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3S級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


7)燃料噴射ポンプ
 燃料噴射ポンプは、噴射に必要な圧力を燃料に加えて噴射弁に送り霧状にして噴射させると共に機関の回転数や負荷変動に応じ、ガバナと連動して燃料の供給量を調整し、又噴射時期を適当に調整するなどの重要な作用を行っている。
 燃料噴射ポンプの種類としては次のようなものがある。ここでは、舶用ディーゼルエンジンに一般的に使われているボッシュ形燃料噴射ポンプについて説明する。
 
 
(1)ボッシュ形燃料噴射ポンプ
 ボッシュ形燃料噴射ポンプは小形から大形まで多くの機関に使用されているポンプである。
 ボッシュ形燃料噴射ポンプには、単筒形と、全シリンダ分を一つにまとめた集合形とがある。又集合形には燃料カムと一体で組み立てられた列形ポンプ(インラインポンプ)と単筒形を一つのケース内に直列に配置した簡易式のものとがある。(2・163図及び2・164図
 いずれの型式のものも作動原理は全く同じでありプランジャバレル内に挿入されたプランジャが往復運動する事により燃料を圧送している。
(1)ボッシュ形燃料噴射ポンプの構造
 2・161図に単筒形ポンプの断面図を、又2・162図にインラインポンプの断面図及び構成部品の名称を示す。
 プランジャバレルはポンプ本体の肩部に固定されていて動くことは出来ないが、プランジャは上下運動と共に、プランジャ最下部の逆T形をしたつば部がコントロールスリーブの溝にはめ込まれており、このスリーブがコントロールラックが動くことによりプランジャとともに回転し噴射量を調整する構造となっている。プランジャ上部にはデリベリバルブがあり、プランジャによって圧送された燃料油は高圧管を通り燃料噴射弁に送られる。
 
2・161図 ボッシュ形単筒ポンプ
 
(拡大画面:69KB)
2・162図 ボッシュ形インラインポンプ
 
2・163図 ガバナ付きインラインポンプ
 
2・164図 簡易型列形ポンプ
 
(2)ボッシュ形燃料噴射ポンプ、プランジャの形状
 噴射ポンプのプランジャは、燃料の噴射量を調節するために2・165図に示すような形状に加工されている。種類としては2・166図に示すように正リード、逆リード、両リードの3種類があり、更に燃料噴射量の増加する回転方向により、左巻きリード、右巻きリードに分けられる。
(注)左巻きリード、右巻きリードとは、リードの向きのことであり、2・166図に示す如くプランジャを下部から見て、左巻きのものは左回転させたとき、右巻きのものは右回転したとき噴射量が増加するリードの事である。
 
2・165図 プランジャのリード
 
2・166図 プランジャの形状
 
(3)ボッシュ形燃料噴射ポンプの作動
(噴射の原理)
 プランジャバレル(一種のシリンダ)は、燃料噴射ポンプ本体に固定され、バレルの内に挿入されたプランジャは、燃料カムの回転により上下運動を繰り返している。
・プランジャが下降しプランジャの上辺が吸排油孔位置までくると、ポンプ本体とバレル外周によって作られた油溜室に充満されている燃料油は、バレルの吸排油孔より吸い込まれてプランジャ室を満たす。
・プランジャが上昇し、上辺がバレルの吸排油孔を塞いだとき(静的噴射始めと云う)から燃料の圧送が始まり圧力が上昇する。(2・167図A
・更にプランジャが上昇し下部リードが吸排油孔に覗いた瞬間、高圧となった燃料油は、プランジャの縦溝より吸排油孔を通り油溜室に戻され圧送(噴射)は終わる。(2・167図B
・この噴射始めから噴射終りまで実際に燃料を圧送している期間を有効ストロークという。
・プランジャを回転させ、2・167図Cに示すようにプランジャの縦溝と吸排油孔を一致させると燃料は圧送されず無噴射となる。
 
(拡大画面:53KB)
2・167図 プランジャの作動
 
(噴射量の調節)
 燃料の噴射量は、コントロールラックに噛み合うコントロールスリーブの回転に連動してプランジャが回転し、プランジャとプランジャバレルの相対位置が変わるため、プランジャのリードと吸排油孔の関係位置が2・169図のように移動し、噴射始めから噴射終わりまでの有効ストロークが変化するので噴射量が調節される。
 
2・168図 噴射量調整機構
 
2・169図 噴射量調節機構
 
(4)吐出弁(デリベリバルブ)
 デリベリバルブはプランジャバレルの上部にデリベリバルブホルダで取り付けられており、プランジャからの吐出が終わったとき、高圧管からの逆流を防止すると共に、高圧管内の残圧を保持する働きをしている。しかしこの残圧が高すぎると、噴射終わりの後も燃料弁から燃料が噴射されるのである程度燃料を吸い戻す必要がある。この作用は2・170図(2)の状態から(3)のようにシートが密着するまで行われ残圧は適正に保たれる。この間にデリベリバルブの動く寸法(a)を吸い戻しストロークと呼んでいる。
 
2・170図 デリベリバルブの作動
 
(2)ユニットインジェクタ
 ユニットインジェクタは高圧管が無く、プランジャと燃料弁一体型の燃料噴射装置で、エンジンのシリンダヘッドに直接一個ずつ取り付けエンジンのカム軸により駆動される。
 断面図と構成部品図を2・171図及び2・172図に又、機関への取り付けを2・173図に示す。
 燃料噴射・調整の機構はインラインポンプと同じであるが、ガバナには一般に油圧ガバナが使用されている。
 
2・171図 ユニットインジェクタの断面図
 
2・172図 同左部品図
 
2・173図 ユニットインジェクタの装着







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