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情報誌「さぁ、言おう」 2002年10月号

 事業名 高齢者のためのボランティア普及啓発活動
 団体名 さわやか福祉財団 注目度注目度5


ふれあい助け合い 東西南北
さわやかインストラクターから
 
 全国でふれあい・助け合い活動についてアドバイスを行うさわやかインストラクター。そんな皆さんから活動の状況や個別の課題、心温まるふれあいエピソードなどを寄せてもらいます。
 
インストラクターとして心得てきたこと
NPO法人 コミュニティ・サポートセンター神戸(兵庫県)
中村 順子
 
 さわやかインストラクターと私の所属するコミュニティ・サポートセンター神戸(CS神戸)のミッションは、そのベクトルを一にしています。
 それは、地域社会にあって誰もが能力を発揮して自分らしく暮らせるよう、生活課題を解決する自主的団体を立ち上げたり、社会的な仕組みをつくることです。特徴として、さわやかインストラクターが全国規模で高齢者福祉を対象にしているのに対し、CS神戸は地域密着で高齢者福祉はじめ、環境・文化など地域から持ち込まれる幅広い分野のNPO支援にかかわっていることです。しかしその基底をなす精神性に何の変わりもありません。従って私のインストラクターとしての活動はCS神戸の仕事と一体化して、今日まで楽しく邁進することができました。そしてCS神戸ではこの6年間に身近なところで40ほどの団体が立ち上がっていきました。
 この成果に結び付いた要因を振り返ると、インストラクターとしての意識の持ちようと相談の仕組みづくりの2点に整理することができそうです。
 1つ目の意識の持ちようですが、2つのポイントがあります。
 
(1)
地域にとって自主的団体の存在が必要不可欠である認識をしっかり持つこと。95年阪神大震災は、日常活動のあり方をすさまじい厳しさで、私たちに投げ掛けてきました。それは、「安心と安全は、自らつくるもの」という教訓です。ふれあい社会づくりに置き換えると、自分で考え自分で判断し自分で行動を選び取る、自立的なグループが地域に多く存在することが地域の安心と安全に直結するということです。
(2)
意欲ある市民と接したときに、この人と良い仕事をしようと自分に誓うこと。地域から日常的にさまざまな相談が持ち込まれてきます。相談者の熱い志が冷めないよう温度差なく受け止め、多少の困難は乗り越えても、団体を形づくるまで手伝う決意をすることです。
 
 しかしそれだけではうまくいきません。2つ目は相談の仕組みづくりを整備することで相当実効性のある支援が行えます。ここにも2つのポイントがあります。
 
(1)
相談を団体立ち上げのきっかけと捉えて、計画的に進められる相談システムをつくること。受け付けから1次相談、専門相談まで含め、相談を中心に団体は形づくられていきます。単に応答だけでなく設立の時期的目標を立て、計画的に進める習慣を身に付けることです。
(2)
他の領域の専門家と連携し活用すること。インストラクターの多くは、自ら活動を創出し自らが実践の最中にいます。この経験こそ説得力をもって相手の共感を得るのですが、それだけでは時代的に不十分です。事業を行う団体なら法務・法律・会計・労務など専門分野との連携が要請されます。また近隣ボランティア団体づくりでは自治会や社会福祉協議会といった地縁系組織との協力関係が欠かせません。他分野の達人や先達に力を借りる仕組みを日常的に構築しておくことです。
 
 このようにインストラクターの役割や働きを整理してみると、「何とおもしろい働き!」と感動すら湧いてきます。人と人や、人と仕組みがドンドンつながっていくのです。
 さて、私の目標は、100名にのぼるインストラクターの皆様とともに、全国47都道府県のうちインストラクターのいない16県にインストラクターを誕生させることです。誰もが持ち前の能力を発揮し自分らしく生きられる社会に向け、1日1日、歩を進めてまいります!
 
心の通うふれあい社会を夢みて
湯沢あかねの会(秋田県)
丹 すみ子
 
 「はじめまして」から、やがて「どうしてあなたがあの方を知っていらっしゃるのですか」という、心の縁の不思議へとつながる。湧き出る信念に向かって、できることで当たり前の助け合い活動をしているだけなのに・・・。ここ数年この不思議との出会いが多くなった。
 サクランボの収穫が終わり「一息つけるかな・・・」、いけない、私は7年目を迎えた在宅福祉サービス「湯沢あかねの会」の活動を、ほとんど休んだ状態で他の会員さんたちに迷惑をかけているのだ。年間で、この1か月がどうしても十分に活動できないために、発会まで、悩み苦しんだことを、思い出す。今、1か月間、代表が農繁期休暇をいただいている間も活動は止まらず、会員さんたちがお互い様の気持ちでいてくれることがうれしい。一人の「思い」から始まった活動が、地域のものになり始めている。介護保険がスタートしてからも根っこがぐらつかず、ひたすら対等の立場での支え合いを唱えている。当市の福祉にかかわる機関には気になる存在であるらしく、活動のネットワークが良好である。
 さて、さわやかインストラクターとして、何をどうしているかとなると、まったく自信がない。ただ、単なる思いつきで助け合い活動を勧めることも、活動を始めることも不可能だという思いはする。それは、これまであまりに多くの生きる限界を生きた人々(会員さんたち)との出会いとかかわりがあったからだろう。もちろん、少なからず心の部分で手助けができたと信じている。こちらが何倍も癒しをいただいているのだが・・・。私の作った食事とお話が最後だったというK子さんが、今旅立たれたという電話が家族から入る。別れが予感できるほどの心のかかわりを持ちながら、教わったことの多いこと・・・。
 さわやか福祉財団との出会いは、10年前であった。ご支援ご指導のお陰で、今日があり自分を発見することができたと感謝でいっぱいである。助け合いの大切さ、そこから生まれる生きる喜びを、元気な方はもちろん、病める人にも伝えたい思いが湧いてくる。
 待つことも教わった今、休まず急がずふれあい社会づくりに参加していたい。北国の小さな町から、自分発信のネットワークをフルに活用し、助けられながらインストラクターとしてお手伝いできればうれしい。見えない成果を心で感じながら、予定している「地域助け合い研修」の準備を始めたいと思う。さて、そろそろ孫を保育園に迎えに行く時間が来たようだ。自宅で子育て支援の研修ができることに感謝しながら、次世代へ「心」を伝えたいものである。
 
活動の中から2つのこと
NPO法人 たすけあいの会ふきのとう(千葉県)
國生 美南子
 
 介護保険がスタートする前のことですが、利用者が選べる福祉サービス資源の情報が余りにも貧しいので、「ふきのとう」で福祉資源マップを作ろうということになりました。担当者が決まり数人でチームを作って取りかかりました。作成は難航しました。段取りの悪さ、全体の構想についての議論の不足、チームのメンバーがそれぞれ専門の役割があり時間的な余裕がなかったなどなど、こうした分野での「ふきのとう」の力のなさという内的な要因が大きかったのですが、それに加えて情報の開示ということに後ろ向きの福祉施設の多いこと、行政主導でないものに協力しない(NPOの行う調査に答える義務はないといってアンケート調査に応じてくれない)機関も少なくなかったなど、地域福祉社会の後進性も影響したように思います。
 結局、足かけ3年をかけて市内と周辺地域の福祉資源マップ2巻と市内中心街のロードマップが手作りで出来上がりました。2巻の福祉資源マップは加除式で新しい情報を織り込んでいけるようになっています。各施設、事業所の介護の様子、内容がかなり詳しくわかるものです。たとえば特別養護老人ホームに入所の際、持ち込める家財、外出や飲酒、喫煙などについての自由や制限の有無、入浴の回数、食事にかける時間などについても知ることができます。また介護保険の事業所だけでなく、小さな団体、ボランティア団体などインフォーマルな種々の団体についても利用する立場に立った視点からの情報を紹介しています。
 この作業で、「ふきのとう」は大きな学習をしたと思います。調査にはヒアリングが有効であること、非協力的だった施設が何度か通って話し込んでいくうちに理解を示し、協力してくれるようになることが実感できたようです。協力してくれた施設に出来上がったものを持参すると、気持ちよく協賛金を出してくれるところも少なくありませんでした。新たなネットワークづくりにもなりました。また、資金不足から手作りになってしまったため、4台のパソコンがフル稼働し、パソコンを使える人が増えたというおまけがつきました。
 
 この夏はいつにも増してお別れが多かったのですが、中でも12年余りお付き合いをしてきたTさんとのお別れは、覚悟はしていたものの喪失感が深いのです。難病で全身不随、指先さえ動かせず、声も出ず、文字盤と瞬きだけでコミュニケーション、依頼を受けたときは余命がないとの説明でしたが、それから12年、Tさんは私たちの介助で月に1〜2度は市内外へ外出し、外食も喜ばれ、美術館にも行き、旅行もし、半端でない旅行記もパソコンで書き、ベッドに休むとき車イスに移ったときの1ミリの体のずれも洋服のしわも許さず(ぴたりと程よいところに決まるまで決して妥協しない――それゆえ、介助する私たちは、汗と涙でくしゃくしゃになりながらやっとぴたりと決まってOKのまばたきをもらったときの嬉しさ、いつもTさんも一緒に喜んでくれました)、この決して妥協しないTさんの大変難しい介護を通して、私たち「ふきのとう」は力をつけてきたように思います。Tさんに出会えて私たちは幸運でした。ありがとう、そしてさようなら。







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