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第4章 図面の見方・書き方および材料
1. 図法の基礎
1.1 線の種類とその用法
 製図は鉛筆又はすみ入れで画かれ、青、赤等の色は用いられず黒一色であるので図形の表示を明確にするためJIS規格において線の種類と太さが次の様に区別されている。
(1)実線(連続した線)
(2)破線(約3mmの一定長の短かい線を一定間隔約1mmで並べた線)
(3)一点鎖線(約20mmの一定長の線と長さ約1mmの一つの点とを交互に一定間隔で並べた線)
(4)二点鎖線(一点鎖線の一点が二点となっている)
(5)線の太さは次の3種類である。
(1)全線・・・烏口をもって引く事ができる最大の線である。即ち一番太い線。
(2)半線・・・全線の1/2の太さ。
(3)毛線・・・最も細い線。
使用される線の太さとしては0.8、0.6、0.4、0.3、0.2、0.1mmの6種類がある。
 
1.2 各線の用途
1)実線
(1)外形線・・・品物の外形を示す。
(2)破断線・・・品物の内部を示すために一部破断した個所を示す時用いる。
(3)寸法線、寸法補助線、引出線・・・品物の寸法を記入する時に用いられ、引出線は0.2mm以下の毛線を使用する。
(4)ハッチング・・・図形の断面を表わす時に用いられ0.2mm以下の実線で示す。
(5)歯元を示す線・・・歯元円は実線または太い破線が用いられる。
 
2)破線
(1)かくれ線・・・物体の見えない部分の形を示す時に用いられる(外形線の太さの1/2)。
(2)歯元線・・・実線と同様に用いる。
 
3)一点鎖線
(1)中心線・・・品物の中心軸、対称の中心、機構上の中心などを示す時用いられる(0.2mm以下)。
(2)切断線・・・中心でない所で切断する時、その位置を示す場合外形線の1/2の太さで用いる。
(3)ピッチ円線・・・歯車のピッチ円を示す時に用いる。
 
4)二点鎖線
 外形線の1/2の太さで想像線として用いられる。
以上の用途、名称、例等をまとめたものが4・1表である。
 
4・1表 各線の用途
(拡大画面:56KB)
 
1.3 図形の表わし方
 図面を見てその品物がどのような形であるか判断をする時、正しい図形の見方を知ることは非常に重要である。現在一般に用いられている図形のいく通りかを記しておく。
 
1)湾曲部の表わし方
 4・1図の表面の一部あるいは全部が湾曲面である場合で、Aは2つの円弧が垂直面によって接触しており、Bは両円弧が同一水平線上で接触している。CおよびDは湾曲は示されておらず1つのなだらかな曲りである事を示す。
 
4・1図
 
 4・2図は、2つの面が円弧によって接続されている場合で、2つの面が丸みをつけない場合は交わる線をもって表わす。
 
4・2図
 
2)補助投影図
 品物の一部が水平でも垂直でもなく或る角度を持っている場合に用いられる。4・3図がその代表例である。
 
4・3図
 
3)回転図
 品物が一部傾斜している場合に実長を示す方法として用いられる、4・4図がその一例である。
 
4・4図
 
4)展開図
 板金製品の時、折り曲げていない時の寸法を示す事は非常に重要である。この様な時に用いられる。4・5図がその一例である。
 
4・5図
 
5)局部正投影図
 品物の一部の形を投形する方法で楕円の部分のみ投影図で示している、4・6図がその一例である。
 
4・6図
 
6)複式投影図
 2個の図形を1箇に省略して画き、中心線を境として片側ずつ異った方向から見た図を画いている、4・7図がその一例である。
 
4・6図
 
7)仮想図
 品物に対する想像、或いは暗示を与えるために用いられる用法である。これは必ず二点鎖線が用いられる、4・8図がその一例である。
 
4・6図







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