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9. 家族のケア
(ア)態度
(1)患者の死はその家族にとって最大の悲劇であることを理解する
(2)個々の家族のありように配慮する
(3)家族ひとりひとりに配慮する
(4)子供(小児・思春期)のケアに配慮する
(5)親(高齢者)のケアに配慮する
(6)家族の精神的、肉体的、経済的負担に配慮する
(7)患者の死後も家族のケアに配慮する
(イ)技能
(1)家族構成と背景を記録できる
(2)家族に対して、折に触れ「死の行程」について説明できる
(3)家族の役割の変化に気づいて、チームでそれに対応できる
(4)家族の構成員それぞれのないし共有する価値観に気づいて、チームでそれに対応できる
(5)遺族の心身の変化について評価できる
(6)喪失体験に配慮した患者としての家族の診療が行なえる
(ウ)知識
(1)家族内部の価値観の多様性について述べることができる
(2)家族の精神的、肉体的、経済的負担について述べることができる
(3)心身に影響を及ぼす家族の相互関係について述べることができる
(4)喪失における悲嘆について述べることができる
(5)子供に対するグリーフケアの重要性について述べることができる
(6)「先取り悲嘆(予期悲嘆)」について述べることができる
(7)家族の概念の多様性について述べることができる
(8)患者の死を境とする家族の生活の変化や継続性について述べることができる
(9)家族のケアにおけるチームの役割・機能について述べることができる
(10)家族のケアにおける地域の役割・機能について述べることができる
 例;教会、寺院、友人、自助・互助グループ、遺族会等
 
10. スピリチュアリティ
(ア)態度
(1)誰にも、スピリチュアルな世界があることを認識する
(2)自分の存在の意味と目的を確認する
(3)患者や家族のスピリチュアリティを尊重する
(4)チーム・メンバーのスピリチュアリティを尊重する
(5)スピリチュアルケアに関わる姿勢を持つ
(6)患者が信じている宗教を尊重する
(イ)技能
(1)患者や家族の話をよく聴くことができる
(2)患者や家族の生き様、信条、主義、宗教に関する体験とその時の語り手の様子について記述できる
(3)(2)の記述に基づいて患者や家族のスピリチュアリティについて評価できる
(4)チーム・メンバーの話をよく聴くことができる
(5)チームとしてスピリチュアルケアが行なえる
(ウ)知識
(1)スピリチュアリティについて述べることができる
(2)スピリチュアリティと宗教との相違について述べることができる
(3)死の文化的・宗教的側面について述べることができる
(4)人が生きることにおける性の重要性について述べることができる
(5)我々には他人の苦悩を解決できないことについて述べることができる
 
11. 在宅ケア
(ア)態度
(1)医療は患者や家族にとって生活の一部であることを自覚する
(2)患者が過ごしたい場所を尊重する
(3)患者の死生観を尊重する
(4)患者と家族の相互関係に配慮する
(5)家族の負担に配慮する
(6)患者、家族、地域の潜在的な力を引き出す
(7)自分の能力・職域の限界を知り、他職種の役割・意見を尊重する
(8)治療において患者や家族の意思決定を尊重する
(イ)技能
(1)日常生活に使用される資源を活用できる
(2)患者や家族に対して療養上の適切な教育・指導ができる
(3)在宅ケアチームの一員として共同作業ができる
(4)必要な場合は積極的治療を中止できる
 例;輸液、昇圧剤、抗生剤、輸血
(ウ)知識
(1)在宅ケアに関する保健・医療・福祉制度について述べることができる
(2)介護保険で利用可能な在宅ケアの支援について述べることができる
 例;ホームヘルパー、訪問看護、家屋改修、福祉用具の貸与、通所リハビリテーション、ショートステイ等
(3)医療保険で利用可能な在宅ケアの支援について述べることができる
 例;訪問看護、訪問診療、訪問歯科診療、在宅疼痛療法、在宅栄養療法、在宅酸素療法、在宅リハビリテーション、在宅服薬指導等
(4)老人保健制度で利用可能な在宅ケアの支援について述べることができる
(5)ケア・マネージャーの役割について述べることができる
(6)緩和医療に影響する地域の文化・習慣について述べることができる
(7)在宅ケアにおける医師及び他職種の役割・機能について述べることができる
(8)在宅ケアチームのダイナミズムについて述べることができる
(9)医学的介入の不利益について述べることができる
 
12. 代替補完療法
(ア)態度
(1)現代医学の限界を弁える
(2)代替補完療法を求める患者の心理を理解する
(イ)技能
(1)代替補完療法について患者の立場にたった助言ができる
(2)代替補完療法のエビデンスについて評価できる
(ウ)知識
(1)代替補完療法の定義を述べることができる
(2)緩和ケアにおける代替補完療法使用の現状について述べることができる
 
13. ケアする人のケア
(ア)態度
(1)チームのメンバーの価値観の個別性を尊重する
(2)チームのメンバーの自律性を尊重する
(3)チームのメンバーの心身の状態に配慮する
(4)自分の心身の状態に配慮する
(5)他者の配慮を素直に受け入れる
(6)チーム外に自分の世界を広げる
(イ)技能
(1)チームのメンバーの心身の状態の変化に気づき、チームとして対応ができる
(2)自分の心身の状態を把握し、それに対応できる(セルフ・コントロール、援助を求める)
(3)専門外の世界が持てる
 例;仕事以外の友人、趣味
(ウ)知識
(1)ケアする人の心身のストレスについて述べることができる
 例;燃え尽き症候群、悲嘆、感情移入、ストックホルム症候群
(2)チームにおける役割分担のストレス軽減作用について述べることができる
(3)心身の健康管理における人間関係の役割について述べることができる
(4)グループ・ダイナミクスについて述べることができる
(5)チーム・カンファレンスの役割・機能について述べることができる
 例;方針決定の共有、心身の変化の気づき、悲嘆の解消、フィードバック、雰囲気作り







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