4. スプレーストリップ
高速船では、船首部の水捌きを良くする等の理由により、船首部にスプレーストリップを設ける。スプレーストリップの効果は次の通り。
a)船首船側を伝って這いあがる水の膜を側方に叩き落とし、船体をドライにする。
b)スプレーストリップで水の膜或いは波を遮る反力により船体を浮上させる。
c)波浪中で船首が波に突っ込む場合の抵抗となり、船首没入を防ぐ。
d)高速航行中での横揺れや針路不安定性を改善する。
図4−1に高速航行事の横安定性のシミュレーション計算結果の例を示す。スプレーストリップの効果の大きいことが判る。
スプレーストリップは、一般には適当な迎え角を持たせ、静止水線高さ辺りでステムから2〜4m後方迄の位置に設ける。材料は山形材を変形したもの又は三角型組立材が用いられる。
図4−2に装着位置の図例(旅客船)を、図4−3に装着前後の航走状態を比較した実船例を示す。
図4−1 高速航行時の横安定性シミュレーション計算結果
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図4−2 スプレーストリップ装着位置の図例
図4−3 スプレーストリップ装着前後の航走状態の比較
19GT |
遊漁船 |
U丸 |
Vs |
改造前 |
27.1〜27.4kt |
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" |
27.4+αKt |
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5. 船尾トリムタブによる航走トリム修正量の推定法
−大隅三彦氏:中速艇の一設計法より−
最近では可動式トリムプレートをトランサムに設け、過大航走トリムを容易に修正することが出来るようになったが、トリムプレートをトランサムに設置することが不可能或いは困難な場合は、トリムタブを船底後端に設けて修正することになる。この場合のタブの寸法決定法について説明する。
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図5−1 各部寸法の取り方(a)
図5−2 各部寸法の取り方(b)
図5−3 V/√LWL〜K1
図5−4 B/C〜K2
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