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活動日記
 
 財団のスタッフ数は12月現在、59名です。必要に応じて「スタッフリスト」を作成・配布していますが、ここで悩みどころなのが1スタッフが必ずしも1グループの事業だけをやっている訳ではないということです。人によっては、2つ、3つ、と事業グループが重なり、所属グループの書き方にひと苦労ということもたびたび。言い換えれば、それが財団組織の柔軟さでもあります。毎号ご紹介している活動日記、どこに誰の名前が出てくるかもご注目ください。
 
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こんなふうに頑張っています!
研修生の声をご紹介
 
 さわやか福祉財団には、1996年から毎年、地方自治体の職員及び教員の方々が長期派遣研修生としてやって来ています。研修期間は1年から2年、今年度は8人が、財団の諸事業を通じて、ボランティアをはじめとする地域の市民活動の実情やその意義を自ら学び取ろうと奮闘中です。
 そんな研修生がまず最初にぶつかる壁(?)は、実は財団の研修スタイルだとか。堀田理事長の強い信念のもと、一貫して「自己決定」が求められます。“自分の自分による自分のための”研修として、何を学び、どこのグループに所属し、そしてどんな成果を得るのか、すべてが自己責任と徹底しています。自ら考えて動く、その意義こそがNPOの基本であるからです。とはいえ優秀な皆さんのこと、各グループ・プロジェクトのリーダーたちが、彼らの力を放っておく訳はありません。自分たちの事業がいかに市民のために必要で、これに参加することがいかに公務員の資質を高めるのに有益かをそれぞれがアピールして勧誘していきます。
 そんな研修生の活躍ぶりは本誌でもたびたびご紹介の通りですが、新年号では各人にこれまでをちょっと振り返ってもらいました。ほとんどの皆さんが残り3か月を切りましたが、どうぞご声援ください!(カッコ内は研修予定期間)
 
    猪瀬 泰志さん
千葉県栄町職員
(01年10月〜03年3月)
 千葉県栄町からさわやか福祉財団への派遣は自分で2人目で、行政の福祉部門から派遣されています。財団では組織づくり支援グループで主に地域通貨の推進と団体立ち上げ、NPO支援事業として電動アシスト自転車の購入補助事業を担当しています。
 地域通貨の出前研修や地域たすけあい研修などで全国各地の市民団体の方と一緒に仕事をしていると、「自分たちが地域を変えるんだ!」と、情熱をものすごく感じます。また、その地域で団体が実際に立ち上がるととてもうれしくやりがいがあります。
 当初1年間の派遣期間でしたが、終了直前に半年間の延期が決まり、また新しい情熱を持った人と知り合えることを楽しみに、片道約2時間の通勤に耐えています。
 
    三輪 修さん
長野県職員
(01年11月〜03年3月)
 主に地域協同推進シンポジウムの開催にかかわっています。開催準備にあたっては、NPO・市民団体、社協、JA、生協等の皆さんと準備会を構成して行います。それぞれ立場や考え方の違う組織・団体の皆さんが、共同作業を通じてお互いの理解が深まり、地域での連携によるサービスの向上という同じ目的を共有し、引き続き一緒になって活動していこうと意気投合してくださったときに喜びを感じるとともに、研修終了後にも、行政の仕事の中で、地域の方との協働関係づくりに役立てられたらと考えています。
 残りわずかとなった研修期間中には、もっとさまざまな活動を知るために、愛娘の笑顔を励みにして、全国各地を回ることができればと思います。
 
    飯村 薫さん
神奈川県養護学校教諭
(02年4月〜03年3月)
 学校という環境に身を置き仕事を続けていると、目の前の事象に心を奪われ気づかぬうちにマンネリに陥ってしまう傾向があります。その典型的なタイプであった私にとって、財団での研修を通じて、さまざまな活動に取り組まれている方々や多くの事例に直接触れることができ、大きく視野を広げることができました。
 3年前より地域で取り組んでいる障害児者の余暇支援の活動の運営方針や方向性で迷いが生じていたのですが、それを吹き飛ばしてくれました。その一方で、学校教育関係者のボランティア活動全般に対する理解や認識の低さに唖然とさせられる場面が数多くあり、社会の流れに取り残された「閉ざされた社会」であることを痛感せざるを得ませんでした。
 
    神田 浩行さん
法務省検事
(02年4月〜03年3月)
 「六法全書の世界からふれ愛の世界に入り、瞬く間に時が駆けて行く。仕事のストレスを仕事で発散する自浄作用が強いためか、いつも笑みがこぼれる」、との自己紹介から9か月が経過。助け合い事業に対する法人税課税訴訟、自家用車移送サービス白タク問題などに関与したが、いずれも超難物。
 一方、日本でのNPOなどの活動に対する社会一般の評価はまだ低く、活動に携わる方々も、自己の思いや熱意をいろいろと語ってくれるものの、法制度の創設、改善などを含めた政策提言までには至らないことが多い。NPOの中間支援団体は数多く生まれたが、市民的シンクタンクとしてNPOが活動しやすい提言・助言などの知恵を出せるか否かで今後の淘汰が進んでいくように思われる。
 
    坪井 映美さん
神奈川県職員
(02年4月〜03年3月)
 これまで、地域たすけあい研修会の実施や時間通貨の出前研修、取材、神奈川県委託の地域福祉ビデオ作成などにかかわってきました。
 最初の半年は右往左往という感じでしたが、各地のインストラクターの皆様や活動をされている方々の熱い思いが強いパワーになってきたと感じます。今は目前に迫った「地域協同推進フォーラム・くまもと」の準備に余念がない状況ですが、フォーラム後のネットワークが広がっていくイベントにしたい、との思いを強くしています。
 この1年に得られたさまざまな思いや活動、ネットワークなどを自分自身の財産にしていけるよう残された研修期間を有意義に過ごしていきたいと思っています。
 
    仁平 寿枝さん
北海道職員
(02年4月〜03年3月)
 組織づくり支援グループで、インストラクター研修会、インストラクター会議室、地域たすけあい研修会を主に担当しています。前半は、『地域たすけあい研修会開催の手引き』など資料の作成で、パソコンに向かう日々でした。「研修は自己責任」(理事長談)、このままで終わってはいけないと、後半はいろいろな機会を探して外に出ています。
 研修会などで、各地で活動している方々からお話をお聞きしたり、活動の現場を見せていただくと、大変勉強になります。1年間、財団の仕事を通じて、たくさんのことを学び、北海道に持ち帰りたいと思っています。
 
    伏見 明さん
東京都養護学校教諭
(02年4月〜03年3月)
 組織経営を学びに東京都教育委員会から来ました。しかし、財団には明確な命令系統などはなく、非効率なこともたくさんありますので、派遣元の真意を測りかねていました。早、半年が過ぎ多くのボランティアや団体の方と接する中で 自らの意志で集団に加わった人が成果を上げるには、一人一人が自らの可能性に気づき、能力を発揮し、達成感を得ていくことが重要であるとわかりました。
 これは学校にも当てはまります。児童生徒も教師も自らの可能性に気づき、能力を発揮し、達成感を得れば、人はますます創造性は高まります。そのため、一人一人とコミュニケーションを図り、何が可能かを共に考えるリーダーが、今、求められているのですね。
 
    北村 哲也さん
京都府職員
(02年4月〜04年3月)
 財団、そして東京に来て半年余りが過ぎた。現在は地域たすけあい研修会、地域通貨推進事業、福祉系NPO定点調査事業に取り組みながら研修をしている。4月に来てしばらくの間は、京都府に入って9年間、一度も府民に接する部署にいたことがなく、毎日が市民パワーに驚くことばかりであった。
 先日、ある方からNPOや市民団体が自治体に提案に行ったとき門前払いをするのではなく、どうしたらその提案をできるのかを考えてほしいという話を伺った。さわやかでの研修を通じて、そんな力を身につけたいと考えている。そして地域での協働の一翼でも担える職員となるため、皆からのパワーと知識を吸収したいと考えている。
 残り1年と数か月、よろしくお願いします。
 
さわやかデータ
 さわやか福祉財団に長期研修として職員を派遣したのは、1997年4月、京都府が最初です。その後の“卒業生”は数えて19人。これまでの派遣元は、京都府の他に、神奈川県、長野県、北海道、千葉県栄町、東京都教育委員会、神奈川県教育委員会、生活協同組合神奈川ゆめコープ。そこに今年度新たに法務省(東京地方検察庁)が加わりました。また、この他にも「日産NPOラーニング奨学金制度」研修生や大学ゼミ・養護学校他多くの皆さんが、短期・長期の単位で、財団を通じて様々な体験を積んでいます。







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