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ふれあい助け合い 東西南北
さわやかインストラクターから
 全国でふれあい・助け合い活動についてアドバイスを行うさわやかインストラクター。そんな皆さんから活動の状況や個別の課題、心温まるふれあいエピソードなどを寄せてもらいます。
 
“ワークシェアリング”の実践
NPO法人 ケア・ハンズ(埼玉県)
代表 中村 清子
 
 団体を設立する、あるいはNPO法人の認証を受ける。これらのことはあまり難しいことではないでしょう。また、団体設立の当初に会員を募ることもマスコミなどを上手に利用できれば可能でしょう。もっとも難しいことは、団体を運営し、継続することです。
 ことに、事務局スタッフの人材確保とチームワーク。当たり前のことなのですが実際には、設立することに情熱を燃やし、いざ運営の運びとなって幾重もの壁にぶつかります。
 ケア・ハンズも例外でなく、スタッフの確保に頭を痛め、設立以来5年の間は、綱渡り状態でした。スタッフは、親の介護、子どもの教育問題、夫の転勤、家族や自分自身の発病などと問題を抱えることも多く、100%を仕事に没頭することができません。専任の有給職員を雇用する経費もありません。スタッフが辞めざるを得ない状況になるたびに、眠れぬ夜を過ごし、仕事の後任者への引き継ぎに苦労してまいりました。そこで、2年前からスタッフ体制を、時給はヘルパー会員の謝礼金より少し低い額ですが、週1日〜3日の勤務とし、各仕事は常にダブルあるいはトリプルキャストで行うようにしました。これで、もし長期に休むスタッフが出ても何とか持ちこたえられるようになり、気兼ねなく休めるようになりました。
 ところが・・・昨年夏ごろから、ワークシェアリングという言葉がやたらマスコミに登場してきたので、「何を今更! ワークシェアは私たちがすでにやっていることじゃないの」と思いました。そこで、“ケア・ハンズのスタッフ体制は、企業が最近取り入れ始めたワークシェアリングであり、我らがケア・ハンズは時代の最先端をすでに実践しています”と会報に掲載しました。それまでは、スタッフの胸の内は、少しずつ仕事している後ろめたさのような気持ちがあったようですが、これを機に、スタッフや会員の意識は一段と高まったように感じています。
 現在のスタッフは、設立当初からのヘルパー会員でケア・ハンズの理念を十分理解し、共感していますのでワークシェアが無理なくスムーズにできていると思います。これが、設立間もない団体の場合には、スタッフ間の意識統一が難しく、会員間でも混乱が起こるかもしれません。設立当初は、少数精鋭で団体の個性をはっきりさせてから、スタッフを増やしていくほうが無難かと思います。
 また、最近の企業ではRJP方式といって、仕事の厳しさを納得した人に入社してもらうと退社率が少ないそうです。私たちも、NPOに参加するリスクを承知の上、スタッフとしての協力をお願いするほうが長続きするのかもしれません。
 社会の流れの中にいることを実感できる場にいることに感謝するこの頃です。
 
生きがいと喜びを一人でも多くの人に広げたい
NPO法人 さわやか富山(富山県)
代表 森沢 恵美子
 
 市民互助団体を発足して丸3年が経ち、3月末現在で会員数319名(利用139名、協力97名、賛助83名)、活動時間は2001年度で約1万4000時間(ふれあいチケット6000余、介護保険のヘルパー派遣7000弱、市委託事業830余)でまずまず順調に地域に定着してきたと思います。
 こうした生活支援活動と平行して重視してきたのが楽しみと喜びを広げる活動です。月1回のさわやかサロン(利用者をご招待して食事と余興を計画)とさわやか倶楽部(高齢者、障害者、協力会員を対象に書道や手芸、編み物、体操等)です。
 この取り組みの利点は、(1)利用者は心待ちにしており出掛ける張りを持つこと(2)準備や当日接待を通じて協力会員の研修の場となること(3)余興や指導の面で会員以外の幅広い人材とネットワークができること、などですが、併せて施設(私の家を開放)面でも誰もが利用しやすく居心地よい状態に徐々に整備ができてきました。
 今、高齢者や障害者を取り巻く環境は介護保険や福祉系NPO等の取り組みで生活そのものの不安はかなりカバーされてきたと思いますが、これからもっと必要になってくるのは障害者や高齢になってもその人に合った生きがいや楽しみを見出せる場づくりではないかと思います。
 そこで、さわやか富山が今後果たす分野は何かを検討した結果、地域にあるデイサービスへは行きたくない、あるいは行っているけど物足りない、また行ける場所がなく閉じこもりがちになっている方等を対象にした楽しい場づくり、その中心に音楽を取り入れたらどうかということになりました。
 さわやか楽団をつくろう!! 早速社会福祉・医療事業団の助成金事業である「高齢者、障害者の社会参加の促進支援事業」に申請を出しました。先日うれしい内定書(助成金要望額約180万円)が届きました。
 早速決定したつもりで5月からの開始に向けて準備に入りました。音楽療法士や音楽家の協力の下、楽器の選定や例会の進め方、一方対象者への呼びかけやボランティアの募集等、その取り組みの中でまた新たなふれあいが広がってきました。10代や20代の若い障害者、リューマチ患者、かつて三味線を弾いていた半身麻痺の60代の男性、施設に入所しているピアノの好きな70代の女性、一人暮らしの高齢者等々、多士済々です。練習場所として地元の町内からは公民館の利用も快く承諾してくださり、“いつかは演奏会を”の目標をもって、みんなで取り組んでいきたいと思います。乞う、ご期待!!
 
松下電器産業株式会社・財団法人住友生命社会福祉事業団協賛事業
「ふれあい活動実践研修会」をご活用ください
さわやか福祉財団組織づくり支援グループ担当者から
 
 今まで「団体を設立したいが、学べるチャンスがなかった」「先進団体に直接行って話を聞きたいが、複数の者が移動する交通費が捻出できなかった」という皆さんにぜひご紹介です。さわやか福祉財団では、松下電器産業株式会社・財団法人住友生命社会福祉事業団の協賛で、昨年4月から、「ふれあい活動実践研修会」を全国各地で開催しています。
 この事業は、ふれあいボランティア団体の設立準備や設立に興味のある方を対象に、全国102名のインストラクターが軸となって、団体設立に向けた研修を行うものです。また、地域たすけあい研修会参加者へ、より具体的な学習の場としても活用されています。
 2001年度は、全国31会場で開催し、参加者は500名以上。そこから新設された団体は、全国で17にのぼりました。たとえば徳島県では、ヘルパーステーションゆず(鴨島町)とライフサポートキムラ(阿南市)はどちらも営利企業の介護保険訪問介護指定事業者ですが、この実践研修を通じて「生活の質を大切にするならボランティアは欠かせない」と、ボランティア部門を立ち上げました。このような民間企業がボランティア部門を設置することは、とても異例なケースです。また、三野町社会福祉協議会では、介護保険事業での収益を助け合い活動に還元し、時間通貨の活動を行うグループを支援する活動を行うグループを支援することになりました。収益の活用として非常に関心の高い発想です。
 「この研修会の実施にあたり助成金が出たおかげで、多くの人が学習する機会を得、地域での連携も深まりました」とは開催するインストラクターさんの声。
 地域で団体づくりをお考えの方、どうぞ組織づくり支援グループまで、ご一報ください。
(木原 勇)







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