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平成14年度(2002年)研究報告

 事業名 医学医療に関する研究助成
 団体名 笹川保健財団  


IV 今後の課題
 セッションを繰り返す中で、ターミナル期ケアの実施指針となるべき公的な看護基準が必要充分に明文化されていないことが、スタッフにとってストレッサ−の一つであることが確認された。このことは、今回のアクションリサーチの一大成果であると考える。既存のターミナル期看護基準の見直しや専用の記録用紙の作成・評価を行いながら、今後の課題は、A病院におけるターミナル期看護の理念(目的・目標・ケアの質)を設定し、看護実践基準の概念枠組みを構想し、ターミナルケアが求められている現場のそれぞれに適合した看護実践基準の整備に取り組むことである。
 併せて、アンケート調査の結果をふまえ具体的なスタッフの支援システムを検討する必要がある。
 
V 研究の成果等の公表予定(学会、雑誌等)
 関連学会及び関連学会誌上で公表する予定である。
 
VI 引用文献
1 厚生統計協会 編:国民衛生の動向・厚生の指標 臨時増刊号 第49巻9号 2002
2 日野原重明 他編集:ターミナルケア. Vol.13(1), 49-51, 2003
3 恒藤暁:緩和医療提供体制の拡充に関する研究 平成12年度 総括・分担研究報告書. 2001.4
4 金城利香 前原なおみ 大湾明美 吉川千恵子 伊藤幸子:看護職者からみた沖縄県内のターミナル期看護の現状と課題―ホスピスケアと在宅ターミナルケアの比較―, 笹川医学医療研究財団 研究業績年報、(16)1, p162-167, 2000
5 キャサリン・ポープ他編、大滝淳司 監訳:質的研究実践ガイド 保健・医療サービスの向上のために、P62-73, 2001 医学書院
 
謝辞
 本研究に際し、御協力いただいたA病院の看護部長ならびに看護師グループに感謝する。
 
表1 セッションの経過
月日 第1段階フォーカスグループ(1stF.G.) 第2段階フォーカスグループ(2ndF.G.)
H14 8.15 (1)「研究の目的・方法」の説明。ターミナル期看護の現状と課題(告知・医師との協働)。  
9.2 (2)「看護白書」の資料紹介。ターミナル期看護の現状と課題(告知・医師との協働)。  
9.24 (3)「NIC」の資料紹介。基準づくりの必要。それぞれの病棟や看護師に任されており、これまでの看護が明文化されていない。  
10.4 (4)2ndF.G.編成について、家族への援助や在宅へ移行するタイミング(ギアチェンジ)について。  
10.11   (1)「研究の目的・方法」の説明。ターミナル期看護の現状と課題(告知・医師との協働、疼痛コントロールが充分でない時の対応、ギアチェンジ)。
10.22 (5)「ギアチェンジ」既存の「ターミナルケア」の資料紹介。呼吸困難に関して事前教育の必要性。病院全体としての取り組み、チーム医療、緩和ケアユニットやペインクリニックの編成。  
11.1   (2)「ギアチェンジ」「息苦しさへの援助」の資料紹介。呼吸困難患者への対応、アセスメントの困難さ。肺理学療法の有効性。
11.12 (6)「息苦しさへの援助」「ホスピスケアに関する研究報告」の資料紹介。呼吸困難の基準、アセスメントの重要性。ボランティア活用の検討。  
11.21   (3)「呼吸器症状のマネジメント」の資料紹介。・アセスメントができる呼吸困難の基準づくり・悪臭の対応について。
11.25 (7)「呼吸器症状のマネジメント」「末期癌」の資料紹介。ターミナル期患者専用の問診表の必要性。呼吸困難の基準、既存の看護基準の再検討。  
12.3   (4)「NIC」「末期癌」の資料紹介。受持ち看護体制による基準の重要性。患者ケアの為の基準と看護師への支援体制づくり。
12.10 (8)「看護記録(呼吸困難)」紹介。既存の看護基準を各自再検討し各段階に分け再立案する。  
12.20   (5)「看護記録(呼吸困難)」の紹介。現在使用している記録用紙の検討。
12.26 (9)「経時記録」の紹介。ターミナル看護基準案および「経時記録」の検討。  
H15    
1.8   (6)「経時記録」を改め「緩和ケア記録」の紹介、看護管理について。
1.10 (10)「緩和ケア記録」紙、スタッフ支援体制の取り組みについて。予備調査実施。  
1.28 (11)/(7)合同セッション:予備調査の結果報告。本調査について。これまでのセッションの振り返り今後の課題。  
(1)(2)(3)・・・はセッション回数を示す  
 
表2 アンケート対象者の属性 n=169
  人数 (%)
性別
男性 7 (4.1)
女性 162 (95.9)
年齢
20〜24歳 8 (4.7)
25〜29歳 35 (20.7)
30歳代 62 (36.7)
40歳代 47 (27.8)
50歳代 17 (10.1)
ターミナル期看護経験
ある 154 (94.1)
ない 5 (3.0)
無回答 10 (5.9)
看護師経験年数
平均 14.4±8.7年  
 
表3−1 ストレスの程度 n=169
ストレス項目 程度
殆んど感じない 感じる 非常に感じる 無回答
人数(%) 人数(%) 人数(%) 人数(%)
1 患者の死期が近づいた時 1(O.6) 84(49.7) 78(46.2) 6(3.6)
2 告知されていない患者への看護 0(0.0) 37(21.9) 130(76.9) 2(1.2)
3 症状緩和されていない患者への看護 O(O.0) 36(21.3) 129(76.3) 4(2.4)
4 家族への支援 6(3.6) 92(54.4) 64(37.9) 7(4.1)
5 患者と家族の間に問題を感じた時 2(1.2) 64(37.9) 98(58.0) 5(3.0)
6 医師の治療方針が患者の状況と合っていないと思う時 4(2.4) 37(21.9) 125(74.0) 3(1.8)
7 医師の対応が適切でないと感じた時 3(1.8) 39(23.1) 123(72.8) 4(2.4)
8 医療チーム間(看護師間や他職種)で連携が上手くいっていない時 10(5.9) 67(39.6) 86(50.9) 6(3.6)
9 患者とのコミュニケーションが難しいと感じる時 2(1.2) 63(37.3) 101(59.8) 3(1.8)
10 ターミナル看護に充分な時間が取れない時 0(0.0) 65(38.5) 100(59.2) 4(2.4)
11 ターミナル期患者の担当になった時 7(4.1) 77(45.6) 77(45.6) 8(4.7)
12 ターミナル期看護の知識や技術が未熟だと感じた時 1(0.6) 70(41.4) 90(53.3) 8(4.7)
13 看護実践がこれで良かったのか戸惑う時 2(1.2) 71(42.0) 90(53.3) 6(3.6)
14 ターミナル期看護に向いていないと感じた時 15(8.9) 80(47.3) 66(39.1) 8(4.7)
15 生活に問題が生じた時(健康や経済面など) 25(14.8) 75(44.4) 58(34.3) 11(6.5)
16 療養環境が充分でないと感じる時 7(4.1) 76(45.0) 82(48.5) 4(2.4)
17 その他 0(O.0) 1(0.6) 4(2.4) 164(97.0)
 
表3−2 ストレスの頻度 n=169
ストレス項目 頻度
めったにない 時々ある しばしばある 無回答
人数(%) 人数(%) 人数(%) 人数(%)
1 患者の死期が近づいた時 8(4.7) 70(41.4) 78(46.2) 13(7.7)
2 告知されていない患者への看護 9(5.3) 49(29.0) 100(59.2)
11(6.5)
 
3 症状緩和されていない患者への看護 4(2.4) 45(26.6) 107(63.3) 13(7.7)
4 家族への支援 8(4.7) 92(54.4) 57(33.7) 12(7.1)
5 患者と家族の間に問題を感じた時 17(10.1) 68(40.2) 70(41.4) 14(8.3)
6 医師の治療方針が患者の状況と合っていないと思う時 20(11.8) 60(35.5) 77(45.6) 12(7.1)
7 医師の対応が適切でないと感じた時 18(10.7) 53(31.4) 85(50.3) 13(7.7)
8 医療チーム間(看護師間や他職種)で連携が上手くいっていない時 26(15.4) 67(39.6) 63(37.3) 13(7.7)
9 患者とのコミュニケーションが難しいと感じる時 12(7.1) 78(46.2) 68(40.2) 11(6.5)
10 ターミナル看護に充分な時間が取れない時 7(4.1) 61(36.1) 91(53.8) 10(5.9)
11 ターミナル期患者の担当になった時 8(4.7) 83(49.1) 62(36.7) 16(9.5)
12 ターミナル期看護の知識や技術が未熟だと感じた時 10(5.9) 80(47.3) 66(39.1) 13(7.7)
13 看護実践がこれで良かったのか戸感う時 11(6.5) 73(43.2) 72(42.6) 13(7.7)
14 ターミナル期看護に向いていないと感じた時 24(14.2) 83(49.1) 45(26.6) 17(10.1)
15 生活に問題が生じた時(健康や経済面など) 53(31.4) 61(36.1) 37(21.9) 18(10.7)
16 療養環境が充分でないと感じる時 15(8.9) 74(43.8) 69(40.8) 11(6.5)
17 その他 1(0.6) 2(1.2) 5(3.0) 161(95.3)
 
表4 ストレス対処法・支援システム・ケア向上との関連
  人数 (%)
ストレス対処法(複数回答) n=167  
同僚スタッフに相談する 94 (56.3)
師長・主任・先輩看護師に相談する 43 (25.7)
医師に相談する 5 (3.0)
医療者以外(家族や友人など)に相談する 5 (3.0)
おしゃべりや趣味で気分転換を図る 20 (12.0)
研修会や学会に参加する 5 (3.0)
特に何もしていない 4 (2.4)
その他 4 (2.4)
     
スタッフ支援システム(複数回答) n=167  
緩和ケア専門チームの編成や緩和ケア病棟の設置 155 (92.8)
ターミナル期看護の基準作成 71 (42.5)
リエゾンナースの配置 53 (31.7)
ターミナル期看護の研修会の開催 93 (55.7)
その他 2 (1.2)
     
ターミナル期看護のストレスが緩和されることは患者ケアの質の向上につながると思うか n=159  
思う 133 (83.6)
思わない 3 (1.9)
どちらともいえない 23 (14.5)
 
表5 より良いターミナル看護を提供するための自由意見
カテゴリー化
緩和ケア病棟の設立(22)
職場環境・条件の充実:時間的ゆとり、看護師の人員確保、相談しやすい環境(19)
緩和ケアに関する研修会の参加、知識技術の習得(18)
医療チームのカンファレンスの充実(10)
医療チームでの統一した治療、看護の提供(8)
専門ナースの育成、精神科専門看護師の確立(7)
告知、インフォームドコンセントの充実(7)
疹痛コントロール(6)
( )内は回答件数







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