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平成14年度(2002年)研究報告

 事業名 医学医療に関する研究助成
 団体名 笹川保健財団  


IV 今後の課題
 今回取りあげた事例は8例だけであったが、条件に合う事例を選び出すのは大変困難であった。研究をした某大学病院では確定診断と積極的治療が主であり、病名告知や生命予後についての告知をされていない事例が多かった。今回の研究では対象者は生命予後の告知を受けており、対象者が生命予後を知っていることや、生命予後よりも延命していることが必要条件となるため、対象者が限られ事例選択が難しかった。また研究期間が短く、多くの対象者を選ぶことができなかった。また、事例の耳鼻科疾患患者は告知を受けた時点では消化器系に障害がなく、食べられることで体力を回復し改善していった経過があった。このことから終末期癌患者ではあるが、生命予後が悪い疾患では延命は困難であり、生命予後の長短が延命に影響するのでないかと考えられる。今後は医学的な根拠を明確にし、延命につながる根拠をさらに事例を増やしていき、研究を続けていきたいと考えている。
 今回の研究では終末期癌患者の延命につながる要因に関しては明らかにできた。しかし大学病院の一般病棟におけるスピリチュアルケアに関する研究であったが、スピリチュアリティに関する概念の理解が難しく、また、定まった概念がないことから研究者間で概念統一することが困難であった。今後は、大学病院の一般病棟におけるスピリチュアルケアについて、入院期間短縮になってきている状況を踏まえ、どのようなスピリチュアルケアが可能であるか模索し検討していきたいと考えている。
V 研究の成果等の公表予定(学会、雑誌等)
 この研究で得た成果の一部である「終末期患者の延命につながる要因の検討」については、2003年3月に大阪国際会議場で開催される「第5回アジア・太平洋ホスピス大会」でポスター発表することが決まっている。また論文については専門雑誌に投稿し公表する予定にしている。
 
引用文献
1. 田崎美弥子、松田正己、中松 文:日本人にとって‘スピリチュアル’とは何か−WHO質的調査から考える−、看護学雑誌、66(2):172−177、2002.
2. 津田重城:WHO憲章における健康の定義改正の試み−「スピリチュアル」の側面について−、ターミナルケア、10(2):90−93、2000.
3. 稲葉裕:スピリチュアルの邦訳についての考察、ターミナルケア、10(2):94−96、2000.
4. Waldemar Kippes:スピリチュアルケア−病む人とその家族・友人および医療スタッフのための心のケア−、東京:サンパウロ、2‐58、1999.
5. 村田久行:スピリチュアルとは何か、ターミナルケア、12(4):324−327、2002.
6. 村田久行:スピリチュアルをキャッチする、ターミナルケア、12(5):420−423、2002.
7. 今村由香、河正子、萱間真美他:終末期がん患者のスピリチュアリティ概念構造の検討、ターミナルケア、12(5):425−434、2002.
8. 河正子、萱間真美、水野道代:終末期患者のスピリチュアルケアに関する理論的基盤の構築−スピリチュアリティの意味とその構成概念の明確化−、平成12年度〜13年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)(2)研究成果報告書、16−34、東大医図書.
9. 新藤悦子:看護婦が語るがん末期患者へのスピリチュアルケアの様相、日本がん看護学会誌、15(2):82−91. 2001.
10. 高橋美枝子、金田きみ子、中島智子他:当院の医師・看護婦のスピリチュアル・ペインについての意識調査結果、ホスピスと在宅ケア、202、6月、2001.
11. 前野宏:医師に対するスピリチュアルケアのアンケート結果とスピリチュアルケアにおける仮定と原則、ターミナルケア、10(2):97−102、2000.
12. 高橋美枝子、金田きみ子、中島智子、大山ちあき、鈴木勉:当院の医師・看護婦のスピリチュアル・ペインについての意識調査結果、ホスピスと在宅ケア、10月:202、2001.
13 .Maunsell E, Brisson J, Deshenes L, et al: Social support and survival among women with breast cancer. Cancer 76:631−637,1995.
14. 村上好恵、内富庸介:サイコオンコロジーの科学的基盤、がん看護、7(6):455−460、2002.
15. 池田優子:がん体験を肯定的に受け止めるプロセスに関する質的研究、全人的医療、4(1):40−43、2001.
16. 窪寺俊之:スピリチュアルケア入門、13−20、東京:三輪書店、2000.
17. 田村恵子:スピリチュアルな叫びへの援助、ターミナルケア、12(10)増:82−92、2002.
18. 今村由香、河正子、萱間真美、水野道代、大塚麻揚、村田久行:終末期がん患者のスピリチュアリティ概念構造の検討、ターミナルケア、12(5)、425−431、2002.
 
参考文献
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