コミュニティバスの整備イメージ
今後実施される不便地区の生活交通実態調査の結果を取り入れ、コミュニティバスの具体的なあり方、整備方針を検討していくが、現段階ではコミュニティバスのコンセプトは以下のように想定される。
■ 少量輸送システムである
このバスは、比較的需要の少ない地域を既存の路線バスより多頻度で運行する、大型バスとタクシーの中間に位置するシステムである。
■ 市が運営・運行する
このバスは、既存の路線バスがカバーできない交通不便地域の解消などを目的に、市が事業主体となって企画・運営する輸送サービスである。
■ 行政支援で運行する
このバスは、気軽に利用しやすい低額な料金設定を前提に、市が財政限度の範囲内で運行経費の一部を負担することを通じて維持していくシステムである。
■ 住民の自発的努力で維持される
このバスは、住民から発想される多様な移動ニーズに対応する「地域密着型」の公共交通機関という意味において、市・バス会杜・関係市民の協力のもとに運営するシステムである。
■ 使用車両
小型車両
・不便地域は大型路線バスの通行が難しい狭い道が多く、一方通行もあるが、需要にきめ細かく対応するため、こうした狭い道路も走行可能な小回りの利く小型サイズの車両が考えられる。
・大型車両に比べ、車両購入費、燃料費等の経費が低廉な小型車両が適当と考えられる。
高齢者の利用を考慮した車両
・主に高齢者に不便な乗り降りの昇降ステップのないノンステップ型や段差を少なくした低床型のもの、障害者が乗降しやすいようドア幅を広くしたものやスロープ板付きの車両の導入が考えられる。
車内設備については、高齢者、障害者が使いやすいゆったりした座席、握り棒の配置などの工夫。
■ 低公害車
環境負荷を軽減するため、低公害車の導入。
大気環境の改善、C02の低減効果の期待できる石油以外のエネルギーを利用した自動車をまとめると以下のようになるが、電気自動車は短距離の連絡用や小型軽量の貨物運搬などが中心で、バスとしては天然ガス自動車(CNG自動車)の導入が可能となれば有力なエネルギーの一つであると考えられる。
ガソリン車代替自動車の普及台数の推移
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平成9年度 |
平成11年度 |
電気自動車 |
2,500 |
2,400 |
ハイブリッド車 |
3,600 |
36,870 |
CNG車 |
2,093 |
5,250 |
メタノール車 |
313 |
220 |
合計 |
8,506 |
44,740 |
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運営形態など
コミュニティバスは、次ページのような運行形態が想定される。
公共輸送サービスの運行形態
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特徴 |
問題点と今後の課題 |
公営事業 |
公共資金による事業だが、一般会計から独立した企業会計で運営されるので、企業管理上は民間事業者と同様の扱い。 |
今回の改革により、左記の点がますます強化されるため、公営事業にとっては相当の重荷になる。免許制の廃止に伴い、公営事業への差別的な公的支援は難しくなり、また民間事業者との熾烈な合理化競争に晒されるようになるため、今後の新規参入は難しい。 |
公共自家用サービス |
従来の病院バス・スクールバス等の発展型であり、自治体が自家用車輔で乗り合い輸送するもの。 |
従来、運賃無料を原則に免許制度上の特例としてこの方式が認められていたが、民業を圧迫する懸念があることから、今改革後は、特殊な路線・地区に限定されることになると考えられる。 |
運行委託方式 |
自治体のサービス供給計画に基づき、一定路線(営業単位)の運行を民間事業者(公営も含む)に委託するものであり、自治体が車輌を保有して運行を委託する資本貸与方式、すべてを委託する一括請負方式、その中間などの多様な委託方式がある。 |
公共資金による委託料支払いが原則であるが、正常な運賃によって黒字となる路線も当然あるから、その場合、委託料をどうするかについての検討が必要になる。 |
民間事業者一任方式 |
民間事業者の自由な参入に委ねる方式で、自治体にとっては最も楽な方式である。 |
これだけではサービス供給の達成は難しい。 |
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(参考)デマンドバスの整備イメージ
デマンドバスのあり方は、地域の実態、利用特性などから色々な形が想定される。参考までにデマンドバスについての概要を示す。
■利用方法
利用予約に従って、運行するシステムで利用者は希望乗車時間および乗降停留所を決め、電話やファックス、情報端末機器から利用を申し込む。
■情報提供の方法
この申し込み内容は、既存予約での運行計画や各種データを基にコンピューター処理され希望時間に近い乗車可能時刻が提示され、利用者は利用の成否を決める。公共公益施設(病院など)のロビーなどでバスを待つようなサービス可能。
■バスの車両など
車両の大きさ、使用エネルギー、高齢者、障害者への配慮などコミュニティーバスと同様さまざまな形態が考えられる。
■バスルート
考え方は、基本的にはコミュニティー・バスと同様でるが、当システムはバス停より相当離れる利用者が利用出来るよう、通常運転するバスルートに対し代替ルートを設けバスネットを設定することも可能である。
デマンドバスの利用イメージ
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