日本財団 図書館


さわやか福祉財団の組織と会議とは・・・
財団運営グループ
 
 さわやか福祉財団は、ピラミッド型の組識ではなくネットワーク型組織で部課長制度はありません。事業別チームがあり各チームにリーダーがいるだけです。理事長も事務局長も財団内では堀田さん、竹下さんと呼び、理事長、事務局長と呼んでも返事をしないことにしています。
 物事はみんなで決めます。稟議書や伺い書の類の書類はありません。そこで、財団ではどのように案件を決定していくかを記します。
 まず「戦略会議」があります。これは月1度、月初に堀田さんはじめ職員全員の出席で、上程された案件次第では朝10時から夕方5時まで終日行われます。各チームが抱えている問題、新規案件を出し徹底討論をして決定します。堀田さんも自分で考えていることを出し討論に委ねます。次に「定例会議」、これも全員出席で毎週金曜日午前中10時〜12時に行われます。各チームの活動報告、案件の討議を行います。短時間に大勢発言しますので公平を期すため、長い発言にはイエローカードならぬ黄旗が上がり警告されます。
 この他、チームリーダーのみの「リーダー会議」、リーダーを除いた「ノンリーダー会議」が随時開催され腹蔵のない意見交換が行われ、決定していきます。これが、職員の半分をボランティアが占め、その他も決して十分とはいえない給料の職員の財団が、活気を持っている理由かもしれません。(平山 熊三郎)
 
 
12月6目(金)の定例会議から
(上)10時からスタートした会議の冒頭、「ボランティア・ベンダー協会」の皆様が来団され、寄付金を贈呈いただきました。ありがとうございました!(下)この日はテレビ局の取材クルーが入るというおまけ付き。こうしたことは時々あり、スタッフは馴れたもの(?)で、各グループがOHPなどを利用しながら順番に発言(写真は社会参加システム推進グループ発表時)
 
Monthly Report
さわやか活動日記(抄)
〈2002年10月1日〜10月31日〉
 
エドガー・カーン氏来日
時間通貨フォーラムを開催
地域たすけあい研修会 熊本・帯広・徳島
組織づくり支援グループ
 
【10月3日】
 長野市・メルパルク長野において、フォローアップ研修(ふれあい活動実践研修)を開催した。実際の団体設立に向けてそれぞれ個別の課題を持った参加者4名に対し、講師としてたすけあい伊奈の永末氏、NPO法人ケアハンズの中村氏、びすけっとの福沢氏が活動を通してのアドバイスを実施。参加者からも「日々の活動から離れ、じっくり話す時間が有意義だった」との感想があった。
 引き続いて午後からは時間通貨ワークショップ in 長野を開催。さわやかパートナー、2月に開催した地域協同のフォーラムにかかわってくださった関係者地域通貨に関心をお持ちの皆様などの参加をいただき、助けられ上手・助け上手体験ゲームを中心に展開。地域通貨への関心が高まっている長野県内においても、時間通貨がさらに広がっていってほしいものである。
(木原・三輸)
【10月5日】
 熊本市の熊本市民会館で、「地域たすけあい研修会 in 熊本」を開催。県内各地から52名の参加があった。午前は、熊本県高齢保健福祉課介護保険室長の岩田宣行氏が挨拶を兼ね、熊本県の介護保険の状況について熊本県を人口千人の村にたとえて説明された。
 次に、NPO法人たすけあい佐賀の西田京子氏が「高齢者生活支援と子育て支援」と題して講演を行った。産後の子育て支援や24時間対応の宅老所などの実践が参加者の共感を呼んだ。
 午後は「ふれあいボランティア団体の新設、運営」「近隣たすけあいと時間通貨」「サポート(高齢、障害、子育て)を受ける人のために」の3分科会に分かれ、グループディスカッションを行った。時間通貨の分科会では「助けられ上手・助け上手体験ゲーム」も行い、和気あいあいとした雰囲気で時間通貨についての知識を深めた。
 「これから団体を立ち上げてみたい」といった声も聞かれ、また1月23日に開催される地域協同推進シンポジウムにもつながる有意義な研修会であった。
(丹・坪井)
【10月5日】
 北海道帯広市で「地域たすけあい研修会 in 帯広」を開催。67名の参加があった。午前中は、北海道十勝支庁主幹の齊藤俊夫氏が「地域福祉計画の策定に向けて」と題し住民参加の重要性を、NPO法人たすけあい遠州代表の稲葉ゆり子氏が「近隣たすけあい活動実践報告」と題し心の通ったたすけあいの大切さを説いた。
午後の分科会は、たすけあい活動の仲間づくり、組織づくり、地域通貨の3つ。メンバーの集め方についての質問、ご自身の活動内容など、参加者からたくさんの発言をいただいた。
(齋藤・仁平)
【10月12日】
 徳島市で地域たすけあい研修会を行った。
 「たくさんのたくさんの成果物がありました」と担当インストラクターの麻野信子さん(NPO法人さわやか徳島)からメールをいただく。この研修を地域の協働・共助として位置づけ、社協、JA、NPOが共につくり実施した研修会となった。
 参加者81名。動員を避けたことが、多くの団体を立ち上げたい方、時間通貨を始めたい方などの参加に結び付いた。協働・共助の結果、強いネットワークができ、また、医療、保健、行政、企業などの参加によりネットワークも広がった。
 また、さわやか徳島や三野町社協、山びこへるぷ等からの研修運営費の参加もいただいた。12月には熱の冷めないうちに三野町社協とともにフォローアップをしてくれるとのこと。「新しい徳島に生まれ変わるかもしれません」と麻野さん。とても楽しみである。
(鶴山)
【10月19日】
 東京・四谷、主婦会館(プラザエフ)において、住友生命社会福祉事業団の協賛による時間通貨フォーラムを、参加者約140名を迎えて開催した。
 基調講演として、ふれあい・支え合いのきっかけづくりと題し堀田理事長が講演した後、事例発表として、“時間”を基準とする米国・タイムダラーの創始者であるエドガー・カーン博士から「時間通貨」の可能性について、NPO法人タイムダラー・ネットワーク・ジャパン代表理事ヘロン久保田雅子氏からは、タイムダラーの日本における普及、NPO法人ニッポン・アクティブライフ・クラブ常務理事田邉榮一郎氏からは、日々の活動を通した助け合いを軸にお話しいただいた。
 最後は、対談としてエドガー・カーン氏と堀田理事長が、地域通貨の考え方を語り合った。
 また終了後に個別相談を開いたところ8件ほど問い合わせがあり、近日、地域通貨の学習会を地元で予定しているなど、情報交換の場として参加者同士の話もはずんでいた(当日の対談、事例発表等は2月号で詳しくご紹介します)。
(木原)
【10月26日】
 福島市の御山地区において、インストラクターの須田さんを中心とした御山地区ふれあい活動設立準備委員会の呼びかけで集まった地域の方々を対象に、時間通貨出前研修会を実施した。
 参加者は16名。みんな、地域を何とか良くしたいという人たちばかりで熱心な研修会になった。時間通貨の目的、仕組み及びビデオによる事例紹介を行った後、「助けられ上手・助け上手体験ゲーム」行った。
 その後の意見交換会では、世代を超えた交流のツールに使いたいなどの意見や地域の学校なども巻き込みたいという意見もあった。
 今後も継続して勉強会を行うということであり、地域通貨を使って御山地区が元気になることを期待したい。
(北村)
 
北海道石川県を訪問
自治体プロジェクト
 
【10月9日】
 北海道庁構造改革課では北海道NPOバンクの設立、コミュニティービジネス支援事業を展開し始めた。横断的若手職員とNPOが企画した滞在型バリアフリーエコツーリズムは、自然・障害者・官民協働とNPO自体のネットワークを生み出している。
【10月21日】
 石川県商工労働部はコミュニティービジネス支援事業、県民交流課はNPO協働推進モデル事業、金沢市市民参画課は「ゆめまちづくり」公募と、積極的に市民企画参加のまちづくりを支援している。
 NPO法人さわやかいいね金沢は、県と地域サロン保育と図書館、市とボランティア養成塾を行う。自治体の若手職員が、志を持った人・団体を支援している。
(和久井)
 
熊本 フォーラムに向けて準備会スタート
地域協同推進プロジェクト
 
【10月5日】
 熊本市。来る1月23日、県立劇場で開催予定の「地域協同推進フォーラム・熊本」の第1回準備会。メンバーは、1999年5月、東京のJAホールで初めての地域協同推進シンポジウムを開催した時、体験に基づく素晴らしい事例を報告された水俣市社会福祉協議会コーディネーターの田代久子さんほか、県、県社協、生協、NPO、草の根など幅広い分野から地域のネットワークづくりに意欲的な方が10名余り。東京版の第1回から数えると、地域協同を訴えるシンポジウムも熊本版で8回目。今回は潮谷知事と堀田理事長のトークが新しい試みで、熊本から全国へ、「地域協同」を発信することとなる。
(丹)
【10月8日】
 神戸市。11月18日開催の「こうべ地域協同推進フォーラム」に向けた第2回実行委員会。
 今回の特徴は、介護保険枠外のサービス団体のみならず介護保険事業者も加えての開催となることと、より具体的なサービスでの連携を目指して対象地域を神戸市内とすること。委員会メンバーからフォーラムで報告予定の事例について具体的な説明が行われた。
 NPO・草の根団体、社協、生協、JAなどの委員会メンバーの皆さんにとって、これまであまり聞くことのなかった介護保険事業者から見た枠外サービス団体ヘの意見や考え方が非常に有意義だったとのこと。神戸地域に存在する「地域の力」の縮図のようなメンバーからの、より実践的な地域協同事例の報告が期待できる実行委員会となった。
(丹・三輪)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION