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平成14年度(2002年)研究報告

 事業名 医学医療に関する研究助成
 団体名 笹川保健財団  


3. アメリカにおける在宅ホスピスケアの展開を理解する
兵庫県立看護大学 助手 滋野みゆき
 
研修期間
平成15年1月15日〜平成15年3月16日 60日間
研修先
San Francisco Hospice of marin
 
1. はじめに
 日本において、ホスピスの普及が1980年代から始まった中で近年、在宅でのターミナルケアへの移行が考えられている。平成13年度には、看護協会からの基礎研究として、在宅ターミナルケアに関する、看護師、訪問看護師の意識調査が行われている。しかしながら、財団法人医療経済研究機構がまとめた2000年の終末期医療に関する国際比較調査によると病院で亡くなる人の割合が米英両国で半数強であることに対して、日本は8割弱であり、在宅死の割合は米英両国と低いことが現状である。
 このように、日本の在宅ターミナルケアの現状をふまえた上、欧米諸国、とくにアメリカ合衆国でどのように在宅ターミナルケアを展開しているのかを学ぶために、平成15年1月15日から、平成15年3月14日までカリフォルニア州、マリン地区にある、Hospice of Marin にて研修を行った。
 
研修内容
・アメリカでの在宅ホスピスについて理解する。
・在宅ホスピスケアの看護プログラムをどのように取り入れているのかを理解する。(このなかには看護職のストレスマネジメントや新しいプログラムの導入の方法などマネジメントが含まれる)。
・在宅での疼痛緩和など、症状緩和ケアについて学ぶ。
 
 この3点を目標にあげて、研修をおこなった。この報告書では、アメリカでの在宅ホスピスの展開について看護ケアを中心として、症状緩和技術の実際を含めて述べる。
 
2. Hospice of Marin の歴史と概要
 ホスピスオブマリンがあるカリフォルニア州、サンフランシスコの北、ゴールデンゲートブリッジをわたったところの地区であるマリンカウンティーは、高学歴、職業人が住む豊かな地域である。この地区の人々はさまざまな宗教や価値観をもった人々が多く、現地の人々の間ではユニークな地域と認識されている。
 ホスピスオブマリンは、このような地区に25年前に在宅ホスピスを提供するという形で始まった。アメリカのホスピスはイギリスのホスピスの動きを元に始まり、Hospice of Marin はアメリカで2番目のホスピスで1975年に創立された。
 当時の医長であった人は、イギリスのシシリーサンダース氏や、キュブラーロス氏ともつながりがあり、ホスピスの発展に貢献した。ティーチングホスピスとしての役割も取った。現在のホスピスオブマリンファンデーションのプレジデントであるマリー氏は、ナースのバックグラウンドを持ち、彼女はホスピスオブマリンの創立当時から貢献している。
 このようにモデルとして始まったホスピスオブマリンだが、資金を得るために、大学とともに地域にどのくらいのニーズがあるかの2年間のデモンストレーションプログラムを行い、これにより地域の議員にホスピスの必要性を示し、1982 年には、全米でホスピスケアがメディケア適応となった(NHPCO 2003、 福井2003)。1980年代には、ヘルスケア全体が利益を中心に考えたという流れがあったが、現在において、資金をいかに得るか、また地域に質の高いケアを提供するということで資金の運営とサービス提供と構成を変えることにした。ファウンデーションは、地域へのホスピスに着いての教育や、チャリティーショップや地域の本屋などを通して資金繰りを運営している。またサービス提供としてホスピスオブマリンは各患者家族へケアを提供している。ホスピスオブマリンは、患者収容施設はなく、ホスピスに関わる職種が、各患者の家庭、老人ホーム、などに出向き、ケアを提供している。
 
 ホスピスプログラムは主治医が余命6ヶ月と判断した場合、ホスピスプログラムに紹介され、全米では、2001 年において、4人に一人はホスピスケアを受けているとされている。(National Hospice and Palliative Care Organization 2003)。
 ホスピスケアの対象者は、がんだけでなく、呼吸器疾患、老衰などが含まれている。エイズの患者は、エイズプロジェクトのもとでケアされていた。
 ホスピスオブマリンの実績として2000年から2001年の間には合計813例の患者/家族ケアを行っていた。ほとんどの紹介は医師から(84%)、また退院計画者、家族からなどが紹介されるケースである。平均在プログラム日数は42日で、中央値は17日である。2001年から2002年の間には926例の患者/家族のケアを行い、平均在プログラム日数は37日、中央値は15日であった(Hospice of Marin 2002)。このケースの増加は、2003年1月の時点でも続いており、それぞれのケースマネジャーの受け持ち人数をふやしたり、新しくケースマネジャーを雇ったり、パートタイムのナースを他から要請したりと対応していた。特に、パートタイムナースの雇用に関しては、フレキシブルで、これは、24時間、週7日対応において重要なポイントであるようであった。ホスピスケアを長期に受ける患者の場合、60 日ごとに、患者の状態のアセスメントをおこない、ホスピス適応でない場合は、プログラムから離れ今まで通りのケアに移る。また状態が悪くなった場合はホスピスに紹介されるというパターンになる。







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