1.2.1 寸法図
従来の“定規もの”に対応する。
指示数値の「区問寸法」/「累積寸法」の表現約束を決め、アウトプット様式はエンドユーザーコンピューティングに任せるとよい。
「区問寸法」とは、機械製図法に見るように寸法引出線の間の寸法で、両矢印線に数値を示す。「累積寸法」とは、指示寸法に寸法の始まる「起点」からの距離を与える表示法であり、起点側からの区間寸法の累積値で示す。起点は寸法引出線に黒丸を印し、累積方向の片矢印線に数値を示す。[図1.2.2 累積寸法表示]参照。
図1.2.2 累積寸法表示
ここでのエンドユーザーコンピューティングとは、どんな寸法図にするか・・・を、寸法図を使ってマーキンする人自身が決めて、自分でアウトプットする・・・という意味である。
寸法図から累積寸法を読み、直接に物差やスケール・テープを使って、現物にいきなりマーキンするようにしたい。
たんに寸法図から定規に書き直すのは、作業自体が機械的で無味乾燥で“人”のやる仕事ではない。どうしても定規にしたいのなら、現図工程に作らせず、マーキン工程で前準備としてやればよい。自工程作業の事前検討になり、記入も自ずと簡略化に向かうはずである。(参考:鉄骨・橋梁メーカーでは、NCテープ作製機を使う所がある。スチールテープに原寸を目盛る作画機の一種である。これならよいが、曲線部の多い造船では、適用が限られ、採算が取れない。)
1.2.2 NC切断/マーキング
電子データに直結し、従来の型・定規は不要となる。
さらにネスティングやカッターパス・・・といったカッティングプラン機能が取込まれることになる。ここでもNC指令をアウトプットするソフトに差異がある。
また、ラインマーキンは普及しているものの、開先切トーチブロックや印字装置には採否や、採でも制御機構に差があり、ソフトの相互運用性に留意が要る。
加工外注の場合、発注元が発注先のNCコード様式にアウトプットして供給するのが通例となっているが、発注先では異なった発注元の各ソフトの効率が比較できるので、もしも優劣が目立つようなら最優ソフトにて再処理するようにするとよい。各システムのデータ様式の開示が進み、相互乗入れが可能になってきている。
[図1.2.3 パソコン数値現図システム構成(例)]参照。
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図1.2.3 パソコン数値現図システム構成(例)
1.2.3 NC型作画
従来の型に相当するものが、自動作画される。
これまでは現図用としてはフラットベッドのドラフターが使われ、作画寸法に制約されてきたが、このところ間欠送りが実用になり、設計用のドラムタイプ・プロッター同様に長さ方向の制限がなくなった。作画幅2Mであれば2BL毎の現尺線図が作画でき、現図床上に並べれば、従来と同じ形:手作業作画の作業運用もできる。小規模造船所の数値現図化には、高価で場所を取る切断機より、この作画機だけの導入を薦めたい。
作画型では、型自体:作画ハードコピーの交換とすれば、NCがらみの相互運用性の問題もない。
1.2.4 その他の造船用NC
現図関連では、フレームベンダー、曲り外板の定点支持具、曲型切削・・・があるが、まだ特殊で一般性はない。説明は、以降の該当項目のところで述べよう。
これらの専用NC装置化は、造船所単位では量的に採算性が乏しいのが難点である。
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