日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 技術 > 海洋工学.船舶工学.兵器 > 成果物情報

造船現図指導書(原寸型・定規)

 事業名 小型造船技術講習
 団体名 日本中小型造船工業会 注目度注目度5


3.2 治具型
 生産性向上のためには、つどの建造船によらない共通して使える耐久久してく必要があり、これらの型を、治具型と一括して説明しよう。
 造船業は、機械工業の一部でありながら、ジグに対する感覚が薄いとされる。これは単品生産がベースであることと、機械設備などの依存が少なく、現場合せガス切りなど野帳場感覚が残っているからであろう。
 造船のジグ化に際しては、全船共通のモールドライン原則、部材端部詳細、円弧の跳び寸法・・・の制定など設計の標準化が先決である。
 ジグ形状や治具型には、簡単な略称か符号を付ける。
 
3.2.1 マーキング用標準型
●標準円弧
 シリーズ化された跳び寸法の型がマーキン作業場に常備されておれば、その寸法の部分の型作成は「角出し」や「当り付け」で済むし、定規表現にしても一部型はいらない。
 小さいR寸法では1/2円を、大きいRでは1/4円弧を準備するとよい。食違いが起こらないように型定規作成の現図場にも1セット置いておく。
●標準開孔
 この治具型があれば、MH:マンホールや、LH:軽め孔を、中心や軸の位置で与えるだけでマーキンできる。
 特に高応力部での楕円開孔や楕円コーナーには便利である。
 
●標準切欠
 形鋼、例えば球山形:バルブプレート実物のスライス断面があれば、貫通切抜きマーキンに「沿い書き」で使える。
 構造のハードスポットを避けるスキャロプやDH:通水孔[図3.2.1 ソフト端切欠]も標準型にするとよい。図例の“SP”とか“DH3”は設計標準から一貫して決められた特殊切欠の記号である。
 
図3.2.1 ソフト端切欠
 
●スニップ端部
 [図3.2.2 標準スニップ型]に、その典型例を示す。マーキンは、最端と記号の“S”のみにして、直接この要領で(倣い)切断治具とする手もあるが、FB.部材での端部噛み合わせネスティングができなくなるので、善し悪しである。
 
図3.2.2 標準スニップ型
 
 構造設計の高度化に伴い[図3.2.3 特殊スニップ]など芸が細かくなる傾向にある。このような場合も、ウェブのソフト端形状、Fc.PLの厚サーピンと巾テーパー要領を標準化してあれば、治具型にできる。
 
図3.2.3 特殊スニップ
 
●利材部品型
 開孔など、そのままだとスクラップになる部分に、嵌め込み取材の標準部品や工作用金物の型である。[図3.2.4 利材部品]に標準小形リブ取材の例を示す。このような場合は、2枚同時マーキンできる「ネスティング型」にしておくと効率的である。
 利材部品は、このような取扱いは廃れ、量産推進の成り行きから、アイトレーサー切断を設置した利材工場に集中されているが、取材の総合バランスや所要量計画が甘くならないようにしたい。
 
図3.2.4 利材部品
 
3.2.2 曲型用標準型
●標準円弧曲型
 Fc.PL用であるが、[図3.2.5 Fc.PLのR寸法]に示すように、ウェブ縁:R0を押さえるか、Fc.PLの上曲り面:R1で決めるのか・・・で変わってくる。どちらかといえば、ウェブのR半自動切断:R0を優先し、円弧曲型は[R1=R0-t]で、tの跳び寸法を標準化する方がよい。
 
図3.2.5 Fc.PLのR寸法
 
●標準コルゲート曲型
 [図3.2.6 コルゲート壁]に示すような構成の違いがあるが、いずれも曲加工精度が重要であり、単なる折度型でなく、上下(裏表)両面当ての断面全体の検査型として整備しておく。
 
図3.2.6 コルゲート壁
 
●外板曲型用やロンジ捩型用の自在治具
 これらは、標準型とは異なる単なる型作成を簡易化するユニバーサル治具であるが、ここで紹介しておく。
 
 [図3.2.7 外板見透型治具]は、セットされた見透型の概念図を描いてみたものである。
 
(拡大画面:17KB)
図3.2.7 外板見透型治具
 
 各造船所で工夫が進み、材料が木質とブリキ板金の時代からプラスチックに軽合金の組み合わせに変わってきたものの、軽量化と堅固化はなかなか相入れないようで、実用的に“これはよい”というものには出会っていない。
 撓みで曲線を与えるバッテンには、[図2.1.10 掴み代とトレランス]で示した理屈から、外板幅より延長した掴み代が必要で、このアイデアでは取扱いに難があるようである。
 欧米では曲型は、日本では問題となっていない“しゃがむ”姿勢が嫌われ、曲げ部材を台に上げての平面見透が好まれる。型は[図3.2.8 水平見透型]のようになる。この方が自在治具化しやすいであろう。
 
図3.2.8 水平見透型
 
 この水平見透型の図、下方の捩れ型鋼では、腹面当て木型を示してみたが、現在実用に供されている自在治具には、垂直見透の背面当て[図3.2.9 ロンジ捩型治具]がある。
 寸法:S、Dθ、Dφ、DHを与えることで、捩型を組むことができる。
 
(拡大画面:14KB)
図3.2.9 ロンジ捩型治具







サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
101位
(31,472成果物中)

成果物アクセス数
125,324

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年9月14日

関連する他の成果物

1.アルミニウム合金船の設計・建造の要点
2.平成14年度通信教育造船科講座受講者募集のご案内
3.平成14年度通信教育造船科講座のしおり
4.平成14年度通信教育造船科講座スクーリング(面接指導)実施要領
5.船殻設計
6.船殻設計(学習指導書)
7.平成14年度通信教育造船科講座添削問題
8.平成14年度通信教育造船科講座スクーリング試験問題
9.通信教育造船科講座正解集(平成14年度)
10.船殻ブロックのデジタル生産技術の基礎研究 成果報告書
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から