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8−1−4 CO2改質触媒炭素析出抑制検討
 CO2改質触媒についてNi担持量とCH4転化率及び炭素析出量の関係を把握し、炭素析出を抑制できる触媒組成の検討を行った。その結果を図8−14、8−15に示す。
 
図8−14 CO2改質触媒におけるNi担持量とCH4転化率及び炭素析出量の関係
C析出量は、C析出量[g]/触媒重量[g]×100で定義
 
図8−15 炭素抑制型触媒(A−10)のSV及び温度変化試験結果
 
図8−16 炭素抑制型触媒(A−10)及びH2O改質触媒のSV依存性
 
 この結果より、炭素析出に関してはNi担持量を低減することで抑制することができ、また転化率はNiとRuの複合化により向上するが、わずかにNi金属が存在すれば活性は向上する。SOF委託研究目標に対しては、図8−16の外挿値より、SVを約3200h−1に設定すれば開発したCO2及びH2O及び改質触媒を組み合わせてtotal(CO2+H2O)転化率:80%を達成できると考えられる。よって、Ni担持量を10→1wt%に低減した下記A−10触媒組成がCO2改質触媒組成としては適正であると考えられる。
A−10:1wt%Ni−3wt%Ru−3wt%MgO−10wt%CeO2/Al2O3
 
8−1−5 触媒エージング試験
 CO2改質触媒及びH2O改質触媒の性能安定性を把握するため、約80時間のエージング試験を行った。
 
(1)供試触媒
・CO2 改質触媒
A−10触媒:1wt%Ni−3wt%Ru−3wt%MgO−10wt%CeO2−Al2O3
・H2O 改質触媒
A−7触媒:5wt%Ru−3wt%MgO−10wt%CeO2Al2O3
 
(2)測定項目
・CH4転化率(1日朝、夜の2回)→エージング試験条件のまま出口ガスをサンプリング
・サンプル重量(約80時間の試験後)
 
(3)エージング試験結果及び考察
A. CO2改質試験結果
 図8−17にH2O改質のCH4転化率の経時変化を示す。CO2改質条件では若干の性能変動が見られたことから、わずかではあるがカーボンが析出していると考えられる。従って、本触媒については長期的な耐久性を確認する必要があるが、再生により対応できると考えられる。
 
図8−17 CO2改質におけるCH4転化率経時変化
 
B. H2O改質試験結果
 図8−18にH2O改質のCH4転化率の経時変化を示す。H2O改質条件では約80時間の試験を行ったが、活性に変化はなく、安定であることが確認された。
 
図8−18 H2O改質におけるCH4転化率経時変化







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