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6−2−4. 政府直轄海洋研究所
 
6−2−4−1. 環境・漁業・養殖科学センター(CEFAS)
 
英語名称 Centre for Environment Fisheries and Aquaculture Science
組織略称 CEFAS
組織形態 DEFRAのエージェンシー
人員数 550人以上
所在地 Lowesoft
Burnham
Weymouth(以上3ヶ所研究所)
Whitehaven
設立年 1997年(前身である研究所は1902年設立)
予算規模 2001/2002年総売上高は3千万ポンド以上。
売上高のうち2千3百万ポンド以上がDEFRAからのものである。
目的 漁業管理、環境保護に関する科学的調査研究とアドバイス。
  DEFRAを初めとする下記活動に従事する顧客に対し、高品質な科学的サポートを提供すること。
●水環境(aquatic environment)の保全と促進
●水環境自然資源の合理的管理奨励
●水汚染物質(aquatic contaminants)からの公衆保護
顧客にはDEFRAの他、UK政府機関や他国の省庁、EC、産業界、規制機関、施行機関、地方自治体などが含まれる。
管轄/活動概要 (1)漁場の管理と保全、海洋と淡水生態系保全に関するアセスメントとアドバイス
(2)栄養分、放射性核種、化学物質、その他の汚染物質の環境モニタリングとアセスメント
(3)養殖、魚類と貝類の病気制御と衛生に関するアドバイス
(4)事故、緊急事態対応サービス
(5)上記各サービスのサポートにおけるリサーチとプロジェクト管理
また、CEFASの一部にFHI(Fish Health Inspectorate)があり、魚貝類の病気発生と拡散の防止を目的として、イングランドではDEFRA、ウェールズではウェールズ政府農業省(NAWAS:National Assembly for Wales Agricultural Department)の代理としてイングランドとウェールズの全域をカバーしている。
最近の活動成果例 (1)Biological Effects Quality Assurancein Monitoring Programme(BEQUALM)
ICESの汚染物質による生物学的影響ワーキンググループにて設立のアイデアが出された。1997年終わりに欧州委員会の標準・計測・テスト(SMT)プログラムに予算申請が為され、1998年1月にBEQUALMの3年間プロジェクトが発足した。プロジェクトはCentral Steering Group によって運営され、Central Steering GroupにはUK、ドイツ、ノルウェー、スウェーデンの海洋関係研究所が参加している。UKからは、CEFASの他に、FRS海洋研究所、NERCプリマス海洋研究所が参加している。
(2)Building,Assessing and Standardising Information on the Atlantic Coasts(BASIC)
EUの、地域間(trans−regional)科学的協力体制確立のためのINTERREGプログラムによって助成金を受けている。大西洋環状水域の水質と、水質が沿岸活動に与える影響のアセスメントを扱うための共通方法論とツールの研究を行っている。パートナーはアイルランド、UK、フランスから参加している。テストサイトはこの3カ国から一箇所ずつ選択された。5km四方の2次元メッシュモデルが作成され、水深、潮流、バクテリア発生状況のモデル化が為された。また、水質アセスメントに必要な地理的情報が特定され、特定トピック(貝類飼育棚など)に関するデータも含めてデータベース化された。水質指標(indicator)を作成するための方法論が確立され、フランスのテストサイトで実験が行われた。
(3)Assessing the potential impacts of disposal of dredged material on candidateSACs(cSAC Review Series)
CEFASは、2000年から2002年にかけて、イングランドとウェールズ沿岸の複数のSAC候補サイトまたは隣接地域における俊渫物質堆積の影響アセスメントプロジェクトをDEFRAからの資金を得て実施した。
 
6−2−4−2. 漁業リサーチサービス(FRS)
 
英語名称 Fisheries Research Service
組織略称 FRS
組織形態 スコットランド政府環境・農村省(SEERAD)のエージェンシー
人員数 300人強
所在地 HQはスコットランドのAberdeen。
海洋研究所はAberdeenに、淡水研究所はPitlochryに所在。
設立年 1997年
予算規模 SEERADから交付金を受けている。
2002年3月末会計で、総オペレーティングコストは1千9百万ポンド強。
EUなど、SEERAD以外のサードパーティからの収入は4百万ポンド強なので、スコットランド政府からの交付金は1千5百万ポンド程度と推測される。
目的 スコットランドの漁業、養殖、水環境に関するリサーチのセンター。
SEERADを始めとする顧客に以下のサービスを提供。
●科学的なアドバイスと情報の提供
●リサーチ、モニタリング、サーベイランス
●規制実施や強制執行
●国内及び国際ミーティングにおけるスコットランド政府(Scottish Executive)代理
SEERAD以外の顧客は、EU(予算費6.7%)、Food Standard Agency(5.6%)、その他の政府の省(2.1%)、その他パブリック&プライベートセクター(5.5%)となっている。
管轄/活動概要 5つの活動プログラム別に上記目的のための活動を行っている。
(1)海洋漁業管理
(2)海洋生態系
(3)水環境
(4)養殖と水棲動物の健康
(5)淡水研究
最近の活動成果例 (1)タラ産卵保護のための、EU北海禁漁区(North Sea closed area)設立緊急対策(emergency measures)において、タラや他魚種の分布などの情報を提供。EU及びノルウェーに対してタラ資源回復方策のアドバイスを行った。
(2)OSPAR条約義務として、条約締結国は都市、養殖、農業からの廃水による栄養分が沿岸と大陸棚水域の水質に及ぼす影響のアセスメントを行う必要がある。このアセスメントのため、European Regional Seas Ecosystem Model(ERSEM)の共同開発に参加。
(3)地域的海洋間での有害植物プランクトン移動にバラスト水がどの程度寄与しているのか、実地調査。







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