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5−1−4. 港湾の持続可能な開発
 港湾運営者は、行政府発行の「現代の港湾一英国政策(Modern Ports A UK Policy)に規定された持続可能な開発に挑戦せねばならない。UKの政策立案責任はスコットランド代表部やウエールズ議会及び北アイルランド議会に「権限委譲」されている。地方自治体は地方情勢を反映した持続的開発の政策を策定する機会を得た。多くの港湾は河口に位置しているか、指定された野生生物サイトに近接していることから、自然保護と新港湾開発の必要性の間でバランスをとらなくてはならない。
 
 持続可能な開発政策は、「新規開発を管理する手段であり、それを止めてしまう規則」ではない。敏感な場所(サイト)、たとえば国際的または国内的に認められ保護されるべきものは英国の海岸線の敏感性を反映し、制約的管理に従わなくてはならない。そのようなサイトヘの適切な安全措置としては、生態系ベースのアプローチや新規開発を認可するための手続きを含む規則の策定が、何より重要である。
 
 「港湾業務安全コード(Port Marine Safety Code)」のなかで、UKは優先的に開発管理手法の中で港湾運営者のための指針も策定した。
 
5−1−4−1. 港湾廃棄物受入施設
 港湾の開発の中で、廃棄物受入施設は、海へ廃棄物を投棄する船舶に対し、実務的にも財政的にも誘因を取り除くことにより海洋環境保護を向上しうる。UKは、受入施設を使用することで当該船舶に大幅な遅れが発生することの無いような適切な廃棄物受入施設の配備にかかわるMARPOL条約の要件遵守を強く支持している。
 
 UKは、1998年1月に漁船とプレジャーボートを含む全船舶にバースを提供するよう国内法を導入した。港湾管理者はユーザーと協議の上、廃棄物受入施設の準備計画の作成を要求されている。また如何なる配置変更があっても港湾の受入施設の使用が妨げられることはあってはならない。
 
 2001年末までに英国MCAは、641件の「港湾廃棄物管理計画」の承認を行った。英国はEC横断的な港湾廃棄物受入施設制度を確立するため「EC指令」の策定交渉において積極的役割を担った。2000年9月にそれは採択され、2002年12月に発効する。
 
5−2. 今後の行動計画
●MSRではUK政府の今後の活動方針・計画が以下のように述べられている。船舶は港湾でも海上に於いても現在きびしい管理に置かれているが、非防護シングルハルタンカーの世界的禁止のような厳しい制約が更なる海洋環境保護のために今後導入される。
 
●船舶から汚染の防止、管理、軽減のための国際的に合意された規律に従わない犯罪者の大半は、訴追されるようになってきた。UKは訴追をより確保たるものとするため北海各国間の捜査・起訴機関のネットワーク創りを行う。ボン合意の締約国と共同作業を行うとともに、海運の環境影響に関する2006年の北海大臣級会議において積極的役割を担う。
 
●MEHRAs(海洋環境高リスク海域)は船舶起因の汚染事故で高いリスクを呈する特に敏感な海域と沿岸域であり、他の海域に対する措置に加え、追加防護を与える。
 
●規制システムをより簡素化するとともに海洋環境を保護する観点から見直しを行う。関係者(環境団体等)はこの見直し作業とは一体不可分である。究極の手段は、現代的で透明性があり、効率的かつ効果的な沿岸海洋開発システムを通じた持続可能な開発を創出することにある。







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