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造船現図指導書(原寸型・定規)

 事業名 小型造船技術講習
 団体名 日本中小型造船工業会 注目度注目度5


2.3.5 重ね代:ラップ位置、二重板:ダブリング
 ラップ接手の重ね代は、一般に取付位置決めの結果で決まるが、肋骨とその端部BKTだけを先行組付けする場合には、重なり形状の指示が必要になる。
 [図2.3.20 ロンジ端部BKT]は、数値現図からのプロッター作画であるが、一部にラップ形状が描かれている。
図2.3.20 ロンジ端部BKT
 
 パッドなどのダブリング位置は、縦横の中心線または外周線で示す。
 その例を[図2.3.21 二重板の取付位置]に示す。
●線合わせ
 貼付ける二重板の方に、別の目的でマーキン線がある場合には、その線を利用して合せられるように、取付られる部材に「合わせ線」をマーキンしておく。
●外周合わせ
 二重板には、アイトレーサー切断とするパッドが多く、そうでない大型部材でも切断線以外にマーキンの必要がないのが一般なので、ラップと同じく重なり線(外周)を指示している。
 
図2.3.21 二重板の取付位置
 
2.4 マーキン面と舷の表現
 型定規を作成するため参照する情報は、図面と現図であるが、それぞれ片舷が描かれており、同じ向きであったり逆向きであったり、必ずしも参照したままを引き写すことはできない。まず、どのような部材であるか・・・を頭に入れて、それから型定規を、どう作成するか・・・原寸情報の表現を考えることになる。
 
2.4.1 マーキン面の選定
 考慮する項目は、曲げ面の上下、取付線の裏回し、反転工程である。これらを総合的に比較して、どちらの面をマーキン面に選べば、部材関連の仕事が最少になるか・・・で判定する。通常は、
1)取付部材の多い面
2)上曲げとなる面
の優先順で決まる。
 
 両面に取付線マーキンが必要な場合、どちらもマーキン面に表示し、裏面へは、表面にある線を端位置で当たって回しておき、反転した後に裏面に再現マーキンをする。取付線だけであれば、部材両端まで線を延長しておいて、両端点で裏回しするだけですむが、裏付き部材が二重板のように形状マーキンが必要であったり、両端に達しないBKT.などで「止まり」位置や「合マーク」の付加が必要であれば、裏マーキン用一部型・補助定規など・・・なんらかの手段を講じなければならない。表マーキンは、切断定盤でまとめて専門的定常的に行えるが、裏マーキンは組立工程での反転を伴う特例の準備作業として行わざるを得ず、簡単であってほしい。また回転の早い小組立工程では、そもそもマーキン作業はナシとしたい。よしんば裏取付を次工程送りとしても・・・である。
 したがって、このような場合を考え併せると「1)取付部材の多い面」というより「1)裏マーキンが簡単になる面」と読み替えるのがよいかもしれない。
 裏回し指示の例を[図2.3.22 ウラ取付]に示す。表・裏の取付線が、同じモールドラインで接近する(Min.<3mm)ときは、図のように仮モールドに立て替えるとよい。精度を重んじて「取付線+板逃」の表示を逆用するのである。
 
図2.3.22 ウラ取付
 
 優先度2)の「上曲げとなる面」というのも「曲型当て位置の指示面、プレス曲での押し面」と言い換えるのが、正確な表現である。
 曲り外板は、船体線図で示されるモールドラインで曲げ加工される。板は外逃げであり、船体内面=骨付き面をマーキン面とする。したがって:−
図2.3.23 逆反り外板の曲げ]に示すような場合、下曲げとなる。そこで実際の曲げ加工は、最初にマーキンを裏回しして、裏からプレス押し/線状加熱するのである。このために凹面当ての粗曲型を別途作成している。粗曲型は線図から板厚分差し引いて作ることもなければ、見透しも要らない。仕上げが、マーキン面当て曲型で見透して行われるからである。この場合の凸面当て(仕上)曲型の方が、正規の曲型なのである。ここでも主眼は、精度である。
 同じく下曲になるものにFc.PLがある。[図2.2.3 曲加工記号の表示位置]の●Fc.PLのR曲げ、[図2.2.11 S曲りFc.PL]、[図2.2.12 斜行Fc.PLの曲げ]に見るように、取付線マーキン優先であるが、この場合は、プレスが横押しで、曲型も当て位置指定はないか、あっても凹面当て曲型が使えることが、下曲を問題なくしている。
 
図2.3.23 逆反り外板の曲げ
 
2.4.2 舷区分
 構造部材は、一般に両舷対象で、型定規も片舷を作成すれば、両舷に使える。そのことは簡単なのだが、部材のまとめ(物流)、組立分類、など目的の異なる仕分からは、舷の取扱いには、区分が必要となる。
 
●所属舷
 部材が、どちらのブロックに所属するか、の区分である。
 幅方向が、中央と両舷に3分割なら[図2.3.24 3分割ブロックの舷区分]に示すように、左舷:P、センター:C、右舷:Sの所属になり、一般にPSは対称。
 幅2分割なら[図2.3.25 2分割ブロックの舷区分]に示すように、左舷:Pまたは右舷:Sへの所属で、センターはどちらかに含まれる。したがってPS非対称となる。
●存在舷
 部材が、どの舷にあるのか、の区分で、所属ブロックには関係がない。
 [図2.3.18 船の指標]における左:Pと右:Sの方向区分に相当する。
 上記、3分割ブロックと2分割ブロックのそれぞれの図で、存在舷の方をPCS所属舷区分記入の下に括弧付きで示した。括弧の種類で(舷)はPS対称部材、[舷]は単独または非対称部材の意味である。[C]はセンターガーダーなどの上の部材またはを跨いでで対称の部材だけで、これらに取付く部材は、例えばガーダー付き二重板は取付面によって、必ず( )または[ ]のP/Sとなる。
 
(拡大画面:11KB)
図2.3.24 3分割ブロックの舷区分
 
(拡大画面:12KB)
図2.3.25 2分割ブロックの舷区分
 
●作成舷
 型定規を、どちらの舷で作成したか、の区分である。
 船殼構造は、通常に対称であり、さきにも触れたように図面も現図も片舷しか描かれない。片舷の情報で両舷部材が規定される。上記の所属/存在の舷区分の図で、両舷にある[ ]で囲んだ単独または非対称の部材も、非対称のブロック継手以外は、すべて片舷情報で表現できる。したがって、P only S onlyの非対称の旨のみを特記(目立つように朱記)すれば、他の特記ナシは自ずと、すべて対称と解釈される。
 
 本書の冒頭でフイルム型の[正字]=P、[ウラ字]=S[図1.1.2 透明型での舷区分]、定規の左手=P、右手=Sの表現[図1.1.3 長×巾定規での舷区分]、を紹介したが、約束さえハッキリしていれば、作成舷はどちらであろうと問題はない。







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更新日: 2019年9月21日

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