4)ニイガタZペラ
株式会社 新潟鐵工所
1. Zペラ新シリーズ
(1)はじめに
ニイガタZPシリーズは1970年にZP−2型が完成した以降、多くのユーザの方々のご愛顧により数多くの販売実績と御好評をいただいてまいりました。この間に蓄積された数々のノウハウと最新の技術を導入し、より一層使い良い高性能なZペラを目指し新シリーズとして1988年にZP−21型を開発致しました。以来、お客様のニーズにお応えし、各馬力レンジに応じた新シリーズを開発して参りましたので以下簡単に紹介致します。
(2)主要目
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〔図−1〕静止推力のグラフ
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(3)特徴
(1)小型軽量化
最新技術の導入により、寸法、重量共に従来機種に比べて大幅に低減しましたので、船体の小形化や、他の装備の充実が図れます。
(2)軸系配置の改善
据付面からの高さを従来よりも低くしましたので、プロペラ室の高さ制限が大巾に緩和されました。また、入力軸芯も低くなり、ユニバーサルジョイントや中間軸の傾斜角を小さくできユニバーサルジョイント軸受部の寿命も改善されます。
(3)静粛な運転−低振動低騒音化
イ 高精度ベベルギャーの採用により、歯車噛合によって発生する騒音と振動の低減を計りました。
ロ スキュードプロペラを標準とし、プロペラ起振力による船体振動や騒音を大巾に改善しました。
(4)高伝達効率化
小形軽量化と共に、高精度ベベルギャーの採用により伝達効率の改善を計りました。
(5)軸受配置と潤滑性能改善
Zペラ内部の各伝達軸の軸受は、スラスト荷重とラジアル荷重が合理的に受けられる配置になっております。また各軸受自身が持っている油の循環作用を有効に利用できる様に油の通路を工夫し、Zペラ内部の潤滑油が常時自己循環する様に配慮しましたので、油の早期劣化を防止し、潤滑性能の維持と軸受寿命の改善が期待されます。
(6)漁網侵入防止
三崎式ロープガードの装着により、プロペラ軸シールへの漁網や釣糸の侵入を防止し、シール損傷によるZペラ内部への海水侵入を防止しました。
(7)メンテナンス作業時間短縮
小型軽量化と共に、旋回座軸受を採用することにより旋回筒周りの構造を簡素化し、調整個所の減少を計りましたので、ZP本体の分解、調整及び再組立に要する時間の短縮が計れます。
(8)多彩なオプション
機種によりましては可変ピッチプロペラ(CPP)仕様や高速入力回転(1800min−1)仕様等に対応可能です。
(4)おわりに
Zペラ新シリーズは、ZP−21型をスタートとし、ZP−09型からZP−41型まで開発致しましたが、これも皆様の数多くのアドバイス、御協力あって初めて出来る賜物であると存じます。今後もお客様のニーズにお応えし、更に幅の広いラインナップを充実していきたい所存です。
今後各地の港で活躍する曳船においてZペラ新シリーズが曳船の性能向上に少しでも寄与する事を期待すると共に、今後共曳船業界の発展に微力ながらもお役にたてる様、一層努力してゆく所存でございますので、お引き立ての程宜しくお願い申し上げます。
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