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特集 新しいふれあい社会を考える
トークアンケート特集
「高齢社会と生涯学習」
学んだことを地域に生かしたい
(取材・文/阿部 まさ子)
 
 本誌6月号で、特集「清見潟大学塾−市民が教授になり塾生になる市民参加型生涯学習システムとは」に合わせて、「高齢社会と生涯学習について」のトークアンケートを募集したところ、42通の回答が寄せられた。回答から浮き彫りになったのは、学習意欲にあふれるシルバー世代の姿、そして学んだことを地域の中で生かしたいと考える前向きな姿勢だ。皆様、ご意見・ご回答ありがとうございました。これからも生涯現役、温かい地域社会づくりに向け頑張りましょう!
 
学習意欲旺盛なシルバー世代
生涯学習を通して地域参加へ意欲
 トークアンケートには、北は秋田、南は福岡までの1都2府15県の42人からさまざまな意見が寄せられた。男性31人、女性11人。年齢別でもっとも多かったのは、60歳代の19人、次いで70歳代の14人で、この世代が回答者のおよそ8割を占めているのが今回の特徴だ。最高齢は80歳の女性、最年少は38歳の男性だった。それでは、アンケートの質問項目に沿って結果を紹介しよう。
 
Q これまでに「生涯学習」講座といわれるものに参加したことはありますか?
 
 
Q どのような講座に参加しましたか?(複数回答)
 
 
 回答を見ると、「生涯学習と意識している人もいれば、特別そう思っていない人もいるようだが、実際に回答者の皆さんが参加している講座はさまざまだ。
 
● 市の広報で偶然知り、市民大学(富山市教育委員会主催)に。専門教授25人。中国語、韓国語、英会話など多彩です。
(富山県・66歳男)
● 特に「生涯学習として考えたことはないが、自分の楽しみで学ぶことだから、わからなければまた学ぶことにつながると思っている。今年からNHKの通信講座で「自分史入門」に挑戦しようと思っている。
(山口県・64歳女)
● 東大安田講堂で春、秋の2回、各5日間、毎週土曜の午後3時間(2コマ)行われている公開講座を過去十数年来受講。時宜に即したテーマで大変役立っている。
(東京都・73歳男)
● 「生涯学習」という言葉はあまり好きではない。自分の意志で余裕をもって取り組めれば良いと思う。公民館が行う旅行や歩こう会、気晴らしのスポーツも広い意味での学習と捉えたら良いのではないか。
(大阪府・55歳男)
 
 自治体主導の講座は受講料が無料や実費程度のところがほとんどで、そのメリットは大きいが、一方で行政の財政事情いかんで事業が削減されてしまうことや、受講手続きの煩雑さを指摘する意見もあった。
 
● 東京都の都民大学に参加していた。月謝が高くないし、歴史、宗教、文学いろいろあってとても良かったのに、都の財政面で中止になってしまい残念です。
(東京都・80歳女)
● 生涯学習、非常に素晴らしいことですが、これを受講するのに往復はがきの申し込みやら、保険証を見せろだの、いろいろ制約が多すぎて困る事がある。
(東京都・61歳女)
 
Q 自身の「生涯学習」に、過去あるいは現在、どのくらい時間とお金をかけていますか?
 
 
 時間のかけ方ももちろん人それぞれだが、回答を総合すると「月に4回、1週あたり2〜3時間」程度がもっとも多く、中には毎日4〜5時間かけて勉強するという熱心な回答もあった。
 
Q 自身の「生涯学習」のテーマは、地域とのかかわりがありますか?
 
 
● 生涯学習に参加し、地域の方々との交流ができたことが大きな収穫。
(埼玉県・71歳男)
● 健康体操教室が自分の健康づくりと友達づくりの場になり、生きがいを感じている。
(神奈川県・69歳女)
● マジックを学習し、老人ホームや子ども会で披露。
(大阪府・67歳女)
● 町の音楽祭、芸能祭への参加、施設訪間や敬老会で披露。
(山形県・75歳男)
● NHK学園の福祉講座などで福祉に関する学習をし、デイサービスで活動。
(山口県・64歳女)
● 生涯大学校の現役、OBでつくっている会へ入会、事務局を担当中。
(千葉県・68歳男)
● 埼玉県の介護保険サポーター養成講座に参加し、目下、地域での説明会にサポーターとして参加している。
(埼玉県・78歳男)
 
Q 高齢者と生渥学習のあり方についてどう思いますか?
 
 
 前問に続き、地域参加への強い意欲がうかがえた。「自治体がもつと積極的に進めるべきだ」と答えた人の中には、「建物等の無料開放を願っているから」(大阪府・67歳女)、「高齢者(地域住民)が幅広く意見発表できる場の提供を望む」(神奈川県・64歳男)など、行政ができることと市民ができることを棲み分げた上で行政の支援を期待する声があった。
 また、「個人や民間に任せるべきだ」としながらも、「自治体からのバックアップも受げながら協調推進するのがよい」(静岡県・73歳男)と、行政との連携を意識した意見もあり、「自治体が進めるべき」と考える人との違いは、互いに官民連携を前提としつつもどちらに軸足を置くかの違いであるようだ。
 「その他」では、こうした意見を総括するように、「自治体、団体、個人それぞれが積極的に行うべきであるが、時に連絡会議的なものがあれば良い」(広島県・56歳男)、自治体は自主的な個人、民間の取り組みにサポート・理解・支援体制を強めてほしい」(千葉県・68歳)などの意見が寄せられた。







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