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日本の2大主要港への期待:ひびき港
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)が60%を出資し、北九州に建設中の「ひびきコンテナターミナル」が、日本の2大主要港の1つに指定される可能性が高まっている。国土交通省は日本の中枢港湾の絞り込み作業を行っており、その中で太平洋ルートでは東京湾、日本海ルートでは北九州となる可能性が高いというもの。
 ひびき港は、台頭する中国に対抗するとともに、将来的にアジア各国と日本の自由貿易協定が締結された場合、中心的な役割を担うとの期待が持たれている。
 同事業を担当する北九州市港湾局響灘整備推進室によると、PSAが参加する第1期事業には、防波堤や航路、泊地の建設などを含め約1,000億円が投入される。2004年3月までにオープンする予定。すべての工期が終了した後の最大収容能力は、300万TEUとなる。
《01 Apr 2002, The Business Times, Singapore》
 
PSA、2002のコンテナ取扱量1千7百万TEUと予想
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)のヨー・ニンホン会長は、昨年8.9%減少したシンガポール港での貨物取扱量が2002年は前年比9%増の約1,700万TEUに達すると予想しているとした。
 PSAは、マレーシア・ジョホール州のタンジュンプルパス港(PTP)など域内の港湾運営者との厳しい競争の渦中にある。2000年には、デンマークの海運大手マースク・シーランドがPTPへ移行、今年の8月に契約期限を迎えるエバーグリーン・マリン(長栄海運)のPTPへの移行も検討されている。
 ヨー会長はPSAの半値ともいわれる低価格のコンテナ取扱料が魅力とされているPTPと価格競争を行う意思がないことを明言、また船主、荷主重視の戦略をとると強調するとともに、中国から東南アジア、欧州への貨物のシンガポールでの取扱が最近顕著に増加していることを上げ、中国発貨物のマーケットチャンスを強調した。
《02 Apr 2002, The Straits Times, Singapore》
 
川崎汽船、PSAとの契約更新
 川崎汽船は、昨年末からシンガポール港湾公社(PSAコープ)と交渉を続けていたターミナル使用についての契約を更新することを明らかにした。契約は昨年末に期限がきたが、価格面での折り合いがつかず、交渉が難航しているとされていた。
 ただし、同社は、契約の年数や内容は明らかにできないとしているが、今回の更新期間は、通常の2〜3年ではなく1年となるもよう。
《05 Apr 2002, The Business Times, Singapore》
 
コンテナ取扱量の目標達成は可能
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)関係者は、今年のコンテナ取扱量目標は達成可能との強気見通しを明らかにした。ヨー・ニンホン会長は、今年は前年比9%増の1,700万TEUを目指すと先に表明したが、エバーグリーン・マリン(長栄海運)が積み替え拠点のPTP移管を正式決定したことで、計画に狂いが生じる恐れが出てきた。同社関係者は、これまでの実績は常に全世界の海上輸送コンテナ増加率(今年は4〜5%の予想)を上回っていること、本年9月の長栄海運移管までに長栄海運関係で80万トンの貨物扱いが見込めること等を挙げ、目標達成は可能とした。
《08 Apr 2002, The Business Times, Singapore》
 
首相発言で港湾港公社IPOの観測
 ゴー・チョクトン首相が先週末、シンガポール港湾公社(PSAコープ)の株式を主要海運会社に割り当てると発言したことがきっかけで、30億〜40億米ドル規模と目される大型の新規株式公開(IPO)が近いとの観測が出ている。
 海運会社にPSAに株式を割り当てることで、単なるPSAの利用者にとどまらず、パートナーとしての地位を与えることを検討しているとした。PSAが黒字を計上した場合、株主としての利益が得られる優位点も強調している。同社は2001年12月期決算で、前期比8.9%減益となったものの7億3,210万Sドルの黒字を計上している。
 一部の株式を海運会社に譲渡するにしても、30億〜40億米ドルと目される資金調達は上場を通して行われる可能性が高い。PSAは当初、昨年5月の上場を計画したが、その後の市況悪化により上場は無期限延期されている。PSAコープは上場時期について、同公社の全株式を保有する政府系投資会社テマセク・ホールディングスの意向次第としている。
《22 Apr 2002, The Business Times, Singapore》
 
PSA、海運会社の資本参加策の検討着手
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)は、海運会社からの資本参加を考慮すべきとするゴー・チョクトン首相の提案を受け、資本参加を実現するための方策検討に着手した。貨物ターミナルの運営を海運会社または海運会社とPSAコープとの合弁会社に委ねる、株式公開計画を復活させる等の案が検討されているもよう。
 シンガポール港では、タンジョンパガー、ケッペル、ブラニ、パシルパンジャンの各ターミナルにある計37基のバースはすべてPSAが運営している。現在、海運会社は顧客として料金を支払いPSAのサービスを利用しているが、ゴー首相の提案内容は・利用客である海運会社にPSAへの資本参加を認め、単なる顧客ではなく、共同経営者として位置付けることで、顧客流出を防ごうとする狙いがある。
 世界最大のコンテナ海運会社、デンマークのマースク・シーランドがシンガポールからタンジュンプルパス港(PTP)に積み替え拠点を移管したのも、専用ターミナルを自社運営できないとの不満が理由の1つとして挙げられている。
《23 Apr 2002, The Straits Times, Singapore》
 
PSAの新規株式公開(IPO)を当面棚上げ
 シンガポール政府系持ち株会社、テマセク・ホールディングスは、シンガポール港湾公社(PSAコープ)の新規株式公開(IPO)を当面棚上げにするとの声明を発表した。声明文は「近い将来に株式公開を行うことはない」という短いもので、株式公募を引き受け予定だった証券会社にも通知された。
 ゴー・チョクトン首相は先月、顧客を国内に繋ぎ止めるため、PSAコープの株式を主要海運会社に割り当てる構想を打ち出していたため、「PSAコープのIPOは近い」との観測が浮上していた。
 PSAコープは、マレーシア・ジョホール州のタンジョンプルパス港(PTP)との競争で、大口顧客のマースク・シーランドと長栄海運(エバーグリーン・マリン)を奪われるなど苦戦を強いられている。
《09 May 2002, The Business Times, Singapore》
 
COSCO、PTPへの移転ない
 海運大手の中国遠洋運輸集団(COSCO)は、積み替え作業の利便性を主な理由としてマレーシア・ジョホール州のタンジュンプルパス港(PTP)からの拠点移転の提案を拒否したことを明らかにした。
 同社のシンガポール法人である中遠投資シンガポールの幹部は、「顧客には迅速な積み替えが必要であり、シンガポールは充実した積み替え航路のネットワークを持っている。運営コストのみを重視することはない」とし、マレーシアヘの拠点移転はありえないと明言した。
《09 May 2002, The Straits Times, Singapore》
 
港湾業界支援に政府資金
 ヨー・チョウトン運輸相は国会で、港湾産業の発展を目的として、今後5年間に8,000万Sドルを拠出する計画を明らかにした。5,000万Sドルは港湾業界の労働者の研修費用、3,000万Sドルは海運業者のシンガポールでの運営費削減に充てられる。また、大手海運会社の拠点移転を阻止するため、特定海運会社専用のターミナル導入や海運会社に株式資本参加を促すなどのオプションを計画中とした。
 業界関係者によると、海運業者のシンガポールでの運営費削減は、海事港湾庁(MPA)が海運会社に補助金を支給のようなかたちで支援するものと予想している。
《14 May 2002, Shipping Times, Singapore》
 
第1四半期のコンテナ取扱量堅調
 海事港湾庁(MPA)は、第1四半期の海上コンテナ取扱量が前年同期比9.1%増の401万TEUと公表した。アジア域内、特に中国向け輸出の増加や、世界規模の貿易の回復が主因。
 通常貨物は同1.5%減の355万トン、石油貨物は15%増の3,025万トンとなった。
 シンガポールに寄港した75総トン以上の大型船舶は前年同月と比べ1,354隻減の3万4,537隻。船舶燃料売上量は、0.1%増の488万7,100トンとなった。
《17 May 2002, Shipping Times, Singapore》
 
PSAコープ貨物情報をリアルタイムで提供
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)は、貨物情報をリアルタイムで提供する情報技術(IT)サービスを今年第3四半期までに開始する計画。
 PSAコープは昨年5月より、自社ネットワークを米国のシアトル港や中国、イタリアに提供してきたが、今回導入されるシステム「ポートネット・ドットコム」は、海運会社や貨物取扱業者、税関、港湾管轄当局を結び、すべての情報を電子化することで、従来の紙による書類発送などの手間を軽減することができるとしている。
 現在、600万件/月のデータ処理を行っている。同社は、将来的には携帯電話での表示サービスやショート・メッセージ・サービス(SMS)による取引を可能にしたいとしている。
《03 Jun 2002, The Business Times, Singapore》
 
エバーグリーン、PTP移管後も2割の貨物をシンガポールで処理
 マレーシア・ジョホールタンジョンプルパス港(PTP)への拠点移動を決めた台湾のエバーグリーン・マリン(長栄海運)は、貨物量の約2割はシンガポールに残すことを明らかにした。同社の取扱量は推定で年間120万TEU。
 同社の広報担当者によると、アジア・豪州間などで他の海運業者と共同運航サービスを提供しているため、約2割の貨物はシンガポールで扱うことになるとした。
 同社は特別チームを設置し、シンガポール港湾公社(PSAコープ)との契約が切れる8月末を考慮し、8月第3週をめどにPTPに拠点を移管する計画。
《08 Jun 2002, The Straits Times, Singapore》
 
北九州ひびきコンテナ湾運営権取得交渉、最終段階へ
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)と北九州市当局と企業連合との北九州のひびきコンテナターミナルの運営権取得に向けた交渉が、最終段階に入っている。
 コックルーン副社長によると、価格面での折衝が難航し、当初予定より協議に時間がかかっているとのこと。PSAコープはひびきコンテナターミナルの運営会社TOCの株式を60%取得し、残りの30%を企業連合、10%を北九州市がそれぞれ取得する予定。ひびきコンテナターミナルは日本初の24時間運営港湾となる予定。
《21 Jun 2002, The Straits Times, Singapore》
 
PSAコープ、国内でのコンテナ移送手続き簡素化
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)のターミナルとジュロン港の間で移送されるコンテナの書類手続きが簡素化された。
 船会社はコンテナ数、船舶名、航海番号、積み荷港、荷下ろし港、出発港、最終目的港、参照番号等必要最低限の情報を届けることとなった。
 来年初頭にはPSAコープ、ジュロン・ポート、関税局の3者が、国内の移送に限り税関許可申請を廃止する見通しであり、今回の書類手続き簡素化は、同申請廃止をにらんだ措置とみられる。
《24 Jun 2002, Shipping Times, Singapore》
 
PSAコープ、港湾利用料金値下げの用意あり
 シンガポール港湾公社(PSAコープ)のン・チーキョン・グループ社長は、激化する競争を勝ち抜くため、減益覚悟で荷役料金など港湾利用料金を引き下げる用意があると表明した。PSAは従来、料金値下げ競争はせず、サービスの質を強調する戦略をとってきたが、マースク・シーランドに続き、エバーグリーン・マリン(長栄海運)がコスト高を理由にマレーシナ・ジョホール州のタンジュンプルパス港(PTP)に貨物積み替え拠点を移転したことから、戦略の抜本的見直しを迫られていた。
 同時にPSAは、従来の方針を見直し、バースを専用にするに見合うだけの貨物量がある海運業者を対象に、専用バースの提供を検討しており、現在複数の顧客と協議を持っている模様。
《28 Jun 2002, The Straits Times, The Business Times, Singapore》
 
港湾運営はの第3の事業者の参入歓迎:ゴー首相
 ゴー・チョクトン首相は28日、シンガポール港湾公社(PSAコープ)のコンテナ事業開始30周年記念式典の席で、PSA、ジュロン・ポートに続く第3の港湾事業者の参入を歓迎するとした。
 国内の港湾運営者はタンジュンプルパス港等との厳しい顧客獲得競争にさられているが、その対応策としてゴー首相は国内の港湾運営者は、顧客に幅広い選択肢を与えるべきと指摘し、現在、PSAとジュロン・ポート2社のみとする国内港湾運営業者について、自社運営を希望する業者の参入を歓迎すると述べた。
 これまでは、港湾施設の有効活用の観点から、港湾事業者は2社に限られていた。
 ゴー首相はまた、海運業者による自社専用バースの設置やPSAやジュロン・ポートと提携してバースを運営することも前向きに受け入れたいとの見解を示した。さらに同首相は過去の成功にとらわれ旧来のビジネスモデルを将来も使い続けることは出来ず、シンガポールは陸運・海運・空輸を含めた総合物流拠点を目指さなければならないとした。
《29-30 Jun 2002, The Business Times WEEKEND, Singapore》







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