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(5)事業の財源の確保状況 −財源を参加料に頼っていくには、事業の見直しも必要−
 財源の見通しについては、約3割が「参加料・住民等の負担金・企業等の協賛金で運営できる」としている一方で、「参加料・住民等の負担金・企業等の協賛金で運営できるよう事業を見直す」としている事業実施者も約3割を占めている。また、「補助金に頼らざるを得ない」とする事業実施者も約2割に及ぶ。
 参加料については、経費を充当できる分だけ徴収しているところが多く(全体の約6割)、利益を見込んだ設定をしているところは少ない。また、住民の負担金や協賛金はあまり得られていない地域が多い。
 
図表5−29 今後の財源確保等の見通し
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資料:
(財)地域活性化センター『「ふるさと体験」事業実施団体へのアンケート調査結果』(平成14年)
 
(6)効果的な広告・宣伝方法
−マスコミヘの惰報提供、新聞への広告掲載、参加者へのアプローチが効果的。ダイレクトメールや口コミの影響も大きい−
 事業者が最も効果があったと感じている広告・宣伝方法は、いずれの集客規模においても、「マスコミ等への情報提供」となっている。集客数の小規模な地域では、「新聞への広告掲載」や「特定地域・団体への売り込み」が多く、「ホームページでの広告」も比較的効果があったようである。集客数の大規模な地域では、「旅行会杜等との提携」や「専門雑誌への広告掲載」による効果が大きいようである。
 
図表5−30 最も効果のあったと感じている広告・宣伝方法(集客数比較)
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資料:
(財)地域活性化センター『「ふるさと体験」事業実施団体へのアンケート調査結果』(平成14年)
 
 また、半数以上の事業実施者は、参加者や会員に対して「次回の体験事業情報」や「地域情報」等の情報提供を行っており、リピーターの確保に努めている。なお、リピーター(各地域で実施の体験事業に過去2回以上参加)のいる団体は8割以上にのぼる。
 一方、体験ツアー参加者へのアンケート調査によれば、体験ツアーを知ったところは、「主催団体からのダイレクトメール」や「口コミ」が最も多く、参加者等への直接的な情報提供に集客の効果があるといえる。しかし、前頁の事業実施者の認識している効果的な広告・宣伝方法は、実際とはズレがあるようだ。
 
(7)実際に得られた効果 −経済面と住民の誇りの醸成に効果あり−
 全体的には半数以上の地域である程度の効果が得られていると認識している。「地域の対外的な知名度のアップ」や「住民による地域の魅力と誇りの再発見」が8割以上の地域で効果が得られているが、「UJIターン・定住促進」についてはほとんど効果が得られていない。
 
図表5−31 体験事業で実際に得られた効果
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資料:
(財)地域活性化センター『「ふるさと体験」事業実施団体へのアンケート調査結果』(平成14年)
 
(8)最も重要な課題について
−資源を活かしたおもしろい企画と、それを実施する適切な人材の確保が最重要課題−
 集客数が小規模な地域では、「プログラムを実施・指導する人材の確保」が多く、実際にもてなす側の地域の人材確保が最重要課題となっている。
 ある程度体験事業の実績を積んできていると考えられる、集客数が大規模な地域では、「地域資源を生かし、ニーズにあった事業の企画・開発」が多く、次のステップとして、参加者により満足してもらえるようなプログラムを検討することが必要とされている。
 
図表5−32 体験事業の最重要課題(集客数比較)
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資料:
(財)地域活性化センター『「ふるさと体験」事業実施団体へのアンケート調査結果』(平成14年)
 
イ まとめ:農村体験型観光の実態把握
■農山村体験事業で多く行われているプログラムでは、収穫体験などの農林漁業体験、伝統食品づくりや伝統工芸体験などの手作り体験、自然観察や山・川遊び、採集、トレッキングなどのアウトドア・レクリエーション体験などである。
■多くの自治体では、地域の魅力や住民の誇りの醸成、集客による経済効果を目的として、農山村体験事業に取り組んでおり、これらについては一定の効果が得られている。
■一方で、資金面での見直し、受け入れ側の人材育成、ニーズにあった資源の活用などの課題を抱えているところも多い。
■農山村体験型の観光を通して地域活性化を推進していく上で、最初は資金、広報・宣伝、連絡窓口等において行政の支援を入れながら、その後住民が独自で取り組んでいけるような体制をつくっていくことが望まれる。そのためには、主体的に取り組む人材の確保が重要であろう。年代的には、50歳代の関心が比較的高い。
  







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