7−3−2. 高温ガス作成装置の図面検討について
図7−4に新しい構造の多孔質金属型熱交換器(1/10スケールモデル)の評価実験装置の概略図を示す。
(1) 実験装置の説明
a. 熱交換器(図中A)のガス通路(図中a)について
熱交換器の高温ガスの製造は、バーナ燃焼によって得ることが温度制御上良いので、熱交換器のガス入口の上流側に、ガスバーナ(図中B)を設置する。ガスバーナから得るガス温度と流量を自由に制御するため、バーナからの流量の測定をガス流量計(図中B')で行う。
設計目標値であるガス流量(風量)0.017kg/sを得るために、遠心式送風機(図中D)を設置し、必要な流量を送り込む。送風機の風量の測定を空気流量計(図中D')で行う。上記に示したバ−ナでは、従来の経験で時々吹き消えが発生するので、火炎が送風機によって吹き消されないよう配慮し、バーナ側と送風機側を2系列に分岐した。
ガス入口温度350〜500℃の制御を微細に行うため、熱交換器のガス入口の上流側に多孔質ヒーター(図中C)を設け、下流側の温度計にて設定目標値範囲内になるように調整を行う。
熱交換器の高温ガスの流量測定を実施し、その値が正確に得られるようにするため、排ガス流量計(図中C')を設置する。
熱交換器のガス通路圧力損失を測定するため、圧力計を熱交換器のガス入口、出口に設ける。
熱交換器の熱交換量の測定をガス通路前後のガス温度測定で行うため、温度計を熱交換器のガス入口、出口に設ける。
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図7−4 熱交換器試験装置概略図
b. 熱交換器(図中A)の液体通路(図中b)について
本プロジェクトにおける熱交換器の性能は、排気ガスと水蒸気の気液交換を評価する事にあるため、熱交換器の液体入口に高圧、飽和水を送り込むために、上流側に水ポンプ(図中E)を設置する。飽和水は約100℃の高温、高圧であるため、加熱ヒーターと共に高圧水ポンプを設置する必要がある。実験装置としては温度と共に水の流量の測定に水流量計(図中E')を設置する。
熱交換器の液体通路の圧力損失を測定するためには、熱交換器の液体入口、出口に圧力計を設けて圧力測定する。
熱交換器の液体通路の温度差を測定するために、温度計を熱交換器の液体入口、出口に設ける。
(2) 熱交換器の測定項目
実験装置による熱交換器の測定項目を表7−4に示す。
表7−4 熱交換器測定項目
使用流体 |
測定項目 |
排気ガス(都市ガスバ−ナを用い燃焼させる。) |
熱交換器入口ガス流量 |
熱交換器入口ガス温度 |
熱交換器入口ガス圧力 |
熱交換器出口ガス温度 |
熱交換器出口ガス圧力 |
液体(水) |
熱交換器入口液体流量 |
熱交換器入口液体温度 |
熱交換器入口液体圧力 |
熱交換器出口蒸気温度 |
熱交換器出口蒸気圧力 |
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(3) 選定機器
実験装置の使用機器の選定について以下に述べる。
送風機は、熱交換器のガス通路抵抗3mmHgと通路抵抗を5mmHgと推算し、遠心式電動ブロアーもしくはターボブロアーを選定し、流量測定は気体用渦流量計を採用する。また流量制御は、流量を変えても静圧の変動が小さいダンパー制御方法を用いる。
一般的に用いられている油バーナの燃焼方式ではノズル噴霧を行うため、熱量が4.2〜6kwと少なく、空気比の設定によっては黒煙が排出されるので気体燃料を使用し、流量コントロールのし易い天然ガスを用い、市販されている送風機一体押し込み型のガンタイプガスバーナを採用する。熱量の少ない流量測定であるので、熱線式質量流量計を採用する。
熱交換器ガス入口の流量を測定する排ガス流量計は、測定点の温度が500℃以上になると予測されるので、1000℃まで測定できるピトー管式流量計を採用する。
水ポンプは、熱交換器の液体通路抵抗15mmHgと配管抵抗があるので、高圧力が得られる陸上ポンプの渦巻インラインポンプ、もしくはギアポンプ、電磁ポンプを採用する。また流量制御装置として、陸上ポンプの場合はインバータ制御(周波数制御)し、電磁ポンプの場合は圧力制御方法を用いる。その時の流量測定は、容量形式流量計、液体用渦流量計、もしくは電磁式流量センサを採用する。
配管及び継ぎ手は、配管内の温度がバーナの燃焼排ガス又は水蒸気によって高温になるため、ステンレス鋼管SUS304−TPを採用する。
また、配管には燃焼排ガス温度及び熱量が放出するのを出来るだけ防ぐために、保温材としてグラスウール、もしくは熱伝導の非常に小さいポリスチレンフォームを使用したパイプカバーを採用する。
熱交換器評価確認実験装置の機器一覧を表7−5に示す。
表7−5 熱交換器評価確認実験装置検討一覧表
機器名称 |
実験使用範囲、方法 |
メーカー |
種類または型式 |
送風機 |
流量0.017kg/s以上、静圧(締め切り圧)3mmHg以上を検討 |
フルタ電機 |
電動ブロアー(BTシリーズ) |
淀川電機 |
ターボ型電動ブロアー(BNシリーズ) |
空気量制御 |
ダンパー制御 |
ホダカ |
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インバータ制御 |
オムロン |
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空気流量計 |
流量0.017kg/s以上、温度0℃〜60℃での流量測定が可能なもの検討 |
オーバル |
渦流量計(EXデルタ) |
流量演算器
(温度補正) |
空気流量計範囲に適したもの |
オーバル |
気体用(EL4120) |
バーナ
(送風機一体型) |
燃料13A 入力4.2〜9.3kwの範囲で検討 |
日精オーバル |
ガンタイプガスバーナ |
バーナ制御盤 |
バーナ燃焼コントロール(燃焼量調整) |
日精オーバル |
燃焼装置一式 |
ガス流量計 |
燃料13A 熱量4.2〜9.3kwの流量範囲の測定が可能なもの検討 |
オーバル |
熱式質量流量計(マスフロメータF−100) |
流量演算器
(温度補正) |
ガス流量計に適したもの |
オーバル |
気体用(EL4000) |
排ガス流量計 |
流量0.017kg/s、温度300℃〜500℃ 流速1m/s〜2m/s、管路径φ60〜φ90の範囲で検討 |
岡野製作所 |
ピトー管式流量計(ガード付ウエスタン型流速流量計) ピトーフローメータ |
燃料 |
13Aボンベ |
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水ポンプ |
流量201/min〜10001/minの範囲の測定が可能なもの検討 |
ツルミ |
陸上ポンプ清水用(立形多段渦巻インラインポンプ) |
テラダ |
陸上ポンプ自給式 |
日本コントロール工業 |
電磁ポンプ |
水ポンプ流量制御装置 |
周波数制御で流量コントロール |
ツルミ |
陸上ポンプ制御装置一式 |
圧力制御で流量コントロール |
日本コントロール工業 |
電磁ポンプ |
水流量計 |
流量0.7L/h〜12m3/hの範囲の測定が可能なもの検討 |
オーバル |
過流量計 |
オーバル |
容量形式流量計(39形〜45形) |
キーエンス |
電磁式流量センサ |
水ストレーナ |
使用流量計にあわせる |
オーバル |
200メッシュ検討 |
流量演算器
(温度補正) |
水流量計範囲に適したもの |
オーバル |
液体用(EL4000) |
水タンク |
90L用液体(水)タンク |
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熱交換器液体出口圧力計
(蒸気の圧力測定用) |
圧力−80〜3000KPaの圧力範囲の測定が可能なもの検討 |
横河電機 |
圧力センサ |
長野計器 |
圧力センサ |
長野計器 |
密閉型圧力計(ブルドン管) |
熱交換器ガス入出口の温度計 |
温度0〜500℃の温度範囲の測定が可能なもの検討 |
キーエンス |
小型温度センサ |
熱交換器ガス入出口の圧力計 |
圧力−80〜300KPaの圧力範囲の測定が可能なもの検討 |
キーエンス |
小型圧力センサ |
熱交換器液体入出口の温度計 |
温度0〜500℃の温度範囲の測定が可能なもの検討 |
キーエンス |
小型温度センサ |
熱交換器液体入口の圧力計 |
圧力0〜1MPaの圧力範囲の測定が可能なもの検討 |
キーエンス |
小型圧力センサ |
配管及び継ぎ手 |
配管用ステンレス鋼管(SUS304−TP)1/2B〜3B |
厚木バルブ |
JIS規格品 |
配管及び継ぎ手保温材
(断熱材) |
配管用ステンレス鋼管の保温(パイプカバー、マグパイプカバー) |
関東ロックウール |
ポリスチレンフォーム、グラスウール |
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