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2.6 軸受損傷
 すべり軸受の損傷は、軸、ハウジング、潤滑油、速度、荷重、異物、温度等、軸受以外のものも含め、いくつかの要因がからみ複雑である。(補・21図参照)
 その対策については、法則、傾向性はあるものの、ある程度の予備知識、相当の経験と偏見のない公平さが常に要求される。ここでは、すべり軸受の損傷、事故の分類を7種類として概説する。
 損傷状況が複合している場合は、1次損傷を主原因として取り上げる。例えば、キズから焼付にいたった場合、焼付からハクリにいたった場合は、それぞれキズ、焼付として処置する。
 
補・21図 軸受特性要因図
(拡大画面:42KB)
 
1)キズ
 軸と共に硬い異物が軸受面を摺動して線状キズを造り、異物が軟かい軸受面に埋収、脱落して点状キズを作る。油膜厚さ、負荷、軸、軸受、表面形状、油流、材質、異物の種類、大きさ、形状などによってそれぞれ特徴のある挙動を示す。小さい多数の異物は、油の流出軌跡状の浸食キズとなることが多く、軸方向ミゾ端からは比較的大きい異物が出て線状キズとなることが多い。鉄系異物はくさび状先端からせまい油スキマへ引きずりこまれやすい。
 キズの特徴は、堀りおこされ、圧潰、溶解しても断面の組織的変化が少ないことである。
 
補・22図 キズの例
線状キズ痕
 
 
キズ部拡大
 
 
キズ部(B部)断面(組織の変化はなし)
 
 
キズ部深さ







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