4×8 |
1,524×3,048 |
5×10 |
1,524×6,096 |
5×20 |
5 |
1,219×2,438 |
4×8 |
1,524×3,048以上 |
5×10以上 |
6 |
〃 |
〃 |
8 |
〃 |
〃 |
9 |
〃 |
〃 |
10 |
〃 |
〃 |
11 |
〃 |
〃 |
12 |
〃 |
〃 |
13〜20 |
〃 |
〃 |
22〜25 |
〃 |
〃 |
28〜50 |
〃 |
〃 |
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広巾長尺厚板として 巾3,900mm、長さ12〜25mまで圧延可能
第3.4図 (b)鋼板・形鋼の種類(寸法の単位はmm)
3.3.2 鋼板の防撓
防撓というのは、「ヘナヘナするのをとめる」という意味で、外板、甲板などが鋼板だけでできていると、どうしてもたわみ易く、ヘナヘナしないような厚い鋼板を使うことは重くなり、また材料が非常に不経済であるので、第3.5図に示すように、これに平鋼、形鋼などを溶接して防撓することが一般に行なわれている。鋼板が船側外板の場合には、堅方向(船の上下方向)の防撓をフレームといい、縦方向の防撓材(船首部に必要)を外板縦防撓材という。甲板では横方向がビーム、縦方向(船の前後方向)の防撓材が、甲板縦通材という。隔壁、助板、内底板の場合もそれぞれタテ、ヨコに防撓材が入っている。板の厚さと面積に対して、どのように防撓材を入れるか(防撓材の寸法と心距、すなわち中心間の距離)が鋼構造の組み方の要点である。第3.5図の場合は矢印の方向の曲げに対しては非常に抵抗が大となる(剛性が増したという)が、これと直角方向の剛性はほとんど変らない。直角方向にも防撓材を入れ、第3.6図のように格子状にすれば、どちらから曲げられても、すなわち水圧のようなものがかかっても剛性は大きい。このばあいには、防撓材の交わる点について注意が必要で、溶接線が交叉しないように、切断する方の防撓材に切欠きを設ける必要がある。また第3.7図のように高さのことなる防撓材を直交させるときは高い方に切欠き孔を設けて、低い方を連続して通させるのがよい。
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第3.5図 鋼板と防撓材
第3.6図 直交する防撓材(1)
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第3.7図 直交する防撓材(2)
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