4. SHIP APs海外プロジェクトの概要
4.1 EMSA(Marine E-business Standards Association)
4.1.1 EMSAの概要
ヨーロッパの船級協会(LR,DNV,BV,GL)、造船所(Fincantieri,Odense,SENER等)、CADおよびCAD/CAMベンダー(NAPA,INTERGRAPH等)が参加(2003年(平成15年)1月時点では15メンバー)し、プロダクトモデル標準のISO/STEP活動を推進することによってこれら組織間の情報交換実験等を行なうことで造船関連ビジネスでのスタンダードを確立することを目的としている。議長はUK MoDのTony Fly氏が務める(2002/09の役員会投票にて再選され、2004/Eまで2年間の任期延長)。
国際規格の制定推進としてはSHP APの内、AP216の開発責任者(オーナー)を務める。
EMSAメンバー間にてAP216/AP218のSTEPデータでのデータ交換試行を実施しており、STEPの活動の重要な一極を占めている。最近では試行レベルから商用ベースヘの展開に力を注いでいる。EMSAの構成メンバーは下表に示すように2003年(平成15年)1月時点で、フルメンバー10、オブザーバー5となっている。
EMSA Member List |
Full Members ;
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American Bureau of Shipping |
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Lloyd's Register of Shipping |
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British Maritime Technology Ltd. |
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Bureau Veritas |
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Det Norske Veritas A.S. |
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Fincantieri |
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Germanischer Lloyd |
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Warship Support Agency (MoD) |
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NAPA OY |
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SENER Ingenieriay Sistemas, S.A. |
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Observers;
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Intergraph Corporation |
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Marintek |
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Odense Steel Shipyard Ltd. |
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RlNA - Registro Italiano Navale |
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Vosper Thornycroft Ltd. |
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EMSAの戦略と定款については下記URLを参照。
4.1.2 2002年度(平成14年度)の主な活動と参考情報
EMSAのホームページ、国際会議(ストックホルム、ソウル)での入手資料などからの情報をベースにして、以下のように報告する。
(1)ISO TC184/SC4(STEP)国際会議およびワークショップ活動
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24th February-lst March 2002, Myrtle beach,USA |
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9th-14th June 2002, Stockholm, Sweden |
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3rd-8th November 2002-,Seoul,South Korea |
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Ship Machinery workshop,18th-19th September,Washington DC |
(2)コンファレンスおよび展示会活動
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ICCAS 2002-9th-12th September 2002,Malmo,sweden
”The Need for Standards to Ensure Efficient e-Busness"という題目で論文を発表。 |
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April 2002 WONDERMAR conference,Gdansk |
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WONDERMAR open workshop-12th September 2002,Malmo,Sweden |
(3)参考情報
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EMSAの変革
STEPやPLIB等への規格対応だけではなく、e-business対応の要求にも沿うことを明確にするため、組織名も下記の如く変更された(Myrtle Beach国際会議にて正式公開)。
emsa:marine e-business standard association |
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XMLの海事分野への適用
発行済のEMSA ProtocolであるEP001(Hull Structures)、EP002(Hull Form)に準拠したXMSスキーマが発行されている( http://www.xml.orgより入手可能)。 |
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4.2 NIDDESC(Navy/Industry Digital Data Exchange Standards
Committee)
4.2.1 概要
NIDDESCは船舶製品モデルの情報交換を目的とした政府と産業界のコンソーシアムとしてU.S.Navyを資金源に設立された。1980年代PDES(U.S. Product Data Exchange Specification)の活動を通してその目的を遂行してきたが、その後PDESがISO STEPに向けた組織に組込まれた為、データ交換の為の国際親格(特にISO 10303)制定が活動の対象となった。
4.2.2 目的
NIDDESCの目的は、船舶製品モデルの情報交換に関して米国仕様内容に沿った機能範囲を予め把握するため、データ交換規格の開発とテストサイトヘの参加(コスト・スケジュールなど)を目的としている。
4.2.3 実績
NIDDESCは約10年間の活動を通して業界の専門家が米国における船舶製品モデルのコンセンサスを確立すべく協力した結果、船舶製品モデルについて世界最先端レベルの地位を確立するに至った。例えば1996年(平成8年)から1999年(平成11年)には米国の造船所間のデータ交換を扱うDARPA/MRITECHの助成によるMariSTEPプロジェクトに取り組み、その後このMariSTEPと欧州STEP開発プロジェクトであるSEASPRITEとの連携によりMariSPRITEスキーマも完成させた。これらの成果は国際規格を開発する上で情報モデルや応用規約(Application Protocol)の核となっている。その要求書は、Structure,Piping,HVAC,Electrical Cableway,Outfit and Furnishings,Configuration managementにまたがる内容であり、これらのドキュメントはNSRP(National Shipbuilding Research Project)によってISOフォーマットの文書にコンバージョンされた。これらのモデルはSTEP,ISO10303の船舶標準モデルに対する米国提案のベースとなった一方、欧州勢の意見がShip hull form(AP216)、Ship arrangements(AP215)、Ship structure(AP218)に分割されたNIDDESC structureモデルに反映されている。
4.2.4 現在の主な活動
現在の主な活動内容は以下の通りである。
(1)HARVEST
HARVESTはAP215、AP216、AP218を国際標準として完成させることを目的としたNSRPプロジェクトである。参加メンバーはSTEP Tools,Inc. (プロジェクトリーダー&AP216担当), Electric Boat(AP218担当), Product Data Services Corp(AP215担当)で活動期間は2001年(平成13年)10月から2003年(平成15年)3月までである。
(2)Integrated Shipbuilding Environment(ISE)
ISEはNSRPにおける初の大規模なシステムテクノロジープロジェクトであり、XMLやその他の最新インターネット技術を駆使して造船システムを統合するための相互互換性のあるインフラとツールの開発とその適用拡大により、艦艇および商船のライフサイクル全般におけるコスト削減を実現することを目的としたものである。活動は1999年(平成11年)3月から1999年12月にかけて要件と造船システムの相互互換性を実現するためのシステム構造を定義するフェーズ1、2000年(平成12年)3月から2003年(平成15年)6月にかけて適用を展開していくフェーズ2で進められる計画である。ISEチームにはElectric Boat, Intergraph,NIIIP,IBM,NG Newport News,NG SS Avondale,NG SS Ingalls,STEP Tools,SIMSMART,Bath Iron Works,ABS,Altarum,MMA,Naptheon,SENER,atrantec,NAVSEA,Anteon,UMTRI,University of Connecticutが参加している。
(参考情報)
・Naby/Industry Digital Data Exchange Standards Committee:
・NSRP:
・ISO TC 184/SC 4/WG 3/T 23(SHIP TEAM)INFORMATION:
・MariSTEP:
・ソウル会議入手チュートリアル資料「STEP in shipbuilding」
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