ボランティア活動の振興 図F
町(行政当局)は、町の清掃その他さまざまな地域活動を住民がボランティアでしてくれたときは、30分につき1枚の青フジ券を、謝礼(スタイペンド)として渡すことができる。
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フジ取扱事業者以外の住民は、入手したフジ券を円に換えることはできない。ただし、医療保険や介護保険の自己負担分を払うときは、円に換えられる。 |
さわやか福祉財団では住民の助け合いを目的とした地域通貨・時間通貨の普及に努めているが、一方で、地域経済活性化を目的とする地域通貨へのニーズも急速に高まっている。こちらは単にサービスだけでなく、モノも買えるのが特徴で、国の通貨と交換できるものもある。
今回ご紹介した「フジ通貨構想」は、これら双方の特色を兼ね備え、さらに広範に使用できる新しい地域通貨として、さわやか福祉財団の理事長堀田力が私案として発表した。経済活性化のための地域通貨を始めるならば、ぜひ併せて相互扶助の役割も持たせてほしいと願ってのものである。昨秋、山陰中央新報紙上で紹介し、財団が10月に開催した「時間通貨フォーラム」でも資料を配布して参加者から関心が寄せられている。
莫大な税金を投入せずとも、地域経済を活性化し、さらには人々が一番望む温かい地域社会づくりにもつながる地域通貨。「フジ構想」は一つの参考例ではあるが、ぜひ地域通貨をうまく使って我が町を元気にしたい、という自治体はいないだろうか?
「フジ通貨」もっと知りたい方にQ&A編
Q |
フジの一番の特徴は? |
A |
3つの目的、つまり(1)地域経済の活性化(図Aの部分)、(2)地域におけるふれあい、助け合いや社会貢献活動の活発化(図C、D、Fの部分)、(3)環境保全のためのリサイクル活動の展開(図Eの部分)を同時に達成しようというところにあります。それぞれ切り離して始めることもできますが、一緒にやったほうが、住民の連帯感がより高まり、単独にやるよりもそれぞれがよりうまくいく可能性が高まると考えます。 |
Q |
架空の町「フジ町」というのはどの程度の地域が想定されますか? |
A |
人口は10万人程度以下で、社会的にも経済的にも一体感のある市町村、その一区域または広域連合を念頭に置いています。 |
Q |
地域経済活性化の機能は、町の生産品やサービスを町の住民が1割安く買えることで生まれるのですね。 |
A |
それだけではありません。フジは町に住む人のために助け合い活動やボランティア活動をしたり、リサイクル活動をしたりしても得られるわけで、それを現金化することはできませんから、手元のフジで新たに町の生産品かサービスを買うことになります。このように町のためになる活動が循環するうちに、自然に住民同士の親近感、連帯感も生まれ、さらに諸活動が活発化すると期待されます。千葉の地域通貨「ピーナッツ」のように、フジで買い物をしたら挨拶しながら握手するのもいいですね。 それだけではありません。フジは町に住む人のために助け合い活動やボランティア活動をしたり、リサイクル活動をしたりしても得られるわけで、それを現金化することはできませんから、手元のフジで新たに町の生産品かサービスを買うことになります。このように町のためになる活動が循環するうちに、自然に住民同士の親近感、連帯感も生まれ、さらに諸活動が活発化すると期待されます。千葉の地域通貨「ピーナッツ」のように、フジで買い物をしたら挨拶しながら握手するのもいいですね。 |
Q |
相互扶助の機能は町民全員が参加するのですか? |
A |
数が多すぎると顔が遠くなりますから、200名程度までを目処にグループをつくってみてはどうでしょう。青フジによる助け合いは、タイムダラー、レッツ、エコマネーなどの地域通貨をモデルに、住民の相談で方式を選べばよいと思います。
赤フジの助け合いは、ふれあい切符(時間預託)にもいくつかのモデルがありますから、やはり相談で方式を選べばよいでしょう。
青フジを赤フジに使うのは無理でしょうが、赤フジを青フジとして使うのはよいと思います。それを可能とすることで、青フジ(ヨコ型・・・日頃の気軽な助け合い)と赤フジ(タテ型・・・将来の助け合い)のドッキングが成立します。
そして、青フジについても赤フジについても、助け合い・援助がスムーズに行われるよう事務運営者が必要です。グループで運用するときは、グループごとに運営者が必要ですが、NPO法人FUJI(フジ)に運営者を置いてもよいでしょう。 |
Q |
どうして青フジによる助け合いと赤フジによる援助を別建てにするのですか? |
A |
青フジによる助け合いはどんどん行われるほうが好ましいですから、たとえば1年で青フジ券を無効にするなど、循環促進策を取るのがよいと思います。それに対し、赤フジによる援助は、援助者が将来援助を必要とするときにこれを使うことを想定していますから、無効にするわけにはいきません。しかし、貯まった赤フジ券の一部で、青フジによる助け合いをすることは、赤フジによる援助を活性化するためにも好ましいことですから、これを青フジ券に交換することは認めたらよいと思います。 |
Q |
図Fのスタイペンドとは、何ですか? |
A |
アメリカでボランティア活動に対して支払われる謝礼金のことをスタイペンド(stipend)と呼んでいます。これを行政が支払うときは、労働に対する賃金と区別するため、最低賃金以下にしています。
助け合いや援助活動に個人が青フジあるいは赤フジを渡すのもスタイペンドですが、図Fは、行政が、町の清掃、公立施設でのボランティア活動、その他の住民による公益活動に対し、これに謝意を表してその諸活動を刺激するため、青フジ券を渡すことを想定しています。
就職できない人たちの日々を意義のあるものとするとともに、生活の一助にしてもらうため、スタイペンドによるNPO・ボランティア活動の活性化を考えているわけです。その活動は、行政でなく、NPO法人FUJIが主催するのが好ましいでしょう。 |
Q |
NPO法人FUJIの運営費は、図Fの助成金の一部、リサイクル品の売り上げの一部、赤フジ交換差益などで捻出するのですか? |
A |
その他、行政の助成金や住民の寄付金なども必要でしょう。
図では、運営に当たる組織をNPO法人にしていますが、NPO法人にする必然性はありません。その他、名称、交換手段(紙券、チップ、通帳、証書、電子記入など)、単位などは、自分たちで工夫して、地域の実情に合うものを選んでみてください。
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