3)クラッチ内蔵形Zペラ
株式会社 新潟鐵工所
1. はじめに
ニイガタZPシリーズはお蔭様で多くのユーザの方々から数多くの販売実績と御好評をいただいてまいりました。その中で、このたびクラッチ内蔵形ZPシリーズを開発しましたので、その概要をご紹介します。
2. 主要目
〔表−1〕に主要目を示します。
〔表−1〕主要目
型式 |
ZP−21 |
ZP−31 |
Zペラの形式 |
スリップ機構付クラッチ内蔵形、固定ピッチプロペラZ形推進装置 |
定格入力 |
kW |
1,176 |
1,323 |
1,544 |
|
PS |
(1,600) |
(1,800) |
(2,100) |
入力軸回転速度 |
min−1 |
750 |
750 |
1,000 |
750 |
1,000 |
プロペラ軸回転速度 |
min−1 |
306 |
331 |
337 |
273 |
306 |
減速比 |
|
2.448 |
2.265 |
2.963 |
2.744 |
3.265 |
入力軸回転方向 |
|
左右舷機共、時計方向 |
左右舷機共、時計方向 |
プロペラ軸回転方向 |
|
左右舷機、内回り |
左右舷機、内回り |
プロペラ直径 |
mm |
2,000 |
2,200 |
プロペラ形式 |
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ニイガタ4翼スキュードカプラン形固定ピッチプロペラ(コルトノズル付) |
旋回油圧装置 |
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Zペラ入力軸からギヤによる直接駆動の可変容量吐出ポンプ |
スリップ制御 |
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アイドル回転時、プロペラ軸をスリップ制御可能 |
前進ボラード(100%MCR) |
kN |
410(42tf) |
440(45tf) |
534(54.5tf) |
乾燥質量 |
kg |
約15,500 |
約19,500 |
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(注1)回転方向は、プロペラ側から見た場合を示す。
(注2)前進ボラードは、2軸合計のスラストを示す。
3. 特徴
クラッチ内蔵形Zペラの軸系概略図を〔図−1〕に示します。現状標準型のZペラではクラッチが主機関側に配置されておりますが、今回各方面からの御要望によりこのクラッチ部分をZP側とし、尚且つZP上部ギヤケース内部に組込む構造と致しました。
特徴としましては下記の通りです。
(1)造船所殿での油圧配管施工とフラッシング作業が不要になりました。
(2)潤滑油フィルター及びクーラーが共通化され装備品がシンプルになりました。
(3)全てのポンプが主機駆動です。
・旋回用油圧ポンプ
・クラッチ作動油ポンプ
・潤滑油ポンプ(クラッチ部およびZペラギヤ部の潤滑用)
(4)クラッチ部分をZペラ本体から分離し単独で整備が可能です。
(5)入力軸回転方向を変える事なくプロペラ回転方向を選択できます。
〔図−1〕クラッチ内蔵形軸系概略図
(拡大画面:69KB) |
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4. おわりに
クラッチ内蔵形仕様のZP−21、ZP−31型は国内及び国外のお客様向けとして販売を開始させて頂いており、既に国内外合わせ14台のご納入をさせて頂きました。
従来のクラッチ独立形と合わせ、今回のクラッチ内蔵形仕様の追加によりお客様のニーズに少しでもご満足して頂けることと思います。合わせて今後共曳舟業界、作業船業界の発展に微力ながらもお役にたてる様一層努力してゆく所存でございますので、お引き立ての程宜しくお願い申し上げます。
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