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(3)バッテリ(直流電源)
(a)構造と機能
 バッテリは、2・139図に示すように希硫酸の中に二酸化鉛(PbO2)、と鉛(Pb)をひたすと、二酸化鉛が陽極に、鉛が陰極になって電池ができる。起電力は2Vである。これを通常蓄電池というが、この蓄電池を2・140図のように2つ以上直列につないだものをバッテリという。
 
2・139図 バッテリの構造
 
 
2・140図 バッテリの構造
(拡大画面:97KB)
 
 バッテリの容量はAH(アンペア・アワー)で表わされ、これはバッテリが何アンペアの電流を何時間連続して放電できるかを示したものである。
 例えば、10Aの電流で10時間連続放電できるとすれば
 10×10=100AHの容量があるといえる。
(b)点検と整備
(i)充電状況の点検
 バッテリの充電状態は2・11表に示すように、電解液の比重と密接な関係があるので充電状態のチェックは比重を測定して判断する。
 
2・11表 バッテリの充電状態
放電状態 比重計の読み
(完全充電時比重1,280とした場合で温度20℃のとき)
完全充電 1.260〜1.280
1/4放電 1.25
1/2放電 1.22
3/4放電 1.19
全放電 1.16
 
 比重はバッテリ液の温度によっても変化するので、次式により20℃の比重に換算してチェックすること。
 20℃における比重=実測時の比重+0.0007(実測時のバッテリ液温度−20℃)
注) 液温が20℃より高い時は比重は低く現われる。
  液温が20℃より低い時は比重は高く現われる。
 
(ii)充電
 バッテリ液の比重は1.26〜1.28であるが、放電が容量いっぱいまで行なわれると1.1以下になり、起電力も1.8V以下になる。放電されたままにしておくと電極上の硫酸鉛(白っぽいもの)がふえ、ふたたび充電してももとにもどらなくなる。
 また、使用しなくてもときどき電圧をはかり1.8Vぐらいに下がっていたら、充電してやる必要がある。充電は一定電流か、または一定電圧で行い10〜20時間かけるのが普通である。
 完全に充電されたときはつぎのようになる。
(1)電圧が2.3〜2.5Vに上昇し、水の電気分解が起こり両極から気泡が盛んに出る。(陽極は酸素、陰極は水素)
(2)陽極がチョコレート色に、陰極が鉛色になる。
(3)バッテリ液の比重が約1.28になる。
(4)1〜2時間毎に比重を測定し、比重が変わらなくなれば完全充電されている。
 (注)完全充電された時の比重は1.26〜1.28であり異っていれば調整すること。







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