6−9.改質装置の熱エネルギーの流れ
改質装置での熱の流れを詳細に検討し、その構造を以下の如く検討した。(図6−6)排気タービンから750℃、775kgの排気ガスが改質装置の上流に配置したCO2吸着器に先ず流入すると、CO2吸着装置とCO2を加熱するために15kWのエネルギーを要し、改質器には155kW、排気ガス温度690℃の排気ガスが流入する。ガス側は700℃のCO2:57kg、300℃のCH4:25.56kgが流入する。
改質装置を十分に機能させるためには、CO2の改質反応が最も盛んな600℃以上にするために、改質器入口温度を750℃にする必要がある。このため、排気ガスの熱エネルギーを改質装置に振り向けるために、排気ガスタービンの仕事を減らすことを検討した。排気タービン入口圧力を0.35MPaとし、排気タービン出口以降の損失を大きくし、排気タービン出口圧力を0.14MPaにすると排気出口温度は800℃となり、CO2吸着装置入口温度が50℃上昇、CO2吸着装置出口温度は750℃となり、燃料改質装置入口温度は750℃近くになる。
しかし、この計算では、ネガティブな検討をする事とし、初期条件である排ガス温度750℃とし検討を進めると改質装置には、700℃に加熱されたCO2:57kg(11kW)と300℃程度に加熱されたCNGが導入される。
排気ガス流入通路では、690℃程の排気ガスが流入し、CO2改質触媒器にて熱交換する。
CO2改質装置では、CNG総量の約50%が改質されると(上流に改質装置に供給される全量の67%が導入されるとするとその80%以上が改質される必要がある)、CNG:1 モルに対し、必要な改質エネルギーは、59760kcalであるので50%改質熱量は次の様になる。
又、メタンは300℃で流入するので、700℃に加熱されるために約6.5kWのエネルギーを必要とするがCO2が11kWの熱を持ち込むので改質後では104kWとなり、530℃のCO、H2がそれぞれ1.6モル、未改質の温度530℃のCNG:0.8モル存在し、H2O改質触媒器に流入する。排気ガス側では改質により熱が吸収され、約470℃の排気ガスがH2O改質器の入口に存在し、吸熱反応で温度低下する。H2O改質器側では、CO2改質で残った0.8モルのCNGが改質器に入り、約65%が改質される。
熱量について計算すると、CH4とH2Oとの改質熱、H2Oが300℃から400℃になる熱、CO2が持ち込む熱、CH4が持ち込む熱がそれぞれ30.2kW、2.5kW、−4.5kW、−1.5kW(マイナス記号は持ち込み熱)となり、H2O改質器で26.7kWの熱が消費され、水蒸気熱交換器側に89kWが供給される。
CO2吸着器では、吸着装置の加熱に必要な熱が15kWであるが、これは吸着作用の時に排気ガスに与えられるので、89kWの熱が水蒸気熱交換器に流入する。
以上の状態を図に示すと図6−6の様になる。
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図6−6 改質装置の熱の流れ
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