PSAコープ、荷役料金値下げ
シンガポールのコンテナ荷役業者、シンガポール港湾公社(PSAコープ)は1日から積み下ろし手数料を引き下げた。これについてヨー・チャウトン運輸相は、PSAの対応を評価し、PSAの競争力の維持が期待できるとした。
PSAは各海運会社と個別に割引契約を結んでいるが、今回この割引を加味した請求額からさらに10%値下げするとともに、空コンテナ扱い料金も50%の値下げをした。PSAは、従来、「料金が全てではなく、サービスの質を重視する」との方針を示していたが、マースク・シーランド、長栄海運(エバーグリーン・マリン)のマレーシアのタンジュンプルパス港(PTP)への移転があり、値下げを余儀なくされた。
《03 Jul 2002, The Business Times, Singapore》
PSAのヨー会長辞任
シンガポール港湾公社(PSAコープ)のヨー・ニンホン執行会長(58)が9月1日付で退任する。後任はシンガポール産業連盟会長のスティーブン・リー氏(55)が非執行会長として務めるが、ン・チーキョン現グループ社長(53)が最高経営責任者(CEO)を兼任し、実質的な経営トップに就任する。ヨー会長は業務引き継ぎを円滑に進めるため、来年8月まで同社上級顧問としてとどまる。
ヨー会長は、法定機関だったシンガポール港湾局(PSA)の法人化に際し会長に就任。ゴー・チョクトン首相はヨー会長が現時点で勇退の道を選んだことを尊重したいとした。
《16 Jul 2002, The Straits Times, The Business Times, Singapore》
韓進海運、PSAとの契約更新
港湾公社(PSAコープ)が韓国の韓進海運から10年間の契約更新で合意、来週契約に調印する模様。
韓進海運はマレーシア・ジョホール州のタンジュンプルパス港(PTP)と業務移管について話し合いを進めていたため、デンマークのマースク・シーランドや台湾のエバーグリーン・マリン(長栄海運)と同様、PTPに移転するのではとのうわさが広がっていた。
消息筋によると、PTPは抗えない内容の料金パックを韓進などシンガポール港に積み替え拠点を置く海運会社に提案していたため、PSAはPTP提案を上回るサービス・料金パックを韓進海運に提示したと推測される。契約内容は調印時に発表される。
PSAは7月1日から1年間、すべての空コンテナの取扱料を50%引き下げるとともに、貨物ターミナル利用の際に発生するすべての費用を10%割り戻している。
《17,18 Jul 2002, The Business Times, Singapore》
韓進海運、PSAと契約更新
港湾公社(SAコープ)と韓進海運は、コンテナ荷役に関する長期契約を締結した。
契約期間は公表されなかったが、5年間の港湾利用契約を延長する形で合意が成立した模様。
今回の契約更新で韓進海運は、年間数百万米ドルの費用節減効果を見込んでいることを明らかにした。このほか、PSAは停泊の優先権、生産性やサービスの質的保証等の韓進海運側要求を大幅に受け入れた模様。
《24 Jul 2002, Shipping Times, Singapore》
シンガポール港復調
今年上半期のPSAコープとジュロン港でのコンテナ取扱量(速報値)は、前年同期比.9・4%増の828万TEU、コンテナ以外のすべての部門でも回復をみせた。海事港湾庁(MPA)が発表。
シンガポールに寄港した総トン数75トン以上の船舶の隻数は、2,386隻減の6万9,976隻だったが、船舶規模が平均で8.6%大きくなったため、総トン数では4.9%増の4億8,388万総トンとなった。背景として、船舶業界における7,000TEU以上の大型船舶に移行傾向がある。
昨年下半期に燃料汚染問題や燃料供給会社の汚職事件の影響で落ち込んだバンカー油の売上量は1.1%増の991万トンとなり、回復の兆しをみせた。
シンガポール船籍の隻数は、3,343隻から3,373隻に微増した。
《31 Jul 2002, Shipping Times, Singapore》
港湾公社の取扱量、23ヶ月ぶりの10%増
シンガポール港湾公社(PSAコープ)の7月の国内貨物取扱量は前年同月比9.9%増の148万TEUとなり、23ヵ月ぶりの最高値となった。中国、南アジア関係の貨物増加がその要因。
また、7月のPSAが出資、経営する海外港湾における取扱量は129%増の78万TEUで、PSA全体としての取扱量は34%増となった。1〜7月期の全取扱量は、前年同期比27%の増加。マレーシアのタンジュンプルパス港(PTP)への対抗措置として、PSAは7月からコンテナ積み下ろし手数料を10%割引するとともに、空のコンテナ手数料を半額にする値下げ措置を講じており、関係者はPSAの7月の実績に注目していた。
《06 Aug 2002, The Business Times, Singapore》
港湾利用料金は世界有数の安さ
ショッピング・オーストラリア社(豪州)がこのほど行った調査により、シンガポールの港湾施設利用料は世界有数の安さであることが明らかになった。
この調査は、港湾労働者賃金及びバース使用料を除いた、コンテナ船の係船料金やタグ料金、水先案内料金、当局への手数料等の諸費用について、世界38港を比較したもので、豪州メルボルン港における費用を100とし、昨年下半期の各港の通常サービス料金を数量化した。
結果、メルボルンを100としたとき、シンガポールは47で、利用料金の安さで4位となった。1位は豪州タスマニア島・バーニー港の17、2位はマレーシア・クラン港の33、3位はニュージーランド・リトルトン港の40だった。
過去に同社の前身企業が行った同様の調査では、シンガポールは1995年が20、97年が30と、過去数年で割高の傾向が強まっている。
本年5月の海事港湾庁(MPA)による港湾利用船舶への支援を目的とした海運団体基金(MCF)を設立により、シンガポールの競争力は高まるとみられている。MCFの基金総額は3,000万Sドル。今年7月に2年間の延長措置をとった港湾利用料の20%割引負担費などが含まれている。MPAは96年に割引制を導入。毎年割引率を見直し、その都度延長措置をとってきた。
《13 Aug 2002, Shipping Times, Singapore》
新規20ヶ所のバース地を確保
ゴー・チョクトン首相は建国記念演説の中で、新規バース用地を20カ所以上確保したことを明らかにした。
バース用地はパシルパンジャンで、港湾公社(PSAコープ)やジュロンポート、その他の港湾運営会社、船舶会社のなかで最善の運営を行える企業に対し運営権を与える模様。
同首相は、近隣諸国が空港や港湾などシンガポールが得意とする分野で建設を進めていると指摘し、特にマレーシアが運送事業でアジア地域のハブになると宣言していることに言及しており、港湾施設拡充の背景には、アジア地域のハブ港の座を狙うマレーシアのタンジュンプルパス(PTP)が念頭にある模様。
また、米国主導によるコンテナ安全プログラム「コンテナ・セキュリティー・イニシアティブ(CSI)」で通関手続きが迅速になることを強調した。
《19 Aug 2002, Shipping Times, Singapore》
PSAコープ、現行顧客の75%と長期契約締結
シンガポール港湾公社(PSAコープ)は、現行顧客の75%と5年以上の長期契約を締結したことを明らかにした。合計貨物取扱量は1,280万TEUにのぼるとのこと。
PSAコープのシニア・バイス・プレジデント、ジョン・オン氏は、エバーグリーン・マリン(長栄海運)や陽明海運、Kラインと現在契約更新の交渉中であるとした。
マレーシアのタンジュンプルパス港(PTP)がシンガポールよりも安い料金を提示して誘致の働き掛けをしていることから、PSAは顧客と長期契約の確保に努めている模様。
《22 Aug 2002, Channel News Asia, Singapore》
PSAコープ、PTPとの交渉希望
PSAコープのジョン・オン上級副社長は、マレーシアの週間経済誌「The Edge Malaysia」とのインタビューで、「われわれは市場シェア獲得のためとして、極端な値下げ合戦のような破滅的な競争をすべきではない」と述べ、マレーシアのタンジュンプルパス港(PTP)との建設的な競争関係構築のための交渉をしたいとの考えを明らかにした。
PTPの貨物取扱料はPSAの半額程度といわれており、PSAコープも対抗措置として7月からコンテナ積み下ろし手数料を10%割引、空コンテナ取扱料を半額にしている。PSAコープの代表がPTPとの競合について公の場で言及したのは今回が初めてとなる。
《26 Aug 2002, The Business Times, Singapore》
PTP、建設的競争関係構築交渉に賛意
シンガポール港湾公社(PSAコープ)がマレーシアのタンジュンプルパス港(PTP)と建設的な競争関係構築に向けての交渉希望を表明したのを受けて、PTPはこれに応じる姿勢を示した。
PTPのモッド・シィディック・オスマン最高経営責任者(CEO)は協力と競争を合わせた“コーオペティション"により両港は顧客に最善のサービスを提供できると述べて、PSAとの交渉に賛意を示した。また、同CEOは、過去数年間にわたりPTPが数回、PSAに協力を呼び掛けたと述べた。
ただ、船舶業界のアナリストは7月からのコンテナ積み下ろし手数料の10%割り戻し後も、PSAコープは年間換算で4億〜5億Sドルの利益が予測できるとし、今後も価格競争が進むとの見方を示している。
《27 Aug 2002, The Business Times, Singapore》
エパーグリーン、PSAコープと長期契約
アジア地域のハブ拠点をマレーシアのタンジュンプルパス港(PTP)に移管した台湾のエバーグリーン・マリン(長栄海運)は、シンガポール港湾公社(PSAコープ)と新たな長期契約を交わした。
エバーグリーンは先月末でPSAとの契約を終えているものの、年間約120万TEUのコンテナの一部をシンガポールに残すとみられている。同社は先ごろ、貨物量全体の10〜15%を残すとしていたが、30万〜60万TEU(25〜50%)を残す見込みとシンガポールのThe Business Times紙は記載している。一方、マレーシアの7日付Business Times紙は20%程度としている。
ただ、今回の契約による貨物取扱量などの詳細は明らかにされていない。
《7-8,7 Sep 2002, The Business Times Weekend, Business Times, Singapore, Malaysia》
PSA、Kラインなどと契約更新へ
シンガポール港湾公社(PSAコープ)は、川崎汽船の完全出資会社“K”ライン(KLPL)等数社との契約更新を行うことを明らかにした。
業界関係者は、KLPLとの契約期間は3〜5年とみている。同社とPSAの従前の契約は、昨年12月31日で切れ、今年4月に契約更新を行ったが、料金交渉で折り合いがつかず、通常2〜3年とする契約年数を1年としていた。
PSAコープは、韓国の韓進海運と本年7月に、10年間の長期ターミナル使用について合意している。
また、PSAは、10月の全世界での貨物取扱量が前年同月比28%増の218万TEUであったと発表した。シンガポールでの貨物取扱量は5%増の142万TEU、海外部門では122%増の76万TEUだった。4月に株式80%を買収したベルギーの港湾管理運営会社ヘッセ・ノールド・ナティー(HNN)や、中国・広州の新規合弁事業が貨物取扱量の増加に貢献した。
《08 Nov 2002, The Straits Times, Singapore》
香港OOCL、積み替え業務をシンガポールに集約
香港のオリエント・オーバーシーズ・コンテナ・ライン(東方海運:OOCL)は、シンガポール港湾公社(PSAコープ)と港湾使用に関する長期契約を結び、今後貨物積み替え業務をシンガポールに集約することを発表した。
PSAコープは、過去2年主要顧客であったマースク・シーランドとエバーグリーンの2社等をPTPに奪われたことから、荷役料金の引き下げ、専用バースの提供等の対抗策を打ち出していた。
OOCLは現在、シンガポールで年間50万TEUのコンテナを取り扱っており、マレーシア・スランゴール州のクラン港でも年間13万TEUのコンテナを取り扱っている。OOCLは、マレーシア・ジョホール州のタンジュンプルパス港(PTP)からの誘致勧誘があったが、PSAが以前の契約を上回る条件を提示したため、契約更新を行ったとしている。新契約では、OOCLに専用バースを運営するオプションも与えられている。
《9-10 Nov 2002, Weekend Business Times, Singapore》
シンガポールの貨物取扱高、復調
シンガポール港湾公社(PSAコープ)は、2002年の年間の貨物取扱高が目標の1,700万TEUに近い数字となるとしている。
PSAコープの1〜11月の貨物取扱高は1,537万TEUとなった。2001年の貨物取扱量は1,557万TEU、2000年は1,710万TEUだった。PSAコープは12月に約140万TEUの取扱を見込んでおり、年間の貨物取扱高は目標の1,700万TEUに近い数字となりそうだ。2000年の貨物取扱高は1,710万TEU、2001年は1,557万TEUであり、2002年は2000年に近いものとなりそう。
一方、香港当局は9日、1〜9月の貨物取扱高が1,400万TEUだったと発表し、中国からの輸出増により、今年も世界1位になるとの予測を示している。
PSAコープの貨物取扱量は回復してきているが、マレーシアのタンジュンプルパス港(PTP)との競争激化により、年央から始めたコンテナ積み下ろし手数料の割り引きや施設利用料の払い戻しが影響し、収益の改善には結びつかない模様。
PTPは先月、今年の貨物取扱高目標を250万TEUから280万TEUへと上方修正している。
《10 Dec 2002, Shipping Times, Singapore》
PSAの取扱量1,680TEU
シンガポール港湾公社(PSAコープ)の国内貨物取扱量は昨年、前年比8%増の1,680万TEUとなったが、目標の1,700万TEUは達成できなかった。PSAコープの海外で貨物取扱量は115%増の780万TEUとなった。
世界経済の回復が減速したことと、長栄海運(エバーグリーン・マリン)がシンガポールに残す一部を除き、積み替え貨物業務のすべてをマレーシア・ジョホール州のタンジュンプルパス港(PTP)に移管したことが影響した。
2000年に記録したピークの1,704万TEUにほぼ並び、2001年に8.9%も減少した貨物取扱量の大部分を回復したことになる。PTPを中心とした域内競争の激化を受け7月からは、コンテナ積み下ろし手数料を10%割り戻し、空コンテナ取扱料を半額にする措置も有効であった。ただ、取扱量は増加しているもののこれらの措置により、利益は増えていないとみられる。
《08 Jan 2003, The Straits times Singapore》
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